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My All Time Favourites update
ALBUMS #1
AJA - Steely Dan
 これまでに、一体何回このアルバムを聴いてきたのだろう。そして、これから死ぬまでに、一体何回聴くことになるのだろう。恐らく数え切れないほどの回数 になるはずですが、きっと最後の死の床にあっても、僕はこの音楽に包まれていたいと思うに違いない。そんなレコードに出会えて、つくづく自分は幸せ者だと 思うのです。

 70年代後半、当時最も勢いのあったスタジオミュージシャンたちをかき集め、長期間に渡って押さえたスタジオで毎日毎日同じパートを延々と録り直しさせ たという伝説のレコーディング。複雑なホーンセクションやコーラスを含め、綿密に計算され練り上げられたスコアを基に、妥協することなく一音ずつ精緻に構 築された音楽の完成型が、ここにパッケージされています。単なる表面上のお洒落さに留まらない、核心部分の歌ごころがしっかりしていてこそ僕らの耳に残る 音楽になる。そのことを彼らはよく分かっていたのだと思う。だからこそ、これだけ手間とお金をかけた力作でありながら、逆にイージーリスニングのように軽 く聞き流すこともできる作品になっているわけです。

 スカスカなのにずっしりと重い "Black Cow" のリズムで幕を開け、"Aja" の似非東洋メロディの背後で炸裂するウェイン・ショーターとスティーヴ・ガッドのバトルに拳を握りしめ、"Deacon Blues" の豪華なホーンセクションが彩る「負け犬賛歌」に涙するA面から、スリリングな "Peg" に切り替わるB面への曲構成も実にお見事。リー・リトナーやラリー・カールトン、マイケル・マクドナルドといった大物が極めて贅沢に起用されており、参加 クレジットを眺めながら演奏を聴いていると飽きるということがありません。

 「ロック的なダイナミズムが足りない」という批判は適切ではないでしょう。Steely Dan が目指していたものは単なるロックでも、いわゆるフュージョンでもなかったはずですから。無人島に1枚しかアルバムを持っていけないとするならば、僕は間 違いなくこれを選びます。

(⇒ ALBUMS 10-1

(⇒ SONGS 20-11

London Calling update
24 November 1995
Aimee Mann @ The Forum
 Out of My Hair に続いてはお待ちかね、メインアクトの Aimee Mann です。なんでも今夜のギグの収入は全額 Children In Need というチャリティ団体に寄付するらしい。BBCに加えてGLRというローカルのラジオ局も会場入りしてライヴ録音される、とのアナウンスに場内はいっそう 盛り上がります。

 飾り物一切なしの素っ気ないステージに現れた Aimee とバンドの面々。今年の7月に行われたロンドン公演の時と同じメンバーたちだったようです。

 Aimee は前回のライヴと同じ古い傷だらけのアコースティック・ギターを抱えます。ひょろっとした細い体格の彼女ですが、今日の衣装はチープな青のタイトなエナメ ルジャケットの下に、短い丈でへそ出しのシースルー白長袖Tシャツ。ボトムは淡いグレイの太いストライプが入ったタイトなパンツに紺のキャンバス地のス ニーカー。腰には白いワークシャツを巻いています。サラサラしたショートのプラチナム・ブロンドを真ん中分けにして、全然飾らないところが彼女らしい。音 出しのためか1曲だけ演奏するとすぐに引っ込み、再び現れてから本編がスタートしました。(⇒ 続きを読む) 

(⇒ Out of My Hair @ The Forum
(⇒ David Bowie @ Wembley Arena
(⇒ Morrissey @ Wembley Arena
(⇒ London Calling Index


Monthly Texts update
(⇒ "80s Night" on 15 Oct 2004
(⇒ ★産業Night on 24 Sep 2004

(⇒ Monthly Texts Index


CD Reviews update
"THE VERY BEST OF ROBERT PALMER" - Robert Palmer
 ロバート・パーマーには無数の編集盤が存在しますが、現時点ではどれも決定版とは言い難いものばかり。1995年発売のこのディスクもどうにも中途半端 な編集です。そもそも1枚で押さえようとすること自体に無理があるのかもしれません。かといって、"ADDICTIONS VOL.1" "VOL.2" と題されて発売されたひどくマニアックな編集盤には妙なリミックスが施されていたりして、まったくもってコレクター泣かせなのです。しかし、ある意味それ もロバート・パーマーたる所以。このベスト盤も、曲の配列はぜんぜん時代順になっておらず、一聴すると非常にとっ散らかった印象を与えます。しかし彼のア ルバムは毎回方向性がバラバラでしたし、アルバム自体も様々な曲調のものがごった煮になっていたものでした。ということは、これはこれで良しとすべきなの でしょう。

 とりあえず、このベスト盤でもざっくりとした流れを追うことは可能です。80年代洋楽ファンにとってもっとも馴染み深い曲のひとつ、彼にとって唯一の全 米#1ヒットの「恋におぼれて」で幕を開け、70年代〜80年代初期に遡るヒット曲(2, 5, 7, 8, 12, 15) と、80年代後半以降の趣味的なヒット曲(3, 6, 11, 13, 14, 16)とをほぼ交互に聴くことができます。デュラン・デュランのメンバーらと組んで世界的に大ヒットした The Power Station の代表曲(4, 9)も収録。背広姿でポーズをとったブックレットカヴァーの内側にはデビュー作から94年の "HONEY" までの全アルバムのジャケット写真が並べてあり、アートワークにもこだわってきた彼らしいデザインです。とはいえ、全米チャート側からロバート・パーマー を聴いてきた身としてはこの英国編集では十分に満足できないのも事実。米国のみのヒット曲…
(⇒ 続きを読む

(⇒ "GREATEST HITS" - Fleetwood Mac
(⇒ "GREATEST HITS" - Bangles)
(⇒ "FOOTLOOSE" - Soundtrack