Fleetwood Mac
GREATEST HITS
1988 Warner Brothers |
01. Rhiannon (US#11/76) 02. Go Your Own Way (US#10/77) 03. Don't Stop (US#3/77) 04. Gypsy (US#12/82) 05. Everywhere (US#14/88) 06. You Make Loving Fun (US#9/77) 07. Big Love (US#5/87) 08. As Long As You Follow (US#43/89) 09. Say You Love Me (US#11/76) |
10. Dreams (US#1/77) 11. Little Lies (US#4/87) 12. Oh Diane (UK#7/82) 13. Sara (US#7/80) 14. Tusk (US#8/79) 15. Seven Wonders (US#19/87) 16. Hold Me (US#4/82) 17. No Questions Asked |
1988年に発売されたフリートウッド・マックのベスト盤で、いわゆる全盛期のヒット曲を中心に、バランスよくまとめられています。15曲ものシングルヒット+2曲の良質な新曲を統一感ある曲順で配置した、ある意味でベスト盤の理想形に近いもの。とりあえずマックを聴いてみようかな、という初心者に最適な1枚でしょう。これでも "Over My Head" (US#20/76)、"Think About Me" (US#20/80)、"Love In Store" (US#22/82) といったTop 40ヒットが漏れているのですから、如何にヒットの多いアーティストだったかが分かります。 英国のバンドであるフリートウッド・マックは、もともとブルース・ロック等を演奏していましたが、メンバーチェンジを経て変身した70年代後半以降はポップな曲調の大ヒットを連発するようになりました。特に77年のアルバム "RUMOURS"(『噂』)は空前のベストセラーになり、ビルボード誌アルバムチャート#1の座に31週間も居座ったことで知られています。このバンドの魅力をひと言で伝えるのはちょっと難しい。というのは、聴きどころがたくさんあり過ぎるから。敢えて絞り込むなら、まず第一に楽曲が良いこと。第二に3人のリードシンガー(スティーヴィー・ニックス、リンジー・バッキンガム、クリスティン・マクヴィー)のキャラクターが立っていること。そして第三に、驚異的に安定したリズムセクション(ミック・フリートウッド、ジョン・マクヴィー)の魔力。 特に、ソングライターでもある3人のヴォーカリストはこのバンド最大の売りでしょう。白いひらひら系の衣装で妖精の如く舞うスティーヴィー、時に力強く、時に偏執狂的なギター/ヴォーカルを聴かせるリンジー、温かいポジティヴな楽曲を優しく歌うクリスティンが、リードにコーラスに複雑に交錯していきます。全く異なる3人の個性のおかげでまるでオムニバス盤のように飽きることなく楽しめてしまう。しかしそれらを Fleetwood Mac というひとつのバンドに束ねているのは間違いなくリズム隊です。このバンドのドラムス&ベースは本当に凄い。複雑なテクニックを披露するのではなく、耳に心地良いベースラインとドラム音を追求した究極の「地味渋」路線。しかしこれこそが長く聴ける秘密なのですよ。派手なものほどすぐ飽きる。うす味料理が好きな自分にとって、このリズムセクションはダシのよく利いた究極の一品。心和む良質なポップのマジックを演出する隠れた主役なのです。 個人的なお気に入りはクリスティン・マクヴィーがリードをとる05、06、08、09、11。彼女の端正なヴォーカルとポップなメロディは、いかにも育ちの良い英国女性らしいもので、時として下世話に響かなくもないスティーヴィーのファンタジック路線をぐっと現実に引き戻してくれます。「どこにいても貴方と一緒にいたい」と歌う05や、「恋することを楽しくしてくれる貴方 / 奇跡なんて信じなかったけれど 今は信じてみたい気分」という06など、ポジティヴなラヴソングにはとても元気付けられますよ〜。 お気に入りベスト3 1. "You Make Loving Fun" (クリスティンの歌うハッピーなラヴソングはいつだって大好き) 2. "Little Lies" (これもクリスティンもの、珍しくミステリアスな雰囲気。何曲分も詰め込んだメロディの宝庫) 3. "Don't Stop" (リンジーがパワフルに歌う人生賛歌。過去を振り返るな、「今がいちばん」!) |