A NEGATIVE FILM / V.A.60 
 side A  title / artisttime
 (1)THE GIRL FROM “PLAYGIRL” / 山下毅雄2:33
 (2)A NIGHT IN TUNISIA / LES DOUBLE SIX2:57
 (3)ACCALIBERATION / BLAZE (FUNKY PEOPLE) 4:22
 (4)SUNDAY AFTERNOON
     / MAX ROACH, HIS CHORUS AND ORCHESTRA
6:14
 (5)FLORENCE SUR LES CHAMPS-ÉLYSÉES
       【シャンゼリゼを歩むフロランス】 / MILES DAVIS
2:50
 (6)THE OTHER SIDE / MORPHINE3:52
 (7)LOOK HERE / THE CLASH2:45
 (8)HARLEM NOCTURNE / THE LOUNGE LIZARDS2:02
 (9)JOCKEY FULL OF BOURBON / TOM WAITS2:46
 total time...30:21+(頭約10秒,曲間約3秒,後約30秒) 
 side B  title / artisttime
 (1)THE MUSIC THAT WE HEAR (MOOG ISLAND)
                           / MORCHEEBA
3:49
 (2)5:15 / CHRIS ISAAK
3:09
 (3)BARE HUGG / MANFRED MANN
3:49
 (4)Suite From “UNDERGROUND 【脱出請負業】”
              TAPE MACHINE / LALO SCHIFRIN
3:16
 (5)SKIRT ALERT / CORDUROY
3:31
 (6)SECRET LIFE / NOVI SINGERS
3:16
 (7)LES SAISONS DU PLAISIR 【悦びの季節】
                         / GABRIEL YARED
2:48
 (8)LOIE / FREDERICK ROACH
6:34
 total time...30:12+(頭約10秒,曲間約4秒,後約16秒) 



 side A

(1)THE GIRL FROM “PLAYGIRL” / 山下毅雄
taken from : 『 プレイガール & プレイガールQ ミュージックファイル 』  ▲title / artist
 日本のアクションものと言えばこの人、山下毅雄が手掛けたサウンドトラックのA(1)からスタート。ソウルっぽいよく動くベース、ラテン・ジャズっぽいドラム、擬似サンバっぽいギター、結局は大きく見てサンバのリズムのヴァリエイションのバック・トラックに乗せて、「バーババーババーバ」というスキャットがフィーチャーされている。躍動的ながらも、哀愁やコミカルさも備え持った曲。


(2)A NIGHT IN TUNISIA / LES DOUBLE SIX
taken from : 『 LES DOUBLE SIX 』  title / artist
 ラテン・パーカッションに続いて、「バーバッ、バッ、バッ」と始まるジャズの名曲A(2)。前曲からのイメージを引き継ぎながらも、ヴォーカルのパフォーマンスは高度になり、若干エキゾチック&イクセントリックになった感じ。ヴォーカル以外には前述のパーカッション、ドラムス、ベースのみの編成。このグループ、クリスチャンヌ・ルグランが在籍していたことで有名なのだが、彼女は '60年にはグループを抜けていたので、この曲が録音された '61年には既に不在。因みに、この曲が収録されたCDは2in1CDで、恐らく2ndと3rdのカップリング。


(3)ACCALIBERATION / BLAZE (FUNKY PEOPLE)
taken from : 『 THE MANY COLOURS OF BLAZE 』  title / artist
 基本的にはハウス系のグループのはずのブレイズが、ファンキー・ピープル名義でアカペラに挑戦したA(3)。ブラジル系のリズムと、ジャズではお決まりのコード進行II_Vをベースに、奔放なリード・ヴォーカルやブラックなハーモニーが絡んで、イクセントリックでありながらも哀愁味漂う仕上がりになっている。


(4)SUNDAY AFTERNOON / MAX ROACH, HIS CHORUS AND ORCHESTRA
taken from :
『 IT'S TIME 』  title / artist
 イクセントリックな合唱の練習のような感じでスタートするA(4)。しかし、そんな雰囲気も曲が始まってしまうと、II_V+クリシェに乗せて歌う哀愁のトランペットにかき消されてしまう。その後も合唱は挿入されはするが、裏方に回っている。この曲が収録された 『 IT'S TIME 』 は、ドラマーがリーダーながらも全編ゴスペル的なコーラスが配されていて、ブラック・パワー満載の荘厳なアルバム。


(5)FLORENCE SUR LES CHAMPS-ÉLYSÉES 【シャンゼリゼを歩むフロランス】 / MILES DAVIS
taken from : 『 ASCENSEUR POUR L'ÉCHAFAUD 【死刑台のエレベーター】』  title / artist
 哀愁のトランペットと言えばこの人をおいていない(それだけでは納まらない人だが)マイルズ・デイヴィスのA(5)。『 死刑台のエレベーター 』 のテーマ曲でも良かったのだが、ちょっと“まんま”な感じがしたので、始まり方に若干のイクセントリックさがあるこちらを選んだ次第。人の声がなくなった分、少し寂しげになった感じ。最後にちょぴっとだけバルネ・ウィランのサックス・ソロ(?)あり。


