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FMナイトストリート 1992.8.13 伊藤銀次プロデュース特集

 
3時からお聴きの皆さんんこんばんは伊藤銀次です。今日は夏休み特集みたいな感じで、いつもとはちょっと違った内容でお届けしようと思ってますけど、この1時間は、わたくし伊藤銀次の、今までいろんなプロデュースしたり、人に曲を書いたりとか、いろんな曲がたくさんありますけど、有名なところでは例えば、佐野元春ですとか、アン・ルイスとかありますけど、全部しゃべれませんね、続きはこのあとで。

ま、アン・ルイスとか、沢田研二とか佐野元春とかあるわけですが、その辺はみんな御存知だったりするわけでしょ。例えばジュりーの「ストリッパー」だとか、アン・ルイスの「六本木心中」だとか、私のプロデュース作品、ありますけど、今日はですね、廃盤とかね(笑)、今ではもう手に入りにくくなったヤツをわりと選んでですね、たくさんあるんでもう大変だったんですけどね。ま、もっとあれも聴きたいなっていうのがあるんですが、それをお届けしたいと思います。

まずはですね、曲を提供した作品ですが、これはちょと今聴くと恥ずかしいんだなこれが。でもね、これは初期の頃の伊藤銀次の芸風がにじみ出た。まずこの最初の30分間はですね、私が他の人に書いた曲をかけたいと思います。まずはですね、長江健次君、最近でも活躍してますよね。同じポリスターレコードだったんですよ、その当時。1982〜3年の頃ですけどね。いろいろ聞いてみると、なんと彼はしぶたに高校と言って、去年かなんかの高校野球に大阪代表で、おととしかな?出ました。うちの近所なんですよ。実家の(笑)。でもずいぶん卒業年度は違うんでしょうね、俺とね。長江健次君に一曲書いております。これは結構好きだった曲ですけどね、ちょっとかわいいナンバーですけど、それをじゃあ一曲目にいってみたいと思います。伊藤銀次が作曲しております。

♪長江健次「恋のトリック・スター」

や〜、いかにもなんか、テレビに出て、エンディング決めるっていうアレンジでしたけどもね。これはアレンジも私がやっておりますけども、や〜、なんか懐かしいですね。あとでね、これ本当に僕は知らなかったんですけど、シーナ・イーストンにそっくりなメロディーがあったという、それはわかんなくて、あとで誰かに言われて、結構あるんですよね、そういうのって。メロディーってのは、あらかじめワザと似せる場合と、偶然似てしまうってのがあるんですけど、そういう曲だったのを覚えております。すごいね、この髪の毛ね。なんかいわゆるマッシュルームカットで、今は全然こういう雰囲気じゃありませんけどね。当時は、ワルオ君、フツオ君、ヨシオ君ってあってね、フツオ君でしたね。あれも売れたんだよね、細野さんのやつ、「ハイスクールララバイ」ね。あれですごくデビューして有名になりましたけどね。はい、さて続いてどんどんいきたいと思いますけど、今のなんか、非常に伊藤銀次らしいメロディーだなーと自分でも思う、もう得意のパターンですよね。自分の作品では「CONGRATULATIONS」とか、さっきの時間帯の最後にかけた「ウキウキWaching」なんかもそうですけど、いわゆるモータウンビート、これは「ダイヤモンド」(byプリンセスプリンセス)とかが出る前は、私の専門のビートでしたね。結構ポップっぽいっていうこともあって、そういう依頼が結構多いんですけど。

続いては、山下久美子をお届けしたいと思いますが、山下久美子がちょうど「総立ちの久美子」なんて言われ始めた頃、私の元に依頼が来まして、その前はなんだっけ・・「バスルームより愛を込めて」とか、わりとまあポップはポップだったんだけど、そんなにこうビートの強い感じの曲はなかったんですが、この「雨の日は家にいて」というアルバム、これはフル・プロデュースになっちゃったんですが、この中ではわりとビートルンルンして、ノっている久美子を出してくれという注文があったんですよね。そこで私はですね、いろいろまあ、モータウンだの、いろいろですね、ありとあらゆる手練手管を使いましてですね、そのキュンキュンの久美ちゃんの音を作ったわけですが、一曲、その中で、僕も、アレンジだけじゃなくて曲も書いておりますが、これが結構、この当時の久美ちゃんかなという感じがします。1981年のアルバムの中、これはまだあるのかな?あるんだ。じゃあレアじゃないね。ま、いいや、でもまあ聴いていただきたいと思います。山下久美子の歌で、伊藤銀次作曲です。

