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artist : BRIAN BENNETT
title : 『 CHANGE OF DIRECTION 』
release : 1967年
label : COLUMBIA
tracks ( cd ) : (1)SLIPPERY JIM DE GRIZE (2)CANVAS (3)WHISPER NOT (4)MEMPHIS (5)TRICYCLE (6)SUNSHINE SUPERMAN (7)OH BROADWAY (8)SUNNY AFTERNOON (9)LITTLE OLD LADY (10)98.6 (11)CON ALMA (12)CHANGE OF DIRECTION
tracks ( analog ) : 未確認
members : BRIAN BENNETT,drums ; ALAN HAWKSHAW,piano,organ ; BIG JIM SULLIVAN,guitar,sitar ; JOHN ROSTILL,bass ; ALAN SKIDMORE,flute,tenor sax ; FRED CROSMAN,french horn ; JIM BUCK,french horn(2,7,9,10,11).
producer : NORRIE PARAMOR
arranger : BRIAN BENNETT
related website : 『 Brian Bennett: Triple Ivor Novello Award-winning TV and Film composer and drummer with The Shadows 』(公式サイト)、『 the Shadows Official 』(シャドウズの公式サイト)




(1)SLIPPERY JIM DE GRIZE
(2)CANVAS  ▲
tracks
 イントロの“ブァ〜”というハーモニカが不気味な割には、その後の展開が比較的のんびりとした(1)の後、センセイショナルなイントロでスタートする(2)。芯が通っていてウネるベースと、迫力あるドラムによるちょっとアフロな感じにゾクッとくる。そしてフレーズと同じような声を出しながら荒々しく吹くフルートがまたカッコいい。その後はギター、ピアノとソロを回していく。


(3)WHISPER NOT  ▲tracks
 モダン・ジャズのサックス奏者〜ベニー・ゴルソン作 (『 BENNY GOLSON'S NEW YORK SCENE 』 他に収録) のうらぶれたジャズ・チューン(3)。オルガンが入る部分は何となく大野雄二がサウンドトラックを手掛ける刑事モノ等でも使えそうな感じなのだが、フルートとフレンチ・ホルンの入る部分は、ちょっと神秘的な感じすら漂う苔むしたような雰囲気。


(4)MEMPHIS ▲tracks
 チャック・ベリーの曲で、300曲近くあるカヴァーの中の1曲(4)。普通のギター・ソロが終わった後、テープの録音/再生の技で異常に速いギター・ソロが聴ける。


(5)TRICYCLE  ▲tracks
 “三輪車”というタイトルの(5)。タイトルに“3”が入っているのに、リズムは“7”拍子。しかし、その7拍子がミソ。いい意味でぎこちない雰囲気が出ている。フルートやシタールが入ってきて、リズムから来るイメージもプラスすると、発明されたばかりの頃の三輪自転車が、どこかヨーロッパの田舎の暗〜い森の道をぎこちなく“えっちらおっちら”と走っていくかなような感じ。ここでシタールを弾いているギタリストのビッグ・ジム・サリヴァンは、翌'68年、 『 SITAR BEAT 』 というシタールをフィーチャーしたインストゥルメンタルのソロ・アルバムを出している。彼は、ジャマイカ出身のアルト・サックス奏者〜ジョー・ハリオットのラーガ・ジャズ・レコード 『 INDO-JAZZ FUSIONS 』 に参加したがっていたそうな。よほどシタールに入れ込んでいたと見える。


(6)SUNSHINE SUPERMAN  ▲tracks
 ドノヴァンの代表曲と言っても過言ではない(6)。原曲はルーズな感じの曲だが、こちらは妙に威勢のいいアレンジ。結構奇妙なフレーズを繰り出してくるギター・ソロがちょっとした聴きモノ。


(7)OH BROADWAY  ▲tracks
 “カキカキ”としたファンキーなオルガン・ソロや、例によってフレーズと同じような声を出しながら荒々しく吹くフルート・ソロがカッコいい(7)。後半、ストレイトで幾分アップ・テンポなジャズ・ワルツのような6/8拍子に乗ってフレンチ・ホルンとフルートが半音ずつ上がっていき、緊張感が高まっていく。そこで挿入されるブライアンのドラミングもいい。クリスタルズやドリフターズのレパートリーだった曲のカヴァー。


(8)SUNNY AFTERNOON
(9)LITTLE OLD LADY  ▲tracks
 キンクスの名曲のカヴァー(原曲は 『 FACE TO FACE 』 に収録) (8)の次は、本作中にあっては異色のボサ・ノヴァ・チューン(9)。原曲は「STARDUST」や「GEORGIA ON MY MIND 【我が心のジョージア】」の作者として有名なホーギー・カーマイケル (ピアノの弾き語りをしたり、トランペットを吹いたり、また映画俳優もしたという多才な人) の作。流麗なソロを聴かせるアラン・ホークショウのピアノがいい。


(10)98.6  ▲tracks
 ソフト・ロック界隈で有名なキースが、'67年 (2月) にヒットさせた曲(10)。ポップでジャジーな仕上がりになっている。オルガン・ソロが生き生きとしていていい。


(11)CON ALMA  ▲tracks
 麗しい響きを醸すピアノとボコボコとしたパーカッションとのミスマッチ感が楽しい(11)。この曲はディジー・ガレスピーのカヴァーで、色々なアルバムで演奏されているのだが、僕が聴いたことがあるのは、ガレスピーがフランスのジャズ・コーラス・グループ〜ザ・ダブル・シックス・オヴ・パリと共演した名盤 『 DIZZY GILLESPIE & THE DOUBLE SIX OF PARIS 』 での演奏。こちらのヴァージョンは基本的にはラテン・フレイヴァー溢れる仕上がりなのだが、気持ちが曲に馴染み始めた頃、唐突にダブル・シックス・オヴ・パリのコーラスが切り込んできてドキッとさせられる。興味がある方は是非こちらもオススメ。


(12)CHANGE OF DIRECTION  ▲tracks
 最後は、アップ・テンポで軽快な、ブライアン本人作曲のタイトル曲(12)。ちょっとした薬味として、カリンバ (アフリカの“親指ピアノ”とも呼ばれる音階順に並んだ金属片を親指ではじいて音を出す) らしき楽器を使っている。


 CDでは本作と、'69年発表の 『 THE ILLUSTRATED LONDON NOISE 』 が2イン1になって出ているのでお買い得。 『 THE ILLUSTRATED 〜 』 の方も本作に負けず劣らず良い作品。


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