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artist : BIG JIM SULLIVAN |
title : 『 SITAR BEAT 』 |
release : 1968年 |
label : MERCURY RECORDS |
tracks ( cd ) : (1)SHE'S
LEAVING HOME (2)SUNSHINE SUPERMAN (3)A
WHITER SHADE OF PALE 【青い影】 (4)LTTS (5)THE
KOAN (6)TALLYMAN (7)THE
SITAR AND THE ROSE (8)TRANSLOVE AIRWAYS
(FAT ANGEL)【太った天使】 (9)WITHIN WITHOUT YOU
(10)FLOWER POWER bonus tracks ( cd ) : (11)PAGEING SULLIVAN (12)INDIAN DANCE NO. 2 (13)THE WILD ONE (14)ROMANTIC SCENE NO. 1 (15)POP SPOT (16)VIVA LA TAMLA MOTOWN |
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(5) / side B...(6)〜(10) |
musicians : BIG JIM SULLIVAN,sitar.(他にも、正式なクレジットはないもののJIMMY PAGE,guitar ; JOHN McLAUGHLIN,guitar (5) ; JOE MORRETTI,guitar ; JOHN PAUL JONES,bass.という情報がある) |
producer : MARK STRATFORD |
related website : 『 Big Jim Sullivan a Session Guitarist History 』(公式サイト) |
(1)SHE'S LEAVING HOME ▲tracks |
名盤〜
『 SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND 』 に収録されたビートルズ・ナンバー(1)。インド音楽でおなじみのパーカッションやシタール、そしてフルート、ソプラノ・サックス、アコースティック・ギターなどの編成でカヴァーされている。 ただ、普通に歌メロやコーラス部分をシタール他の楽器に置き換えてカヴァーしただけではなく、サビ以外の部分の拍子をインド音楽のタール(『 INDO JAZZ FUSIONS-INDO JAZZ SUITE 』 を参照)のように“4+3の7拍子”にアレンジしたり、中間にラーガ(こちらも 『 INDO JAZZ FUSIONS 〜 』 を参照)のようなセクションを挿入したりと、工夫が凝らされている。 |
(2)SUNSHINE SUPERMAN ▲tracks |
上記の
『 SGT. PEPPER'S 〜 』 同様、シタールが使用されたドノヴァンのアルバム〜 『 SUNSHINE
SUPERMAN 』 からのカヴァー(2)。シタールやホーン・セクション、パーカッション他、様々な楽器がゴチャゴチャとひしめいていながらも、グルーヴィーなベースがそれをうまくまとめていて、カヴァーとしてはかなりのハマり具合。その中で浮遊感いっぱいに漂う流麗なフルート・ソロがまたイイ。終盤のドラムやパーカッション類の暴れ具合も良し。 因みに、この曲は同胞〜ブライアン・ベネットの 『 CHANGE OF DIRECTION 』 でもカヴァーされている。 |
(3)A WHITER SHADE OF PALE 【青い影】 ▲tracks |
プロコル・ハルムの 『 PROCOL HARUM 』 に収録された名曲のカヴァー(3)。クラシカルなイントロから一転、アコギのストロークとサックリ軽快なビートに乗って、シタールや様々な楽器が代わる代わるメロディーを奏で、さながら“フォーキー・ラーガ”といった趣に変化する。優しげなストリングと、隠し味的にホンノリ響くヴィブラフォンに癒される。 |
(4)LTTS ▲tracks |
結構本格的な仕上がりを見せる、ビッグ・ジムによるオリジナルのラーガ曲(4)。8分の15拍子のリズムに則って、右チャンネルではシタールが一つのラーガを奏で、左チャンネルではフルートが奔放なソロ・プレイを展開していく。後半に進むに従って、次第にシタールも熱のこもったプレイをし始める。この曲を聴けば、ビッグ・ジムがジョー・ハリオットとジョン・メイヤーの
『 INDO-JAZZ FUSIONS 』 に参加できなかったことを悔しがっていたことも十分頷ける。 なお、キーロン・タイラー氏の英文ライナーに拠れば、タイトルの“LTTS”というのは“the Biblical Lost Ten Tribes of Israel”の頭文字を並べたものらしいが、日本人的な感覚からすると全然頭文字になっていない気がするのだが…。“Israel”の“Is”が“S”ということなのだろうか? |
(5)THE KOAN ▲tracks |
本作2つ目のビッグ・ジムのオリジナル・ナンバー(5)。今度は8分の21拍子。フルートとギターのユニゾンによるテーマから、ソプラノ・サックス(オーボエ?)のソロを経て、ジョン・マクラフリンの演奏と言われるメカニカルなギターが登場。再びテーマに戻って、アッサリ終了。 因みに、この曲はペンタングルの 『 THE PENTANGLE 』 にボーナス・トラックとして収録されている。 |
(6)TALLYMAN ▲tracks |