(6)THE OTHER SIDE / MORPHINE
taken from : 『 GOOD 』  title / artist
 バリトン・サックス、1弦ベース(しかもボトル・ネックで演奏! 後に2弦に増える)、そしてあえてチューニングを低く設定したドラムスによる“ロウ・ロック・トリオ”〜モーフィーンのA(6)。幾分アップ・テンポなビート上で展開される、DとD#を繰り返すフラメンコ的なコード進行によって幽玄な雰囲気が醸し出されている。虚ろなマーク・サンドマンの歌声と、時に暴れるような表情も見せるデイナ・コーリーのバリトン・サックスが危うげだ。
 彼らは、この曲が収録された 『 GOOD 』 の次のアルバム(2nd) 『 CURE FOR PAIN 』 で、「MILES DAVIS' FUNERAL 【マイルズ・デイヴィスの葬式】」という曲をやっている。そんな曲をやっているからというわけではないが、マイルズ・デイヴィス、ラウンジ・リザーヅ、トム・ウェイツ、ついでにブランキー・ジェット・シティ(特に2ndの 『 BANG ! 』)の音世界が好きな人なら、彼らを気に入ること請け合いだ。日本では過小評価されているので、是非応援したいバンド...だが、リーダーのマーク・サンドマンはステージ上で亡くなってしまった。惜しい人を亡くしました。ご冥福をお祈りします。


(7)LOOK HERE / THE CLASH
taken from :
『 SANDINISTA ! 』  title / artist
 前曲から更にスピード・アップしてカッ飛ばすジャジーなロカビリー(?)のA(7)。ホントにスリリングなリズム・パターンだ。パンク然とした1stや2ndアルバムの頃の彼らからは想像もできない曲調。ドラムスは細かいフレーズで頑張っているのに、ギターはちょっとリズムに乗り切れておらず、ベースは上下しているだけ。それでもジャジーな雰囲気を出せている。メンバー全員がテクニシャンでなくとも、こういうカッコいい曲が作れるということの良いサンプル。サイドで鳴るシロフォンやピアノ、そしてルー・ルイスが吹いていると思われるハーモニカがシブい雰囲気作りを助けている。飛ばしすぎたせいでブレーキが利かないかのような「タッタッタッタッタ...」というドラミングでストップ。


(8)HARLEM NOCTURNE / THE LOUNGE LIZARDS
taken from : 『 THE LOUNGE LIZARDS 』  title / artist
 サム・テイラーのサックスによる演奏で知られる、ムーディーでダーティーなA(8)。調性がないような曲が多いこの1stアルバムの中でこの曲はかなり異色だが、2ndアルバムではノイズ・ギタリストのアート・リンゼイが抜けたせいかメロディが復権していて、この曲はその布石といった感じに受け取れなくもない。しかしただでは済むはずはなく、イントロで聴かれるベースのチョーキングや、右チャンネルのオルガンが、いい意味で不気味だし、アート・リンゼイのギターは相変わらず端の方でほんの少し「ガチャ、ガチャ」と鳴っている。
 このラウンジ・リザーヅ・ヴァージョン、2ndを出したか出さないかくらいの頃のブランキー・ジェット・シティのライヴのS.E.で使われていた。確かこの曲が収録された1stアルバム 『 THE LOUNGE LIZARDS 』 の邦題にもなっていたはず。


(9)JOCKEY FULL OF BOURBON / TOM WAITS
taken from : 『 RAIN DOGS 』  ▲title / artist
 ラウンジ・リザーヅの2代目ギタリスト〜マーク・リーボウが、トレモロをかけた上にイクセントリックなギター・フレイズを聴かせるルンバ調のA(9)。いつもはあえて調子っぱずれな音も挿みこんだソロ・スタイルなのに、この曲はコード感に忠実にやっている。それでもぶっきらぼうなフレイズは健在。
 この曲はブランキー・ジェット・シティが2ndアルバム 『 BANG ! 』 の「ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車」でそのスタイルをかなり拝借してしまった曲。その上 『 BANG ! 』 には「RAIN DOG」という曲まであるのだから、これはもう明らかにこのトム・ウェイツの 『 RAIN DOGS 』 を意識したと見てよかろうと思う。



 side B

(1)THE MUSIC THAT WE HEAR (MOOG ISLAND) / MORCHEEBA
taken from : 『 WHO CAN YOU TRUST?』  title / artist
 禍々しさタップリな単音のファズ・ギターで始まるB(1)。ラテン風味のリズムにブルージーなメロディー。トリップ・ホップにカテゴライズされる彼らだが、そのサウンドには非常に '60年代の香りが漂う。しかし、ヴォーカルの声はマッシヴ・アタック的なトリップ・ホップ向きのミステリアスな声。
 この曲は元々 『 WHO CAN YOU TRUST?』 のボーナス・トラックで、このアルバムの1曲目「MOOG ISLAND」のヴァージョン違い。そちらは禍々しいギターがなく、闇夜にたゆたうようなシンセがよく聴こえる分、幾分トリップ・ホップ寄りの音。


