Jesse Ed Davis / Jesse Ed Davis ! <1970> |
おすすめ度 ★★★★ |
||
Taj Mahalがバンドを解散させた事により、自らの道を歩き始めたJesseの1stソロアルバム。 実は本作の製作を大いに進め、レコード会社との仲介役までこなしたのがEric Claptonであったことは有名な話。そんな訳でレコーディングはロンドンのオリンピックスタジオで行われている。 参加ミュージシャンではEric Claptonの全面参加はもちろん、Leon Russell、Chuck Blackwell、Bruce Rowland等、英米を股に掛けての渋腕達が集結。エンジニアにはGlyn Jones、ミックスにDelaney Bramlettを迎えている。 Jesse自身の音楽性がそうであるように、彼ら参加ミュージシャンも終始ダウントゥアースな世界に浸りながらもファンキーに展開するプレイ振りがとても好印象だ。 収録曲の方はほとんど彼のオリジナルで、ソングライターとしての才能も示す一方、後にJesseのプロデュースでアルバムを発表することとなるRoger Tillisonの6を取り上げている。 全体の単調なヴォーカルは本職がギタリストであるという事で勘弁して頂いて、彼の中で鳴り響き続けていたであろう世界にズップリと浸かれる好盤だ。 本作発表後もJesseは、頻繁にセッション活動をこなしながらも翌71年には2ndアルバムを発表する事となる。
〜特にお気に入りな曲達〜 アルバムは全体の味わいをいきなり突きつけるかのようにReno Street Incidentで、ドロっと幕を開ける。 重心の低いファンキーなリズム隊に乗って展開されるJesseのギタープレイが早くも堪能できるナンバーだ。後ろで転がり続けるピアノも最高にCoolだ。(Leonでしょうか?)途中、ブレイクしてもマイペースに展開するヴォーカルも良い感じ。 続くTulsa Countyは、Jesseらしいパンチの無いヴォーカルがハマりまくるファンキーRock'n Rollだ。何だか腰抜けっぽいリズムも前曲と重なって浮きまくる。最高。 ちなみに僕自身は全く気付かなかったけど、実はこれってByrdsがEasy Riderで取り上げていたナンバーと同じ曲でした。 Washita Love Childはアルバム中唯一Claptonのギターが全面に出るナンバー。George HarrisonのAll Things Must Pass辺りの彼のプレイを思わすキレのあるカッティングからソロに流れ込む展開はため息モノです。カッチョ良いです、やはり。 Every Night Is Saturday Nightは、軽めのRock'n Rollをディキシーランドジャズ風のアレンジで迫るユニークなナンバー。やる気のないヴォーカルも憎めない。ココらのパロディっぽい肌触りはちょっとUK的です。 トラッド的なメロディで始まるYou Belladonna Youは、女声コーラスも加わってスワンプ的な世界に展開する。 随所で聴かれるギターがキラめくような輝きを放っており、後半のジャム部分でのピアノとの絡みを含めてそのプレイは本作中のハイライトのひとつだ。 Golden Sun Goddessは、トロピカルな味わいも見え隠れするポップなナンバー。兄貴分のTajにも通じるセンスが好印象だ。 Van MorrisonのカヴァーとなるCrazy Loveは、本作中最もJesseの声が味わい深く響くナンバーだ。 エフェクトをかけたギターサウンドを中心とした素朴なアレンジが見事のひとことで、ココにもちょっとインチキ臭いUKっぽさが匂うところがまたお気に入り。 StonesのKeithあたりが73年以降にカヴァーしたらこんな風になるかな?っと勝手に想像したくなりますねぇ。
|
1 . Reno Street Incident
ロック裏街道の案内人 |
(2000.7.9 更新)
順路はこちら
Jim Plute / Out The Wind へ!
〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
Eric Clapton / Eric Clapton
本作へ参加したClaptonが同年に発表したソロ作
Taj Mahal / The Natch'l Blues
Jesseも参加していたTajの2nd
Leon Russell / Leon Russell
こちらもロンドン録音で行われたLeonの1st
Van Morrison / Moondance
Crazy Loveのオリジナルが収録のVanの名盤。
Delaney & Bonnie / Home
スタックスで吹き込まれた彼らの1st
Byrds / Ballad Of Easy Rider
Tulsa Countyの素晴らしいバージョンを含むByrdsの名盤