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演奏会の予算
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演奏会の予算
演奏会の予算のたてかた

 演奏会を成功させるために、最も重要なことが、費用の配分です。
 お客さんは集まって大盛況だったが、莫大な赤字が残った、というのでは困ります。
 ここでは演奏会を開くとどれだけの費用がかかり、どれだけの収入が得られるのか、考えていきます。

 
支出

 まず最初に演奏会を開くにあたって、一番辛い部分である、支出の内訳を見ていきましょう。

報酬、人件費

 演奏会にかかる支出の中で最も大きな割合を占めるのが報酬です。
 そのうち、指揮者、ピアニスト、ソリスト、エキストラなどに対する報酬が支出の大部分を占めます。
 報酬には本番、ゲネプロ(舞台での総練習)、本番に到るまでの練習に対する金額が含まれます。
 報酬は人、場合によって金額に雲泥の差がありますので一概には言えませんが、プロの指揮者で、マネージメントを通さなくて良い場合でも20万円〜100万円程度の金額が考えられます。マネージメントを通さなくてはならない場合は、その数割り増しから、数倍の金額がかかることもあり得ます。勿論これは、その人のランク、報酬についての考え方、招く側との関係(コネクション)などによって大きく変化します。
 ピアニスト、ソリストに関しても同様ですが、合唱のピアニストの場合ですと、指揮者より安めが一般的です。
 いずれにしても交渉次第とも言えますが、かなりの金額が予想されますので、演奏会を計画する時、時期と同様、真っ先に考えるべき事項です。

 そして、演奏会は出演者だけでは成立しません。最低必要なのが、舞台監督(ステージ・マネージャー)、表方(受付・もぎりなど)です。このほか、演目によっては、演出家、照明家、大道具、小道具、衣装、音響、写真家、調律師、楽器運送屋などが必要となる場合があります。楽器に関しては、コントラバスなど楽器手当(車でないと運べない)程度で済む場合から、打楽器、ハープなどでは業者が必要となってくる場合があります。
 さらにそれらの出演者を遠くから招く場合、交通費、宿泊費、食費(接待費)なども大きくかかってきます。場合によっては謝礼よりも高くつくことがあります。

会場費

 幸いなことにほとんどのホールは半官半民で運営され、ごく低価格で使用することができます。基本料金だけでしたら、多くが数万から10数万で利用できます。ごく一部の半官半民ホール、または民営ホールでは数十万円にも及ぶことがありますが、そのようなホールでは、出演者に対して、実績を求めることが多いようです。つまり出演者が過去にどれだけの演奏会を開いてどの程度の評価を受けてきて、そのホールで演奏会を開くのに値する団体なのか、事前審査が行われ、それによって使用許可が下されると言うことです。
 ホールの使用料の他に、普通は楽屋が必要ですので、その使用料金もかかってきます。
 また演目によっては、ピアノ、譜面台、椅子(ステージ用)、マイク・録音などの音響設備、ひな壇、照明などの使用料が加算されます。
 このうち最も高額なのが照明費で一般演奏会使用でしたら数万で済みますが、カラフルな照明を使うとなれば20万円以上掛かることもあります。もちろんここに照明家の報酬は含まれていません。
 以上の会場費に関する事柄は、ほとんどの場合、時間区分(午前、午後、夜間)で課金されますので、これらの使用を必要最低限にとどめ、無駄な支出を抑えることも必要です
 但し、大都市周辺で安くて良質なホールは、確保するのに高倍率な抽選に勝ち抜く必要があり、場合によっては100倍近い抽選率のこともあります。
 また、ホールの使用料だけでなく、練習会場費のことも頭に入れておく必要があります。

印刷費

 次に高額なのがちらし(パンフレット)、ポスター、チケット、プログラムなどの印刷費です。
 ちらしは集客のために重要なアイテムで、場合によりますが、目安として集客目標数の5倍程必要です。つまり集客目標が1000人でしたら5000枚が目安ですが、同じホールで行われる演奏会などでチラシを撒く、またはプログラムに挟み込ませて貰えるようなことがあれば、その枚数を計上する必要があります。
 チラシのデザインのよっても大きく料金が変わってきます。色を何色使うかで料金が変わることが一般的です。当然フルカラーが最も高くつきます。また写真を使うとその枚数分の費用がかかります。
 安く上げるには、デザインを印刷所任せにせず、版下を自前で作って行くことです。
 ポスターは最近、貼らせて貰える所が激減しています。以前は役所、公民館などの公共施設、銀行、スーパー、団地の掲示板などでも貼らせて貰えることがありましたが、最近では断られることがほとんどで、使い道の少ないアイテムとなってしまいました。印刷費を考えると無駄が多いので、チラシを拡大コピーして使用することを考えた方が無駄がありません。

広告宣伝費

 新聞、雑誌などの有料広告ですが、余程人の目を引く物でないと効果が上がりません。1枚数万円のチケットならともかく、1000円や2000円程度の入場料でしたら、支出の方が大きくなりますので、なるべく無料の媒体で宣伝して貰うよう心懸けましょう。

著作権使用料

 著作権が生きている楽曲を演奏、プログラムなどに歌詞、楽譜などを掲載した場合かかってきます。料金は演奏会の料金、会場の広さ(集客人数)などによって変わります。
 事前に料金を知りたければJASRAC(日本音楽著作権協会)に問い合わせれば、金額を教えて貰えます。
 この費用を安く上げたければ、著作権者が死後50年以上のものばかりを選べば良いです。そうすれば著作権使用料は派生しません。

雑費

 招待状の発送などの通信費、スタッフのお弁当代などの細々とした費用です。


収入

 次に収入を見てみましょう。収入は支出に比べ、項目が少ないのが特徴です。

売り上げ

 チケットの売り上げです。余程の人気がある公演でない限り、一般に販売されることはほとんど期待できませんので、ほとんどが次項の「ノルマ」による売り上げとなります。

ノルマ

 普通、チケットは放っておいても売れる物ではないので、出演者等に義務的に割り当てられます。
 単純に、50人の出演者で1000人の観客を動員したければ一人20枚のノルマ、と言うことになりますが、総支出を出演者数で割って一人あたりの金額が算出されることの方が一般的です。

助成金、広告費

 ホール、自治体、企業などからの助成金があります。
 ホールの場合は、使用料の免除などがありますが、最近は減りつつあります。
 自治体等では、市、県などの助成金、国の文化事業支援などがありますが、条件が提示されていることが多いので、なるべくその条件を満たすようにしましょう。
 広告費はちらし、プログラムなどに掲載することを条件に、その広告面積から数千円〜数万円の広告費を貰えますが、最近は不景気のため、広告を渋る企業が相次いでいます。また、チラシの裏面などに印刷した場合、頂いた広告費より印刷費用の方が高くついた、などと言うこともありますから、よくお考え下さい。

雑収入

 最も有り難いのが、広告などの条件を伴わない「お祝い金」ですが、これを貰うには、日頃からのやりとりが必要です。つまり近隣の団体などが演奏会を開く時には、きちんとお祝いを持って出掛けておく、と言うことです。と言うわけでで、収支として考えればとんとんで、利益にはなりません。ただし演奏会の会計をまとめる場合、それまでに持っていったお祝い金は一般会計に含まれ、演奏会会計には現れないので、実情を知らない一般団員などには何となく得をした感を与え、有利です。
 と言うわけで、一方的にお金が頂ける程、世の中は甘くない、と言うことです。

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