(2)5:15 / CHRIS ISAAK
taken from :
『 SAN FRANCISCO DAYS 』  title / artist
 うらぶれた男がウロウロと歩くような、ヒッソリとしたロカビリーのB(2)。そんなウロウロ感やヒッソリ感を演出しているのはハモンド・オルガンと、前述のモーフィーンのマーク・サンドマンのヴォーカル・スタイルともかぶる雰囲気を持ったクリスの歌唱。しかし、歌声は幾分細い感じで、彼がよく例えられている通りロイ・オービソン的。テンション・コードで余韻を残す終わり方が、とってもクール。


(3)BARE HUGG / MANFRED MANN
taken from : 『 SOUL OF MANN 』  title / artist
 モッド・ジャズ(小西康陽氏の造語)を代表するアーティスト〜マンフレッド・マンによる、ヒタヒタと忍び寄るような予感を催させる、クールでジャジーなB(3)。フルート、ヴィブラフォン、オルガンと聞いただけでピクッと反応してしまうような楽器編成。


(4)Suite From “UNDERGROUND 【脱出請負業】” TAPE MACHINE / LALO SCHIFRIN
taken from : 『 THE BEST OF MISSION:IMPOSSIBLE 【スパイ大作戦 ファイル1】』  title / artist
 4分の5拍子で有名なテーマ曲を収録したアルバムから1曲。初めに出迎えるギターとヴィブラフォンが、“気だるく、物憂げな午後”といった感じのB(4)。テーマ部分を終えるとそのままソウル・ジャズ風のギター・ソロへ。この曲やこのテープの雰囲気を気に入った人には、ラロ・シフリンの 『 BULLITT 』 もオススメしておきます。そちらもスリル満点のアルバム。


(5)SKIRT ALERT / CORDUROY
taken from :
『 DAD MAN CAT 』  title / artist
 切なく遣る瀬無いピアノのイントロで始まるB(5)。途中のピアノ・ソロも同様に切ない。探偵が街の中を車で走りながら何かを探しているかのような曲。「パパパパァパ〜」というキャッチーなスキャットがトボケているけどどこかクール。


(6)SECRET LIFE / NOVI SINGERS
taken from : 『 NOVI IN WONDERLAND 』  title / artist
 ポーランドのジャズ・コーラス・グループ〜ノヴィ・シンガーズのアルバムより、クラブ系の音楽ファンからは“キラー・チューン”として名高いB(6)を。Bのジミヘン・コードからそのまま短3度(半音3つ分)ずつ4回下降した後、Eのジミヘン・コードに辿り着くという意表を突いたイントロが衝撃的だ。その後のスキャットも強烈なインパクトで、聴き手を圧倒させずには置かないスリル満点の曲。


(7)LES SAISONS DU PLAISIR 【悦びの季節】 / GABRIEL YARED
taken from : 『 LA FILMOLOGIE DES POP MUSIQUES FRANÇAIS 【フレンチ・ポップ・フィルモロジー】』  title / artist
 忍び寄るようなベース、バック・ビートに合わせての指パッチン(英語でなんて言うんだっけ?)、フランス語の少々イクセントリックなヴォーカル。うらぶれた哀感の中にも、どこかコミカルな雰囲気の漂うジャズのB(7)。この曲が使われた映画はコメディー映画らしいので、それも頷ける。他ではあまり語られているのを目にしたことはないが、ここでのコーラスには前述のクリスチャンヌ・ルグランが参加している。
 なおこのサントラ盤には、ミッシェル・ポルナレフやアストル・ピアソラも収録されている。


(8)LOIE / FREDERICK ROACH
taken from :
『 ALL THAT'S GOOD 』  title / artist
 テナー・サックスを始めとするシリアスな楽器群(ギター、オルガン、リム・ショットのドラムス)と、マヌケなコーラスが同居しているせいで、哀愁がありながらもコミカルに仕上がった“えせオルガン・ボサ”のB(8)。裏通りのビルの地下室で麻薬の密売組織が打ち合わせをしているかのような、胡散臭さがプンプンと漂う曲。



[MENU TOP] [CASSETTE] [INDEX] [TOP PAGE] [HOME] [INTRO] [LINK] [OPINION]


Copyright© 2003-2008 Universal Phonograph. All Right Reserved.