♪山下久美子「メリーよ急げ」 

はい、今聴くとなんかピンクレディーみたいに聴こえますよね。そんなことないかっ、でもこれ演奏してるのはエキゾチックスなんですよね。だからベースは吉田健、ドラムは上原裕ということで、はい、貴重な演奏でしたけどね。

私の曲依頼っていうのは、結構女の人が多かったりするんですが、まっ、山下久美ちゃんだけじゃなくて、竹内まりやさんにも書いたり。竹内まりやさんに書いた「クライング・オールナイト・ロング」という曲は結構評判のいい曲でですね、他のディレクターも好きな人が多いみたいで、原田知世さんのディレクターがあの曲のすごい大ファンで、僕に「クライング・オールナイトみたいな感じの曲をぜひ知世ちゃんに歌わせたいんで、こんな感じの曲をお願いします」と言う、非常に分かりやすい、でもなかなか難しい依頼があったんですが、それで作った曲があります。「パバーヌ」という原田知世ちゃんのアルバムに入っておりますけれども、その中に僕が書いた曲です。これ僕ねえ、結構好きなんですよ。「クライング・オールナイト・ロング」のように、知世ちゃんは英語で歌っておりますけどもね、僕はこれ日本語つけて自分で歌いたいなと何回も思ってですね、そのたびに新曲書いてて忘れてしまうんですけどね。今でも本当この曲いい曲で自分で歌いたいなと思っております。それじゃあ伊藤銀次作曲、歌は原田知世。

♪原田知世「ヘルプ・ミー・リンダ」

はい、なかなかいい曲でしょ?好きなんですよ。それで知世ちゃんもすっごい歌い方かわいいですしねー、はい、結構お気に入りの曲なんですが。

さて、続いては、結構女の人が多いって言いましたけども、もう今から10年ぐらい前、僕がソロデビューする前、松原みきさんのバックで僕がステージアレンジやバンドのメンバーとしてやっていたんですが、松原みきさんも、テレビでは言われませんけど、伊集院靜さんがステージプロデュースやってました。ね、松田聖子さんとかユーミンと同じく。その時に伊集院静さんと一緒に僕は仕事したんだよね。それでその時に、伊集院さんが竹下景子さんのアルバムをプロデュースしているって言うんで、僕にも一曲、曲を書いてくれないかということで、フランシス・レイ風の♪ダバダバダバサバダバディアサバダバダバダ♪という風なセンスの曲を書いてくれということで、書いた曲があるんですが、なんと、詩がですね、壇ふみさんです。それでわたくし伊藤銀次の、もう2度とないでしょうね、このコンビは。しかもプロデュースが、あの伊集院静さんということで、話題の1曲、聴いてみましょうかね。竹下景子さん。作曲は私でございます。

♪竹下景子「銀の雨 金の風」 

はい、意外ですよねー、どこからこういう曲が出てくるんでしょうか、私にもわかりませんが、ま、ミシェル・ルブランとか好きですから僕。そういったところを突かれちゃったんでしょうね、伊集院さんにね。結構好きな曲ですけど、今はもう手に入らないかもしれません、これは。

