Taj Mahal / The Natch'l Blues <1968>

おすすめ度★★★★


Rolling StonesのR&R Circusにも出演した黒人ブルースリバイバリストTaj Mahalが発表した2edアルバム。バックメンバーはR&R Circus出演時そのままに、Jesse Ed Davis(g)Gary Gilmore(b)Chuck Blackwell(dr)で、さらにAl Kooperがピアノで参加している。

Jesse Ed Davisのギターがギンギンのブルースロックアルバムだった1stも文句無しにカッチョ良いけど、アコースティックな味わいが光るアーシーな本作は最高の出来。R&R Circusへの出演依頼もうなずける名盤だ。

本作の魅力は何と言っても後のL.Aでセッションギタリストとして大活躍するJesseの若々しいプレイだろう。

4における独特のエフェクトを用いたバッキング、59における粘っこいソロは必修モノで、さらには2における何でも無いバッキングにまで耳が離れない。

またTajのヴォーカルもバックの演奏と呼応して粘っこく響き、特に後にBlues Brothersにもカヴァーされた6は最高の味わい。全体を通してクールでアーシーに突き進むナイスなブルースアルバムだ。

またドラムのChuck Blackwellは、後にLeon Russellが設立したShelter Recordにも多く関わったL.Aの凄腕ミュージシャン。彼の演奏にも注目である。

68年か....何かどのアルバムもカッチョ良かった気がするぞ....

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(って、長くなったらどうしよう ^^;)

オープニングのGood Morning Miss Brownはアルバム全体のトーンを決定付けるかの様なアーシーなブルースナンバー。シンプルな演奏をバックに響く、乾いたドブロギターとピアノのコンビネーションに、もう全面降伏状態。渋すぎ。

続くCorrinaは後々までTajのレパートリーに加えられた代表曲。前曲から続く渋々度には、この時点でノックアウト。究極にシンプルなJesseのバッキングが何故か味わい深い。

一転して跳ねるようなリズムで攻める I Ain't Gonna Let Nobody Steal My Jellyrollがまた最高。シャッフルビートにも動じずにマイペースに響くドブロがココでも光る。ここらの一貫性に惚れるアルバムでもありますな。

Done Changed My Way Of Livingでは何と言ってもJesseの粘っこいソロでキマリ!である。バッキングからソロまで、シンプルの極みの様な演奏なんですけどねぇ...聴くものを虜にするマジックがかかってますよ、絶対。

こちらはTajの方が粘っこいヴォーカルを聴かせるShe Caught The Katy And Left Me A Mule To Rideも聴き所の一つ。後にBlues Brothersがカヴァーして有名な曲だが、実はTajがオリジナルとは全然知らなかった。

カヴァーバージョンが大好きだったためか、オリジナルも一発でお気に入り。JakeのヴォーカルもTajを意識したモノだったんですねぇ。

You Don't Miss Your Waterはピアノを中心としたシンプルな演奏をバックにTajがソウルフルに歌い上げるナンバー。クレジットが William Bell となっているから、多分ソウルナンバーのカヴァーだろう。味わい深いトラック。

そしてラストはR&R Ciurcusでも演奏されたA Lot Of Loveだ。前曲から一転した派手なノリがまたイイ。ここでは途中でブレイクが入った後に、サシで勝負するJesseのギターソロが何と言っても魅力!そしてそこからリズム隊がなだれ込んでくる瞬間は!!...鳥肌モンですね。


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1 . Good Morning   
                Miss Brown
2 . Corrina
3 . I Ain't Gonna Let          
         Nobody Steal  My Jellyroll
4 . Going Up To The          
     Country, Paint My
           Mailbox Blue
5 . Done Changed My   
                Way Of Living
6 . She Caught The Katy
And Left Me A
             Mule To Ride
7 . The Cuckoo
8 . You Don't Miss       
                Your Water
9 . A Lot Of Love

 

 

 

Taj2.gif (8692 バイト)

この人も国内での
評価はイマイチなんだな..

(2002.2.16 再監修)

 

 

 

 

 

〜関連アルバムの簡単な紹介〜
Taj Mahal / Taj Mahal

Tajが本作と同年に発表していた1stアルバム。
Jesseのギンギンギターを堪能したいなら、こちらをオススメです。

全体に貫く彼のギターは「爽快ぃ!」としか言い様が無いですね。
ちなみにリズムギターにはRy Cooderが参加。
Ry Cooderを通したStonesとの共通性なんか考えると面白い。

また、無名時代のDuane Allmanが病気で床に寝ていた間、ずっと聴いていた
アルバムとしても有名で、彼にスライドを弾かせるきっかけとなったらしい。

もちろんAllman Brothersの名演で知られるStatesboro Bluesは
このアルバムのテイクを元にしたものだろう。

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順路はこちら
Jesse Ed Davis / Jesse Ed Davis

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〜関連アーティスト / アルバムへのリンク〜

The Rolling Stones / R&R Circus
Tajも参加したStones製作のTVスペシャル

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