The
Flying Burrito Brothers |
おすすめ度★★★★★ |
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Gram ParsonsがChris Hillmanと共にByrdsを脱退し、いよいよ自分の思い描いていた音楽を実現するべく結成したカントリーロックバンド。名前が長いのでよくFBBとも省略されている。 「革命的」という意味ではGramのキャリア中、最高の作品だ。Rockバンドが正式メンバーにスティールギター奏者(Sneeky Pete)を参加させたのも初めての試みだった。 音楽的にはスティールギターを前面に起用したバリバリのカントリーだが、根底に流れるR&Bやホンキートンク的サウンド、陰に満ちたGramのヴォーカルと詩の世界が堪能できる。 白人カントリーの奥に潜んだR&B等のブラックミュージックとの接点を実現した事こそがこの作品の革命的な所以だろう。 現にソウルの名曲として名高い3や4といった曲をカントリーアレンジでカヴァーした作風は、後のウエストコーストサウンドの可能性を少なからず広げた事は間違いない。 このアルバムはウエストコーストミュージシャンのみならず、様々なミュージシャンに方向性と勇気を与え、勿論後のミュージシャンにも影響を与え続けている。 かのElvis Costelloもその一人で、彼のヒーローの一人がGramであるのは有名な話。81年発表の賛否両論アルバムAlmost Blueでは、8等のカヴァーも収録している。 なお、セカンドアルバムからはベーシストのChris Etheridgeが脱退。彼は再びL.Aを中心にセッションミュージシャンとしての道を選ぶ。 これによりChris Hillmanがベースに回りBernie Leadonがギタリストとして、さらにByrdsのオリジナルメンバーのMichael Clarkeがドラムで参加する事となる。 個人的にはやはり、Chris Ethridgeのベースが最高だと思うな....
〜特にお気に入りな曲達〜 アルバムはEvery Brothersを思わすアコギとコーラスワークで華麗に幕を開ける。Christine's Tuneだ。途中から入ってくる妙なエフェクトのかかったギターと、縦横無尽に鳴り響くスティールギターの響きが印象的だ。 初期FBBの名曲とも言えるのがSin Cityだ。本格的なデュオカントリースタイルで切々と歌い上げられる大都会に住む人々の心の荒虚....ここではGramとChrisの見事なツインヴォーカルに聴き惚れる。 先にも述べたカントリーとR&Bの革命的融合の成功例がDo Right Womanだ。Aretha Franklinが見事に歌い上げたソウルの名曲を華麗なカントリーアレンジで奏でた名トラック。 ノークレジットだがDavid Crosbyがコーラスで参加しているらしい。そう言われるとGramの後ろで聞えるコーラスは....いやわからん。 続くDark End Of The Streetもしかりのソウルナンバー。前曲と共に黒人ソウルアーティストに歌われた名曲。これが見事なカントリーバラードとして存在する所に本作の魅力が集約されている。Gramのヴォーカルも見事のひと言だ。 Wheelsは爽やかなハイウェイソング。全編に流れるスティールギターとホンキートンク調のピアノが心地良い。歌い出しの入り方が何ともGramらしくて好きだ。 Hot Burrito #1、Hot Burrito #2はオリジナルの連作バラードで上記の様にCostelloによるカヴァーも生まれた。(I'm Yore Toyというタイトルでしたね) ここにおける魅力は何と言ってもGramのエモーショナルなヴォーカルに尽きるだろう。この切々とした歌声は、聴く者の心を奪って離さない。Chris Etheridgeのベースプレイも地味ながらそれを盛り立てるように響く。 Do You Know How It FeelはISBからの再演となる名曲。ISB時代よりさらにエモーショナルに歌うGramの成長振りが伺えるトラックだ。まぁ、バックのメンバーもプロフェッショナルになってるしなぁ... Hippie Boyはゴスペルチックな演奏をバックに、Chris Hillmanがヒッピー少年の物語を歌い上げる。この曲を聴くといつもRolling StonesのFar Away Eyesを連想してSome Girlsが聴きたくなる。
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1 .
Christine's Tune
Gramが夢見たCosmic 今見ると恐いっス |
(1999.12.25)
〜関連アーティスト/アルバムの簡単な紹介〜
Elvis Costellp / Almost Blue
ニューウェイブのヒーローElvis Costelloが81年に発表したカントリーアルバム。
ここでのCoatelloは嬉しい事にGramへの愛情一杯にカントリーソングを歌い上げている。
Costelloファンには非常に不評のアルバムらしいですが、あまりのアルバムの多さに
どっから入ろうか迷っていた僕は、愛読書「Songs」(小尾隆さん著)の紹介を参考に
このアルバムからCostelloに入ったヒネクレ者になってしまった。
しかし、ドライヴ感溢れる演奏をバックに聴かれるCostelloの独特の泣きヴォーカルは
素晴らしく、僕の心を掴むまでにわずかな時間しか必要としなかったのである。
これで調子に乗った僕が次に購入したCostelloアルバムは、またも
ファンの間で不評らしいKing Of Americaだったのです....
だってバックのミュージシャンがすごいんだモン。
Keltnerでしょ、James Burtonでしょ...う〜ん、最高!
次は何買おうかな?皆さんのオススメを待ってます。
Aretha Franklin / I Never Loved A Man The Way I Love You
60年代後半のArethaはアトランティックに次々にアルバムを吹き込んでいたが
そのどれもが素晴らしい出来である。その中でも本作と「Lady Soul」はソウルファンのみならず
僕のようなケツの青いRockファンでも充分に堪能できる名盤だろう。
ここではGramもカヴァーした Do-Ritht Womanも収録している。他にもRespectや
タイトル曲、さらにBaby, Baby, Baby等どの曲も素晴らしい出来栄え。
エンジニアとアレンジでEric Claptonとも交流のあった大物
Tom Dowdの名前もクレジットされている。
順路その1 :
Gram Parsons コース
Gram初のソロ作品GPへ
順路その2
: FBB コース
Gramの抜けたFBBは再起をかけてアルバムを製作
〜関連アーティスト /
アルバムへのリンク〜
The Rolling Stones / Some Girls(工事中)
Hippie Boyで連想するStonesのアルバム!でも実はパンクなアルバム
Eagles / Eagles
Bernie Leadonが参加したウエストコーストの集大成的Rockバンド!