Leon Russell / Leon Russell <1970> |
おすすめ度★★★★☆ |
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L.Aでセッションミュージシャンとしてその頭角を現し、後に花開く広い人脈を作っていたLeonはテキサス出身のギタリストMarc Bennoと共にデュオアルバムを発表するも失敗に終わる。しかしその人脈は、着々と彼の成功へと導いて行く。 やがてDelany & Bonnie And Friendsの実質的リーダーとして活躍していた彼が、グループの活動を通じて知り合ったUKアーティストと共にロンドンで吹き込んだソロ1stアルバムが本作である。 当時、最も旬な音と認識され始めたスワンプロック界のボスであるLeonとのセッションは、UKアーティストにとっても非常に貴重な体験だったかも知れない。 ココに集まったアーティストはEric Clapton、George Harrison、 Ringo Starr、Charlie Watts、 Bill Wyman、Steve Winwood等々、超豪華な一流ミュージシャンばかりだった。 ここでは、1曲1曲の詳しいクレジットが掲載されてないため、残念ながら誰がどこにいるのか確認は不可能だがClaptonのギターくらいなら認識可能である。 全体に漂うスワンピーなサウンドは当時のLeonの勢いを感じる事ができ、形に捕らわれないセッション的音作りもUKアーティストに新たな布石を残したはずである。 この頃の彼らはものすごい勢いで作品やツアーを連発しているので、前後関係がイマイチはっきりしないが、多分、この後にLeonはJoe Cockerをフロントに従えたJoe Cocker & Englishmanを結成。(D&B&Friendsを根こそぎ奪う大技!) さらにShelterレーベルを設立して、自身の作品を始めJ.J.CaleやブルースマンのFreddie Kingの作品等を世に送り出している。
〜特にお気に入りな曲達〜 アルバムは美しい名曲A Song For Youで幕を明ける。サウンド的にはアルバム中明らかに異色であるが、静かにスタートする感じが結構好きです。大体僕はアルバムに一貫したサウンドを求めるクチなのですが、まぁ曲自体が良いってことでしょう。 そしてLeonの唸りとスライドギター(by George?)と共にDixie Lullabyが聞こえてきた瞬間から、ロンドンにおける「大スワンプ大会」開幕である! 全体に流れるピアノとスライドギターの響きが素晴らしく、場違いなハーモニカも不思議な魅力で楽曲に馴染んでいる。 いかにもセッションと言った手探りなイントロが魅力の I Put A Spell On Youは最高!何度か失敗した後にClaptonのギターの音が入る瞬間は本当に何度聴いても鳥肌モンだ。何でもないイントロの指鳴らし程度であるが、音色がカッコ良いのだ。 全く、この頃のClaptonのカッコ良さはど〜しよ〜も無い。人を駄目にしそうなカッコ良さ!車では聴けません。Claptonに心奪われるので危いんですよね。 続くShoot Out On The Planationも最高のグルーヴ。Ringoと思われる硬くて重たいリズムに乗っての、ピアノとスライドのコンビネーションにここでもノックアウト。 ブルースっぽい生ギターで始まるHummingbirdも好きな曲。イントロのブルースっぽい所から下手するとCarpenters辺りに通じるポップな曲調がすんなりハマッてる不思議な曲。やっぱりピアノがLeonを強く感じさせる。 そしてMad DogsではJoe Cockerも歌ったDelta Lady。アルバム中最もヒット性のある曲だ。印象的なギターは、Georgeかな?Claptonか?ってとこ。結局、二人とも弾いてる気がする。(ホントか?) とにかく顔に似合わず爽やかに駆け抜けるポップなアレンジが好印象だ。 この曲もClaptonのギターに尽きますねぇって感じのPrince Of Peace。イントロから彼らしいフレーズを連発し、終始Blind Faithあたりの肌触りを感じることができます。 そしてGive Peace A Chanceを演奏。John Lennonのメッセージはアメリカにも浸透してたみたいですね。ここではゴスペルっぽい魅力で楽しめます。途中で出てくるのはDelaney Bramrettの唸り。 Pisces Apple Ladyは独特のリズムを持ったRockナンバー。数あるドラマーの中でも、当時この手のリズムを刻ませれば右に出るもののいなかったRingoのドラムが炸裂している。 間違いなく彼も本作に貢献した一人だろう。過小評価は禁物である。 そしてRoll Away The StoneはLeonの独壇場と言った乗りが最高のナンバー。彼の持つポップなセンスと、とても男臭い泥臭い南部Rock魂の華麗なる合体といったところか。 George&Claptonのギターも最高に鳴いており、アルバムの最後を飾るに相応しいスワンプパーティーだ。
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1 . A Song For You 〜Bonus Tracks〜
ちょっとお髭が恐いLeon |
(2000.1.15 再更新)
〜関連アーティストの簡単な紹介〜
Freddie King
テキサス出身のFreddie Kingは、Claptonが最も影響を受けた
同世代のブルースマンの一人だ。今だにレパートリーにしているI'm
Tore Downや
Have You Ever Loved A Woman等はFreddieの作品だ。
70年代に入るとLeonが設立したShelterレーベルに移籍し、
スワンプミュージシャンをバックにスワンピーなブルースを歌うFreddieは
まさに黒くて濃いClaptonと言っても過言ではない。
76年に惜しまれながら他界しているが、その年にはテキサスでClaptonとライヴで共演している。
Claptonファンの方は是非聴いて頂きたい。マジ、カッチョ良いっスよ。
順路はこちら
Joe Cocker / With A Little Help From My Friends へ
〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
Marc Benno / Marc
Benno
Rita Coolidgeのツアーバンドとしても活躍したギタリスト
Eric Clapton / Eric Clapton
Leonを始め、D&Bのツアーメンバーがそのまま参加
The Rolling Stones / Let It Bleed
Leonが参加したStonesのアルバム。
Gerge Harrison / The Concert For Bangla
Desh
GeorgeのソロにもLeonは度々登場!
The Beatles / The Beatles
Ringoのカッチョ良いドラムはココから!