Dillard & Clark /
The Fantastic Expedition Of Dillard & Clark   <1968>

おすすめ度★★★★


Byrdsのサイケ路線に嫌気がさしたのか?Geneはサードアルバムの制作開始を待たずにByrdsを脱退する。その後、Leon Russellのプロデュースでソロアルバムを制作するが、直ぐにまたByrdsに呼び戻される。

しかし、それもわずか3週間で脱退。遂に元Dillardsのバンジョー奏者Doug Dillardとモダンブルーグラスバンドを結成する。

本作がその1stという事になる。前編に漂うブルーグラスフィーリングが素晴らしく、Gene自身もByrds時代以上にその内省的ヴォーカルの魅力を発揮している。

ByrdsSweetheart Of The Rodioと共にカントリーロックの古典的名作にあげられる。

テクニックにはかなりの評判があったというDoug Dillardのバンジョーが随所で効いているが、それでもどこかフォークやロックといったニュアンスが香るのはやはりGeneによるモノだろうか?構成はブルーグラスでもやはりRock的ニュアンスは強い。

また、実に9曲中6曲にクレジットされているBernie LeadonはもちろんEaglesのオリジナルメンバー。特にここでは、Eaglesの1stでも収録されているBernieとGeneの共作曲4が収められているのに注目である。

ちょうどこの時期にByrdsに加入するGram ParsonsがR&BやSoulを下敷きにカントリーを追求していたのに対して、Geneはあくまで真っ正面からカントリーを捕らえようとしていた所が興味深い。

同じByrdsの出身者で同じくカントリーロックを開拓した二人の音楽は、その方向性こそ同じであっても根底に流れるスピリッツは違ったニュアンスで感じる事ができるのである。

 

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

オープニングのOut On The Sideは、Geneの魅力がいきなり発揮されたフォークロック調のナンバーだ。イントロに一瞬だけ入るのキーボードの余韻に浸りながらも、静かに始まるGeneのヴォーカルに聴き惚れる。

そしてShe Darked The SunではDillardのバンジョーと共にブルーグラスな香りが運ばれてくる。サビなんかのコーラスで感じられる控えめなRockスピリッツも好印象だ。

Geneのハープも冴えるDon't Come Rollin'はブルーグラスフォークといった感じ。Geneのルーツも見え隠れする好トラックだ。

注目のTrain Leaves Here This Morningは前述したようにEaglesの1stにB.Leadionによるセルフカヴァーが収められている。シンプルな演奏が彼の陰に満ちた声をいっそう引き立てる本作のハイライトナンバーだ。

With Care From Someoneは再びブルーグラス的な魅力が詰まった好トラック。DillardのバンジョーとGeneのハープが最高の絡みを聴かせる。

フォーク畑出身のGeneならではの美しいイントロが最高なSomething's Wrongまたまた名曲。Chris Hillmanが奏でるマンドリンが素晴らしい雰囲気を漂わせる。彼の真骨頂ですね。

 

 

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1 . Out On The Side
2 . She Darked The Sun
3 . Don't Come Rollin'
4 . Train Leaves Here This Morning
5 . With Care From Someone
6 . The Radio Song
7 . Git It On Brothers
8 . In The Plan
9 . Something's Wrong

 

 

 

 

 

 

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う〜ん、髭面も渋いぜぃGene!

(2000.12.23 再更新)

 

 

 

順路はこちら
Gene Clark「Gene Clark(White Light)」へ

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〜関連アーティスト・アルバムへのリンク〜

 

ISB / Safe At Home
Gram Parsonsが吹き込んだカントリーロックの草分け的作品

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FBB  / The Gilded Palace Of Sin
Gramが結成した革命的カントリーバンド。後にBernieも参加

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Leon Russell / Leon Russell
60年代後期に頭角を現したスワンプロック界のボス。

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Eagles / Eagles
Train Leaves〜 のBernieバージョンも収録したウエストコーストロックの幕開け

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