小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第五章 二つ目のパズル

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第五章 〜二つ目のパズル〜
P.3 

ノアの方舟、世界が洪水に飲まれるから、選ばれた動物たちが乗せられて、それ以外は、世界は水に飲まれた。そして・・・この町だけの話でアダムとイブが乗っていたって話。そう、僕は知ってる。

「僕がアダム?本気で言ってるのか?!僕は、のざきせいたろうだ!アダムなんかじゃない!友達って友達もいないし、頭もよくない、運動も出来ないし、音楽なんか校歌くらいしか知らない、お前とは違うただの特徴の無い人間だよ!何がアダムだよ!あんなふざけた話信じてるのか?方舟にはアダムもイブも乗ってないんだ!この町だけの話だろ?本当に信じてるのか?!自分が方舟で僕がアダム?ふざけるのもいい加減にしろよ!」

僕は疲れてた、頭がついていかない。自分が感情のままに言った言葉でいつきが変わったのならそれでいい。でも、もう関わりあいたくなかった。たった半日が何日間もあるようで疲れきっていたんだ。

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