AMERICAN ROCK



artist : THE DOORS
title : 『 STRANGE DAYS 【まぼろしの世界】』  THE DOORS 『 STRANGE DAYS 【まぼろしの世界】』
comment : 本作は、ジャケットの一団──怪力男、小人、ジャグラー、軽業師──が象徴するような、いわゆるサーカス的な音楽ではない。しかしここで描かれている世界では、彼らがふと訪ねてきそうな、そんな感覚がある。その雰囲気作りに大いに貢献しているのが、ギタリスト〜ロビー・クリーガーのスライドを織り交ぜた浮遊感溢れるギター・プレイ/サウンド。巷に溢れる“サイケデリック”という言葉より、このギターを、そしてこのサウンドをこそ“サイケデリック”と信じたい。
 しかし、一見とても個性的なこのサウンド、意外にもそのアンサンブルを構成する要素はシンプルで、違う曲でも同じようなフレイズがよく出てくるし、ブルーズやタンゴ、ラテン・ジャズなどの“既成の音楽の尻尾”も垣間見られる。
'05/03/28記

artist : NICO
title : 『 CHELSEA GIRL 』  NICO 『 CHELSEA GIRL 』
comment : ヴェルヴェット・アンダーグラウンドでは1stアルバムで3曲しか歌わせてもらえなかったニコの、素人性剥き出しだけどアンニュイなヴォーカルが全体を支配するソロ・アルバム第1弾。繊細さ、気高さ、優雅さといった明るく清らかな雰囲気と、寂しさ、悲しさ、危うさといった暗く憂鬱な雰囲気が入り混じった世界を、ストリングス、フルート、そしてシンプルなギターが巧みに表現し、“室内楽フォーク”ともいえそうな一種独特な魅力を放っている。それはタイトル・チューンともいえる「CHELSEA GIRLS」(アルバム・タイトルでは“S”がない)で特に顕著。
'03/11/07記、'06/05/24修正

artist : RICHARD HELL & THE VOIDOIDS
title : 『 BLANK GENERATION 』  RICHARD HELL & THE VOIDOIDS 『 BLANK GENERATION 』
comment : パンク・ロックの喧騒や狂気、虚無感。そして、その裏側にある傷つきやすさや優しさ。その全てがここにはある。リチャード・ヘルのヘナヘナとしたヴォーカルとロバート・クインの金属的で捻じれたギターが時に性急に、時にクールに“コチラ”へ向かって迫ってくる。
 そんな本作はいかにもパンクな直線的アプローチの曲は少なく、むしろ捻じれたR & R、うらぶれたシャッフル、ひしゃげたファンク、『 LOADED 』 の頃のヴェルヴェット・アンダーグラウンドような曲などを収録していて、結構ヴァラエティー豊か。また、意外にもCCRのカヴァーや、涙なくしては聴けないフランク・シナトラのカヴァー「ALL THE WAY」(ボーナス・トラック)も取り上げている。
'04/12/11記

artist : SEEMON & MARIJKE
title : 『 SON OF AMERICA 』  SEEMON & MARIJKE 『 SON OF AMERICA 』
comment : ビートルズの衣装やアップル・ブティックの壁画などを手掛け、またアルバムも出していたオランダ出身のグループ〜ザ・フールのメンバーであるシーモンとマーレイケ。彼らがアメリカ西海岸に移り、CS&Nのグレアム・ナッシュのプロデュースの下、カントリー、タンゴ、ソウル、マリアッチ、アラブ音楽などの様々な音楽を、ゴスペル的な群唱をキーワードにまとめあげた奇盤がコレ。リタ・クーリッジ、ジョニ・ミッチェルがコーラスで、ニック・デカロがアコーディオンで、そして意外にもブッカー・T. ジョーンズがオルガンで参加。
'03/11/25記

artist : HARPERS BIZARRE
title : 『 THE SECRET LIFE OF HARPERS BIZARRE 』  HARPERS BIZARRE 『 THE SECRET LIFE OF HARPERS BIZARRE 』
comment : 古き良きスタンダードのカヴァーと、「THE DRIFTER」や「ME, JAPANESE BOY」、「MAD」といったキラー・チューン。それを繋ぐテーマは“夢の中の放浪の旅”、そしてちょっとした“ディスカヴァー・アメリカ”。ニック・デカロ他が手掛けた、手堅く豪華なアレンジから生まれたカラフルなサウンドと、それに負けず劣らずカラフルなジャケット(キリンジが 『 PAPER DRIVER'S MUSIC 』 の内ジャケットでパロっていた)で、聴き手の脳裡に様々なイメージを描かせてくれる本作は、実に“映画的な”コンセプト・アルバム。それはきっと、元々映画の会社であるワーナーからリリースされていることと無関係ではないのだろう。
'06/03/31記

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