Eric Clapton / Eric Clapton <1970>

おすすめ度★★★★★


自身の夢Blind FaithがUSツアー中に空中分解に終わってしまったClaptonは、その足でLAのDelaney Bramlettの自宅に押しよりソロアルバムの構想に入る。

そしてレコーディングスタジオをロンドンに移して完成された本作品は、Delaney & Bonnieそのものの様なサウンドになり、当時のファンをまたまた驚かせる結果となる。

それもそのはずでプロデューサーにはDelaney Bramlettを起用し、バックは彼らのFriendsの面々が固めているのである。

さらに当時は「全く自信が無かった」というClaptonのヴォーカルを手ほどきし、自信を与えたのはDelaney Bramlettだという。そんな事も手伝ってか、当時のClaptonのヴォーカルスタイルはDelaney Bramlettにそっくりである。

Claptonのギターの攻撃性はBlind Faithから劣化の一途を辿っているが、ココではそれが消化に向かっているのが聴き取れる。

力ずくでグイグイ引っ張るギターもカッチョエエけど、ココらのクールな攻撃性というのも格別な味わい。彼のギターサウンドは明らかに成熟に向かっている。

収録曲の方は、ClaptonのオリジナルからLeon、Delaneyとの共作、さらに4におけるJ.J.Caleのカヴァーと言ったところだ。

4は当時、自身のShelterレーベルでデビューアルバムを飾ったJ.J.Caleの作品をLeon Russellが紹介したと思われる。渋い選曲だ。

この後もClaptonはJ.J.Caleの作品を頻繁に取り上げている。78年発表のヒット曲Cocaineも彼の作品である。

またどこで参加してるのかは定かでないが、CS&NのStephen Stillsも参加。このお礼にClaptonも彼の1stに参加してカッチョ良いソロを決めて帰って来ている。

 

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

Bad Boy
はEricとDelaneyの共作で、Claptonの若々しいヴォーカルが微笑ましい。特にSlunkyがインストなだけに、ここでのClaptonのヴォーカルに一層勢いを感じてしまう。ワウワウを駆使して終始鳴り響くClaptonのギターも渋い。

前述のAfter Midnightは、オリジナルに比べてかなりアップテンポなR&Rアレンジに注目である。Leon Russellのピアノや掛け合い風の女声コーラスも決まっててカッチョ良い。

オリジナルの呟くようなアレンジも好きだけど、こっちもまた良し。また、88年発表のCross Roadにはこの曲のDelaney Bramlettミックスが収録されている。ホーン隊を随所に取り入れたこちらのバージョンもまたカッチョ良いんですよ、これが。

Easy Nowはメチャメチャ好きな曲。Claptonのアコギカッティングと、George Harrisonタイプのメロディがどこまでも美しいナンバーだ。ちなみに今回のリマスターで、一番その音の違いを感じたのはこの曲でした。

Blues PowerはLeonとEricの共作R&Rナンバー。何だかClaptonと言えばブルースといったイメージが定着しちゃってますが、結構R&RやPopが好きな彼がココにもいます。

イントロからいきなりのブレイク!Claptonのヴォーカル!そしてギターソロ!!うー、鳥肌モンです。後のLiveでも定番となった彼のソロに注目です。

Bottle Of Red Wineは曲不足の中で適当に仕上げたナンバーらしいが、どうしてどうしてなかなかカッチョ良いナンバーだ。

ClaptonとDelaneyのユニゾンヴォーカル、Claptonによる間奏のギタープレイ、リズム隊のグルーヴ、どれを取っても最高じゃん。横で唸ってるDelaneyの声に自然と顔が緩む。おっと、Whitlockの声も聴こえますね。

続くLovin' You Lovin' MeはDelaneyとLeonがBlind Faithのために用意していた曲と言われている。メロディアスで良い曲だ。そー言えばSteve Winwoodが歌いそうなメロディーだな...と思ってしまう。

ラストのLet It Rainは間違いなくアルバム中最高のナンバー。Badgeを思わすポップなギターサウンドにはまたまたGeorge Harrisonの影響が伺える。

また、後に長年のパートナーとなるCarl Radleのファンキーなベース、そしてClapton自身のギターもアルバム中最高の出来だ。名曲。

 

 

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1 . Slunky
2 . Bad Boy
3 . Lonesome And A Long 
   Way From Home
4 . After Midnight
5 . Easy Now
6 . Blues Power
7 . Bottle Of Red Wine
8 . Lovin' You Lovin' Me
9 . I've Told You For  
    The Last Time
10 . Don't Know Why
11 . Let It Rain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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D&Bに参加した頃のEric
そんなあなたもカッチョ良い...

 

 

(2000.1.15 再更新)

 

 

 

 

 

〜関連アーティストの簡単な紹介〜
J.J.Cale

Leon Russellが設立したShelterレーベルよりデビューした個性派ギタリスト、シンガーソングライター。
その独特のヴォーカルスタイルとルーツにどっぷりと浸かったサウンドで人気を博した。

Claptonもお気に入りのご様子で後にもCocaine、I'll Make Love To You Anytime等をカバーしている。
特に後者はオリジナルを聴いた事が無くても「そのまんまだな...」と思える程の
J.J.Caleチックなアレンジとなっている。

僕自身もかなり気に入って数枚を所有しているが、全〜部に渡って全く変わらない彼の
サウンドに驚いてしまった。中でもお気に入りは1stとReally。ReallyではDon Nix作の
パンクチックなGoing Downも見事に彼色に染めている。

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順路その1 : Claptonおっかけコース
Derek & The Dominos へ!

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順路その2 : Swanpどっぷりコース
Leon Russell へ!

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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

Blind Faith / Blind Faith
Claptonの夢、スーパーグループBlind Faithの唯一のアルバム!

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Stephen Stills / Stephen Stills
Go Back Homeという曲でClaptonのギターが炸裂!

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