第六章 〜noa's child〜
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第六章 ~noa's child~
やけに寒くて、それに何か眩しくて目を開けた。その時、初めて寝ていたんだって気付いた。もう夕焼けになってる。チャイムは鳴ったんだろうか?今日はなんて日なんだ。まだ頭がボーっとして今朝から自分が体験したことを思い出す。
「いつき・・・・方舟・・・そっか、方舟に入ったんだ。それで、セックスなんとか・・・ベース・・・いつき・・・・あいつ本当におかしいよ。なんなんだよ・・・方舟にアダム、あと・・・なんて言ってたっけ・・・そうだ、そうだ!母さんだよ!そうだ!母さんってなんのことだ!」
目は開いてるけど、周りの景色は見えていない。何から考えていいのか分からなかったけど、僕は考えた。もう、方舟のことしか考えることは出来ない。
僕が方舟の中で喋った?誰とも会ってないし、いつきの父さんの声は聴いたけど話していない。まだ父さんに見つかりそうになったことも言ってないし、違う・・・なんだ?いつきが話したって知ってるってことは・・・・
方舟の声!!!あれは機械なんかじゃなかったんだ!いつきの母さんの声だ!!
でも、なんで・・・グルグルと景色が回る。母さん?方舟って・・・いつきの家族って・・・。なんだよ、この感じ・・・なんで僕なんだよ、僕が何をしたんだよ・・・困ってたアイツを助けたのは僕なのに、なんで僕がこんなに悩まなくちゃいけないんだよ・・・。風が妙に生暖かく感じて、下の校庭からは部活の掛け声が響いている。そうだ、答えが待ってる。アイツに聞くしかない。そうだよ、アイツの母さんが言ってた。いや、方舟が教えてくれた。全てが仕組まれたことみたいだけど、アイツだ。キーだ。カギだ。
「いつき」