The
International Submarine Band |
おすすめ度★★★★ |
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Gram ParsonsがニューヨークよりL.Aに移って吹き込んだカントリーロックの草分け的作品。ロックバンドスタイルで本格的なカントリーアプローチを行った、初期の音源である。 録音当時67年のRock界は、サイケの後遺症を引きずりつつも新たな可能性を模索していた。Bob Dylanがウッドストックの地下室にHawksと閉じこもったり、元ByrdsのGene ClarkがDillard & Clarkを結成して本格的なカントリーアプローチを開始するなど、ロックアーティストによる水面下のルーツ回帰が行われた。 この作品ではGene Clarkが正面からカントリーと向き合ったのに対し、Gramは南部人らしくR&BやR&R、ロカビリーといった方向から柔軟にカントリーにアプローチしている要素が早くも聴かれる。 しかし何と言ってもこの作品の最大の魅力は、そのGramの若々しくエモーショナルなヴォーカルに尽きるだろう。 正直、Gramを知らない方がこの作品を聴いてファンになるかと言えばとても自信が無いところ。しかしGramファンの僕らにとって神に感謝したくなるほど貴重な音源である。 ここにおいてGramは、その後の自身のキャリアの要素をいかんなく発揮。これぞ、Gramの原点的作品である。 曲目に目を移すと、3はByrdsが2edアルバム収録したナンバーであり、聴き比べると興味深い。7は後にGramが世に送り出すEmmylou Harrisがソロでアルバムタイトル曲としてカヴァーしたモノのオリジナルだ。さらに9は後にGram自身がFBBで再演している。 ちなみに、この作品が世に出たのは68年。既にGramはISBを脱退してByrdsに加わっていた。
〜特にお気に入りな曲達〜 まずはBlue Eyesにカウンターパンチを喰らう。イントロのペダルギターからサビの三声コーラスまで、既にカントリーロックが完成している。Gramの目指す音楽がココに、高らかに宣言されている。 さらにI Must Been Somebody Else You've Knownはカヴァーであるが、これもスティールギターがどこまでも美しく、途中から絡んでくるホンキートンク調のピアノもイイ感じ。Gramのヴォーカルも魅力的に響く。 Folsom Prison Blues 〜 That's All RightはGramのもう一つの側面をよく表した選曲。この頃のアーティストと同じようにGramも当然アイドルであったElvisを初めとするロカビリースタイルの曲。後年もGramはカントリーロックスタイルでR&Rを演奏している。 Johnny Cashの代表曲でもあるI Still Miss Someoneも出色の出来。Gramの素晴らしい歌いだしに誘われて響き出すホンキートンク調のピアノから耳が離れない。 GramのオリジナルであるLuxury Linerはウッドベースとブラシの音色が印象的なロカビリー調カントリーナンバー。ラフなコーラスがRock臭を漂わせ、独特のメロディーも光る。 そしてアルバムの最後を飾るのが、FBBでも再演された名曲Do You Know How It Feels To Be Lonesome?である。この曲に関しては、寂しさを切々と語り掛けるGramのエモーショナルなヴォーカルに尽きるだろう....
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1 . Blue Eyes
既にByrdsに加入... |
(1999.12.23 再更新)
順路はこちら
Byrds「Sweetheat Of The Rodeo」へ
ちょっと先回り
Emmylou Harrisを追って先回りです
〜関連アーティスト・アルバムへのリンク〜
The Byrds / Mr. Tambourine Man
アメリカンロックの基本、Byrdsのファーストアルバム。
Dillard & Clark / The Fantastic
Expedition〜
Byrdsを脱退したGene ClarkがDoug Dillardと結成したカントリーデュオ