Gene Clark / Gene Clark (White Light) <1971> |
おすすめ度★★★★☆ |
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Dillardとのコンビを解消したGeneは、通称「Roadmaster」と呼ばれるセッションを開始。彼のソロ制作を支えるためにByrdsのオリジナルメンバーも顔を揃えるまで至ったものの、結局流産に終わる。 70年に入るとGeneはソロ活動に再び本腰を入れ出す。彼が再出発のパートナーに選んだのはL.Aの売れっ子ギタリストJesse Ed Davis。プルデュースまで担当したJesseの本作への貢献度は抜群だ。 Geneの独特の陰に満ちたヴォーカルと素朴な楽曲、これをJesseのギターワークを中心としたシンプルな演奏がサポートしていく。そのシンプル極まりない作風は70年代初期に全盛を迎えるシンガーソングライターの走りの様にも感じる。 さらにJesseの見事なギターワークによって当時の旬な音楽だったスワンプロックの香りもする本作は、Geneのキャリアの中でも頂点に位置するとまで言われる名盤である。 収録曲の方では、5が前述のRoadmasterでもByrdsバージョンで録音したものの、ここではJesseの粘っこいギターを配して再録した名曲。また8は、Jesseの関わる作品に度々登場するThe Bandの作品である。 ちなみにJesseのプロデュースした作品はこの作品を含んで3作あり、いずれも名盤として語り継がれていたらしい。個人的には本作とJim Pulteのソロが大のお気に入りだ。
〜特にお気に入りな曲達〜 オープニングのThe Virginはアルバムのトーンを決定付ける名曲だ。Geneのこぼれそうな声と寂し気なハーモニカ、Chris Ethridgeによるシンプルなベースライン、そして小技を散りばめたJesseのギター......そう、僕はこんなGeneに会いたかったのだ。 そしてGeneのハーモニカが今度は軽快に響くWhite Light。本作の通称ともなっているこのナンバーは、もちろんアルバムのハイライトのひとつ。心地良いテンポに心も躍る。 続くBecause YouはJesseとGeneの共同製作が最も良い方向に出た曲かもしれない。フォークをベースにしながらも控えめに響くスワンプティストがたまらない。Geneの名唱とも言える美声にも注目である。 そして前述のOne In A Hundredが登場する。絶妙のトーンとタイミングをもって入るJesseのギターには最高!の一言。Geneの楽曲そのものを際立たせるJesseのプロデュース&ギターには、只々脱帽です。大好きな曲。 Spanish GuitarはGeneのルーツを写すようなフォーク調のナンバー。Geneの声に絡むアコギの響きがたまらない好テイクだ。 またWhere My Love Lies Asleepも素晴らしきフォークロックナンバー。ここでは地味ながら存在感を示すChris Ethridgeのベースが全体を引き締めている。 そしてThe BandのTears Of Rage。ココでもやはりJesseの奏でるギターの音色が楽曲をリードしている。Geneにはこういう楽曲が似合うのである。 ラストの1975は、どこか初期のWingsを思わすサウンドで迫る。フォークロック調に展開するシンプルな進行の中で、一際浮き上がって聴こえるJesseのギターとGeneの美しき共演に最後まで耳が離れません。
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1 . The Virgin
何と言っても楽曲の良さと |
(1999.12.23 再更新)
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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
Jesse Ed Davis / Jesse Ed Davis !
L.Aで活躍した渋腕ギタリストの初のソロ作
Jim Pulte / Out The Window
Jesseがプロデュースした隠れた名盤
The Band / Music From Big Pink
The Bandが発表した1stアルバム
Paul McCartney & Wings / Red
Rose Speedway
Paulだってスワンピー!