さてですね、続いては、僕がこの世界で「ベイビー・ブルー」で’82年にデビューする頃、もう名前を出してしまいますが、渡辺プロダクションに、木崎さんという人がいました。面白い人なんですが、その人のおかげでジュリーのプロデュースしたりとかするようになったんですが、その周辺にいた人たちはもう今みんな有名になってます。大沢誉志幸くんとかですね、ま、吉川くんのスタッフには特にいっぱいいましたけど、NOBODYもそうだね。佐野くんも言ってしまえばそうですね。それからエキゾチックスのメンバーもいましたから、吉田健なんかもその辺にいたわけですし、ま、その中に僕もいたわけですが、吉川晃司くんの仕事をしているといつも木崎さんの横にいるのが安藤秀樹くんなんですね。安藤くんはあの頃まだ出てきたばっかで、いつもノートを持ってですね、そのノートにいろんな言葉を書きためてたんですが、僕となんか普段話してても、急に「ちょっと、それ何ていうの?」とか言ってパッと手帳を出して、新しい言葉を書き留めて「えっ、ジャック・ケロワックの(路上)?」とかね、そういうのを書いていたのを今でもよく覚えていますけどね。その頃僕は吉川晃司に曲を頼まれまして、吉川君には合計3曲書いたんですが、「ラヴィアンローズ」というアルバムの中に2曲入ってます。「グッドラック・チャーム」という曲と、「サイレント・ムーンにつつまれて」という2曲があって、「グッドラック・チャーム」はわりと僕の芸風なんですが、「サイレント・ムーンにつつまれて」っていうのは、わりとデモテープは、簡単なデモテープで渡したんですよ。そうすると、上がってきた時に、安藤秀樹君の詩と、大村正郎さんのアレンジメントがっくっついた時に、僕はもう想像もしないような曲になってたんで、非常にびっくりしたというかね。ま、うれしい驚きというか、非常にいい曲になったなーって、自分でも驚いているんですが、どっちかというと、僕の芸風ではない曲なんで、それをちょっと聴いていただきたいと思いますね。

♪吉川晃司「サイレント・ムーンにつつまれて」

はい、なかなかいい曲でしょ?自分が作ったとは思えないような上がりですけどね。

さて、私の作曲集、最後になりますけども、珍しい、インストゥルメンタルという、歌がないヤツ。「サンセット・ヒルズホテル」という鈴木茂プロデュースの中に収められていますけど、これテレビのねー、番組なんかでよく使われております。「あっ!あの曲なのか!」なんてグルメ番組とかで思った人もいるかもしれません。じゃあ、聴いてください。

♪鈴木茂「ウエストビーチ・ドライブ」

はい、今日はですね、私伊藤銀次の「アナザーサイドオブ伊藤銀次」と言ってもいいでしょうかね、という感じでお届けしておりますけど、パート2のほうに入りまして、今度は私がアレンジしたものをお届けしますけども、それもですね、決してヒット作とか、そういう観点では選んでおりません。あんまり今日となっては聴けなくなっちゃったものや珍しいものを並べたり、またあんまり個人的にはかけたくないものとかですね、そういうものを交えてみました。さて、僕が最初にアレンジした、というかプロデュースしたアルバムっていうのがあるんですが、それが「花伸」という、大阪のバンドなんですね。88ロックデイと言う、大阪であった、ま、東京で言う、ヤマハなんかでやっているEAST WESTと同じようなもんですね。大阪のロックの登竜門。そこで選ばれたバンドなんですが、「花伸」というのは、店の名前みたいですよね。これは、花岡伸二っていう人がリーダーなんだよね。J・ガイルズみたいなもんだ。花岡伸二ってのは、実は、憂歌団のベーシスト、花岡くんの弟なんですね。その彼が作ったバンドなんですが、そう、サウンドは非常に、大阪のバンドってブルースベーシックなバンドが多くてですね、R&Bっぽいのも多いんだけれども、どっちかと言うとま、モノホンっぽくて、ポップで、なんかこういう黒っぽいバンドって少なかったんですよ。このバンドは、まさに、新しいタイプのバンドだったんですよ。僕も一緒にこのアルバムを作ってですね、この次のアルバムあたりはきっと面白いシングルが、オリジナリティなのが作れるんじゃないかなと思ってたんですが、残念ながらこれは売れませんでした。1978年のアルバムですけどね。僕にとってはもう一生忘れられないアルバムですね。プロデュースの難しさとかですね、特にバンド、みんなの精神状態を1つにしてですね、初めてのレコーディングで、落ち込んでるやつもいれば、そいつを励ましたりとかですね、なかなか難しいアルバムでしたけど僕にとっては忘れられないアルバムです。その花伸のアルバムの中から

