第六章 〜noa's child〜
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「・・・考えといてくれよ、バンドの話。本気だぜ?でさ・・・俺、決めた。今!明日から本当の自分を出す、それで自分を変える。もう僕なんか使わない。周りにも、先生にも、もう、自分を隠さない。それで、何が変わるわけでも無いし、俺が今までしてきた事が許される訳じゃないけど、もう、隠さない。それで、父さんとも話す機会を作る。」
「・・・そっか。いつきが変わるなら僕も変われるいいチャンスかもしれない。僕も将来について考えてみようかな。初めてかもしれないけど。この町のこと、自分のこと。だって町を出るなんて想像もしてなかったからさ。でも・・・バンドかぁ、音楽全くしてこなかったから考えられないけどね。でもさ、そもそも、やるって言っても、僕が担当するのって何?楽器なんかやった事無いのに。」
「何言ってんだよ。もちろん、ギターボーカル。バンドの顔だ。」
「・・・えっ?」