ホーン・セクションも加わった、本作きってのグルーヴィー&ファンキー・チューン(6)。ジェフ・ベックの2枚目のシングル曲のカヴァー(後に10ccの一員となるグレアム・グールドマン作)。パトパトと賑やかなパーカッションと、小気味良いドラム、そしてジョン・ポール・ジョーンズのプレイと思しきベースにグイグイと乗せられてしまうこと必至。このグルーヴィー・チューンにフルート・ソロというのがミス・マッチながらも面白い。 |
(7)THE SITAR AND THE ROSE ▲tracks |
神秘的で切なく、そして美しい(7)。妖しげな色彩を醸し出すシタールのストロークとアコースティック・ギターの中を、トボトボと歩くようなリズムに乗ってフルートが不思議な世界を作り上げた後、悲しげなシタールが登場、聴き手をなんとも不思議な気持ちにしてくれる。後半はフルートがクラシカルなソロを展開する。 |
(8)TRANSLOVE AIRWAYS (FAT ANGEL)【太った天使】 ▲tracks |
再びドノヴァンの 『
SUNSHINE SUPERMAN 』 からのシタールを使った曲のカヴァー(8)。しかし、せっかくシタール使用曲のカヴァーなのに、ここからはシタールが聴こえない。替わりに目立つのは右チャンネルから聴こえる“メケメケ”としたファズ・ギター。そして、原曲はかなりマッタリとした感じなのに対して、こちらは結構グルーヴィーな上にそこそこ華やか。しかし、本作の中にあっては展開に欠け、ちょっとアッサリ気味。 また、本来は「THE FAT ANGEL」の方がメイン・タイトルだが、なぜかここでは歌詞の一部を転用して「TRANSLOVE AIRWAYS (FAT ANGEL)」となっている。 |
(9)WITHIN WITHOUT YOU ▲tracks |
ジョージ・ハリスン作のシタール・ナンバー(『 SGT. PEPPER'S 〜 』 に収録)のカヴァー(9)。ラーガ系の曲としては比較的ポップな原曲に対して、こちらは若干ストイックな印象を受ける。ビートルズと比べるのは酷かもしれないが、この曲に関しては原曲に軍配が上がってしまう。しかしこれはこれで、アルバムの流れからすれば自然に聴けてしまう。因みに、オリジナルのタイトルは“YOU”が一つ多く、「WITHIN YOU WITHOUT YOU」。 |
(10)FLOWER POWER ▲tracks |
アルバムの最後を飾るのは、ビッグ・ジムのオリジナル・ナンバー(10)。トリだけあってかなりシタールを弾きまくっており、終盤に向ってインター・プレイは激しさを増して、結構本格的なラーガ・ナンバーに仕上がっている。フルートやギター、ベース、ドラムなどは登場せず、楽曲の構成もかなりシンプル。ラーガ系の楽器のみで勝負している。 |
ここからの6曲のうち(11)(13)(15)(16)は、“デ・ウルフ”というインディー系のレコード会社から依頼され、“THE LONDON STUDIO GROUP”名義で製作されらもの。同社からリリースされた 『 THE WILD ONE 』 というオムニバスに収録されている。なお、この4曲ではシタールは使用されていない。 |
(11)PAGEING SULLIVAN ▲tracks |
ボーナス・トラックの1曲目はヴィブラフォンとエレキ・ギターをフィーチャーしたジャジー・チューン(11)。ジャジーとは言ってもモロにジャズっぽいというわけではなく、シンバル・ワークやドラミング、ヴィブラフォンのプレイのセンスがジャズっぽいというだけで、他のものはフレイズ的にはそれほどジャズっぽいわけではない。しかし、“ジャズっぽさ”というものはそれだけのことでも醸し出せてしまう。結局はオルガンなんかも入ってきて、60's〜モッヅ系音楽が大好きな人にはたまらない、とてもクールな曲に仕上がっている。 |
(13)THE WILD ONE ▲tracks |
かなりハイ・テンポでゴスペル感覚濃厚なオルガン・ジャズ・チューン(13)。手数の多いドラムと、ジャカ・ジャカ掻き鳴らすエレキ・ギターやホーン・セクションの闇雲な勢いにヒート・アップすること間違いなし! |
(15)POP SPOT ▲tracks |
縦に刻むリズムと、ライド・シンバルでリードするジャジーなリズムの2種類で構成された、2分に満たないショート・チューン(15)。メロディー自体はのどかだが、ジャジーなリズムの方はちょっとだけ1stの頃のジミ・ヘンドリックス・イクスピリエンスっぽい感覚がある。 |
(16)VIVA LA TAMLA MOTOWN ▲tracks |
モータウン賛歌(?)な(16)。ハーモニカをフィーチャーしている辺りから鑑みるとスティーヴィー・ワンダー辺りを意識したフシが窺える。曲調自体はちょっとのどかな R & R 〜 R & B チューンだが、サウンドはモッヅ系の人達が喜びそうな、ガッツリとしてソリッドな感触。 |
残りの2曲(12)(14)も、同社からリリースされたオムニバス・アルバム 『 SOUNDS OF INDIA 』 に収録されており、ビッグ・ジムは“MANESHANDRA KANSARA (マネシャンドーラ・カンザーラ)”という名義で参加している。 |
(12)INDIAN
DANCE NO. 2 (14)ROMANTIC SCENE NO. 1 ▲tracks |
ラーガ曲まんまな(12)(14)。普通に本編の 『 SITAR BEAT 』 に収録されていても遜色なさそうな曲だが、若干“華”に欠けるという気もしないではない。 |
ジミー・ペイジやリッチー・ブラックモアのギターの師でもあるという、本作の主人公〜ビッグ・ジム・サリヴァン。特にジミー・ペイジとはビッグ・ジム&リトル・ジムの名で重宝がられたそうだが、まるで 『 清水の次郎長 』 の“大政と小政”のようだ(笑)。 |
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