♪花伸「もうだめさ」


いや面白いですねこれね、非常にソウルっぽいですね。でもこの経験がバブルガムブラザーズのプロデュースに、その後役に立つとは思いませんでしたけどね。ま、こういった形で、僕のアレンジメントってのは今までアレンジャーになかった、つまりリズム&ブルースとかですね、ロカビリーとかですね、そういったものを持ってたってことが非常に注目される原因だったんではないでしょうかね。特にジュリーの「ストリッパー」とかね、ああいうロカビリーとか、でもそういうの1つやるとね、次から「ロカビリーだと伊藤銀次だ」と言う定評ができるわけよ。本当は俺いろんなこと出来るんだけど、でもある時期は仕事行くと「今回はどんな感じかな?」と聞くと「やあ、銀次さんにはやっぱりロカビリーをやっていただきたい」と、それが一時イヤになった時期もありましたけどね。たくさんのロカビリー作品やっておりますけども、その中で結構気に入っているのを続いて聴いていただきたいと思いますけども、これは湯江健幸というね、結局俳優になってしまいましたねー。こいついいヤツなんだよ。戸川京子が好きで(笑)。戸川京子と湯江健幸を2人ゲストに招いたコンサートの時に、リハーサルのときにね、湯江くんが歌っている前の、ずーっと前のほうにね、戸川京子がリハーサル見てたんだよ。アガッてるの(笑)、歌えないの。かわいいヤツなんだよ。じゃあ、湯江健幸のミニアルバムですねこれは。「サンクス・トゥ・エディ」というアルバムの中から

♪湯江健幸「ピンナップ・ガール・ゲーム」

はい、なかなか感じ出てるでしょ?この、曲のほうもわたくし伊藤銀次ですけどね。やー、なかなかロカビリーしててこれは好きな作品ですね。

さて、続いてはですね、まあもう2度とこういう曲は作ることはないだろうという、今日は実はかけたくなかったんですが、スタッフがどうしても持って来いと言うんで、持って来ましたシングル。ビートたけしの作品ですけどね、本当はA面をかけなきゃいけないんですが、あまりにも私はかけたくないんで、B面の「裏切り者ツービート」というのがあるんですが、これが結構僕はどっちかというと好きですね。加瀬邦彦作曲で伊藤銀次編曲。ちょっとソウルっぽいですよ。

♪ツービート「裏切り者ツービート」

はい、場内盛り上がっておりますけどもね、ま、こういう感じのアレンジメントもしておったんですねー、はい。うん、なかなかでもこれステージなんかでやるとステージ映えするアレンジメントかもしれないですけどね。

さて、続いては、お馴染みアン・ルイスですけどね。アン・ルイスは僕は2枚アルバムをやりましたかね。ま、シングル・ヒット「六本木心中」とか、「ラ・セゾン」とかですね。オリコンのアン・ルイスのページをめくると、伊藤銀次の名前がいっぱいあってうれしいですね(笑)。これはですね、「ロマンティック・バイオレンス」というアルバム、ちょうど「六本木心中」の前ぐらいに出されたアルバムですけどね、その中に入っている、非常にこれ、アンちゃんから「イギリスにしてぇ〜」なんて言われて作ったアルバムで、結構それっぽいかなと思いますけど、「Get Away」を聴いてちょうだい。

♪アン・ルイス「Get Away」

はい、1984年、今から8年前の作品ですけどね、かっこええやんこれ、ねえ、なんかシックみたいですよねー。というかナイルゴージャスというか。これは最初はアンちゃんがデュラン・デュランみたいなやつやりたいっていうね、素朴な衝動から生まれた作品ですが、やー、やっぱりいい音してますねー。これ、アルド・ポッカっていう、ストレイ・キャッツとか、ニック・ロウとかやってるイタリア系のイギリス人なんですけどねー、非常にドライだけども、乾いた音でありながらなんというかこのまろやかな重いビートというかですね、それがやっぱりイギリスですねー。はい、これもなかなか僕は好きなアルバムです。今まで手がけたアルバムの中ではベスト3に入りますね。「ロマンティック・バイオレンス」なかなかすばらしい作品ですね。

さて、続いてはですね、やっぱりこのころ、こうやって聴いてくるとね、イギリスノリだったですね、私は。非常に「ストリッパー」を初めとしてイギリス的な音を作る人としてお馴染みだったんでしょうかね(笑)。そういう感じでですね、井上陽水さんからもプロデュースを頼まれまして一曲やりましたけど、これが結構ですね、歌詞を見せられた時に浮かんだ、非常に病的な雰囲気を浮かべてしまってですね、非常に不思議な、なんか、んー、そうねえ、エイドリアン・ブリューが演奏する「コーヒー・ルンバ」のような、そんなイメージがあって、展開したんですけどね。陽水さんの中では、こんなアレンジした人は僕だけだと思います。じゃあ聴いてもらいましょうかね。「ライオンとペリカン」という名作のアルバムの中に入ってます。井上陽水で、アレンジは私伊藤銀次。

♪井上陽水「ラブ・ショック・ナイト」

はい、井上陽水さんの作品の中ではこういうアレンジメントの曲は多分、これからも、これしかないと思いますね。いや、でもなんか、トーキング・ヘッズをバックに井上陽水が歌っているような病的な世界があって、僕はもうなんか聴くたんびに背筋に興奮が走るんですよ。で、ミュージシャンていうのは、白井良明、ベースはハートランドの小野田清文、ドラムは青山淳と。そしてキーボードが岡田徹という、ま、こんなすばらしいメンバーですからね、それでアレンジが伊藤銀次、浜口元也がパーカッションということでね、すごい、僕が初めて打ち込みやった作品ですねこれは。後ろのパーカッションとかもね、結構打ち込みの音がありましたけどね。

さて、レアな伊藤銀次作品集、アレンジ編・プロデュース編。最後になりますけど、これはもうないでしょう、シングルしか出てません。イギリス人、アリソンという女の子とフォニックという、、アリソン&フォニックというバンドですが、ジミー中山っていう、この人は「イギリスのバグルスの中に日本人がメンバーにいるかもしれない」という噂があったんですが、実はその人がこのジミー中山という人なんで、その人が日本に帰ってきて、アリソンという女の子を日本に連れて帰ってきて、ロンドンレコードで1枚だけ出したんですけど、それを僕がプロデュースしたんですけど、これはもう本当に、このプロデュースに関しては話せばキリがないくらいいろんな話があるんですが、まっ、それはいつかにしましょう。本当売れなかったんだよなー、これ、でもメンバーは白井良明とか、岡田くんとか、上原裕とか、いわゆる僕のイギリスノリの時のメンバーなんでね、自信あったんだけどなー、売れませんでしたね。今日はそれを最後にお届けしたいと思います。

♪アリソン&フォニック「シンフォニック」

はい、いかがでしたか、須藤薫さんのアルバム「More Than Yesterday」を最後に私はプロデュースを一切やっておりませんけどもね、こういうのを聴いているとまたやりたくなってきますけどね。いや、でも本当にそれぞれの曲を聴くたんびに、その時録ってたスタジオの風景が浮かぶというね。そのさっきの「♪モノフォニック デュオフォニック ポリフォニック♪」ってのは、最初アリソンがいっぱい曲持ってたんですが、みんなプロダクションというか、レコード会社がダメって言うんですね。「売れない」って。それでもう僕も困ってしまいましてですね、どうすればこのイギリス人で日本語の歌えない人に日本で市民権を得て売れることができるだろうって考えたのが、例のオリビア・ニュートンジョンの「フィジカル」だったんですよ。それでアリソンと話して「フィジカルみたいな曲を書いたらどうだ?」って言うと「そんなんできない」って言われて、「何でそんなことしなきゃいけない?」「でも日本人は日本語をしゃべってるわけだから英語むつかしいのは分からないよ」って言って何回もあって彼女が書いてきたのよ。「モノフォニック、ポリフォニック 銀次どうだ?」って。よくやってくれたなーと思って、これはイケるんじゃないかと思ってねー、そしてアレンジメントも結構綿密にやって、あそこが例えばCMなんかにガッと引っかかるようになれば絶対イケるんじゃないかと思ったんだけど、駄目だったんですねー。

それじゃあまた、元気でね、バイバイ!


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