COMFORTABLE LETHARGY / V.A. | 70 | ||
side A title / artist | time | ||
(1)THE SUMMER'S ENDING / TWICE AS MUCH | 2:39 | ||
(2)STRANGER IN PARADISE / ARTHUR LYMAN | 3:02 | ||
(3)STUPID BUBBLE / LITTLE TEMPO | 4:32 | ||
(4)VIAN-DE / THE DAVE PIKE SET | 3:20 | ||
(5)CAN'T
DO A THING (TO STOP ME) / CHRIS ISAAK | 3:39 | ||
(6)HEAVEN / THE ROLLING STONES | 4:20 | ||
(7)TENDER BLUE / EVERYTHING BUT THE GIRL | 3:05 | ||
(8)A SONG FOR LADY VIOLETTA / 四人囃子 | 7:09 | ||
(9)DIDN'T
MATTER ANYWAY / HATFIELD AND THE NORTH | 3:31 | ||
total time...35:17+(頭約10秒,曲間約3.5秒,後約16秒) | |||
side B title / artist | time | ||
(1)AMARTEIFIO / ALPHONSO JOHNSON | 4:41 | ||
(2)IT'S A VERY DEEP SEA / THE STYLE COUNCIL | 5:33 | ||
(3)BLACKBIRD
ON THE WIRE / THE BEAUTIFUL SOUTH | 4:54 | ||
(4)I'M NOT IN LOVE / 10cc | 6:02 | ||
(5)SUMMER
NIGHTS / LONNIE LISTON SMITH & THE COSMIC ECHOES | 5:07 | ||
(6)からっぽの椅子 / 大貫妙子 | 5:32 | ||
(7)SUNDAE SOLUTION / TOKYO No.1 SOUL SET | 4:37 | ||
total time...35:36+(頭約7秒,曲間約2秒,後約2秒) | |||
side A |
(1)THE
SUMMER'S ENDING / TWICE AS MUCH taken from : 『 OWN UP 』 ▲title / artist |
夏の海辺を思わせるカモメのS.E.と煌びやかなハープシコードで始まる、限りなくソフトでボンヤリとした雰囲気が魅力のA(1)。ちょっとボサ・ノヴァっぽいけど、途中バート・バカラックっぽいホーンが入ったりする。彼らは、ローリング・ストーンズを仕掛けたアンドリュー・ルーグ・オールダムが手掛けたソフト・ロック・デュオ。 |
(2)STRANGER
IN PARADISE / ARTHUR LYMAN taken from : 『 PARADISE 』 ▲title / artist |
「イントロにまたもハープシコードか」と思いきや、この音はなんとピアノの音!片手でコードを押えつつ、もう片方の手ではドラムで使う(ジャズ等でよく使う)ブラシでもってピアノの弦をストロークするという裏技。しかし、そのような実験臭さは微塵も感じさせない仕上がりA(2)。テーマを奏でるヴィブラフォンの美しさに耳を奪われてしまう。そのヴィブラフォンを演奏しているのが彼なのだが、彼はマーティン・デニーと並ぶエキゾチック・ミュージックを代表するアーティスト。そのマーティン・デニーもこの曲をカヴァーしている。 この曲はロシアの作曲家〜ボロディンが作った曲で、あの明和電機も「君はエプロン僕はパンタロン」という曲(ミニ・アルバム 『 魁 』 に収録)の間奏に使っていた。しかし、そこでのタイトルは「ダッタン人の踊り」となっていた。元々は 『 PRINCE IGOR 』 というオペラ用に書かれていたものを、『 KISMET 』 というミュージカル用に脚色したものらしいが、「ダッタン人の踊り」というのはオペラの方のタイトルらしい。で、こちらは 『 KISMET 』 ヴァージョンらしい。 |
(3)STUPID BUBBLE /
LITTLE TEMPO taken from : 『 RON RIDDIM 』 ▲title / artist |
上品なピアノのアルペジオとランダムな発信音によるユッタリとしたバックに、ヴィブラフォンやスティール・パンがポロリポロリとイメージのボールを軽く放り投げてくるかのように奏でられるA(3)。彼らは、レゲエをベースにしつつスティール・パンをフィーチャーした、クールな音楽性のグループ。元フィッシュマンズのHAKASEが在籍。 |
(4)VIAN-DE /
THE DAVE PIKE SET taken from : 『 NOISY SILENCE-GENTLE NOISE 』 ▲title / artist |
この曲もヴィブラフォン繋がりのA(4)。ブルージーだけど限りなくクール。探偵モノのサウンドトラックに使っても良さそうな曲。このグループは、リーダーでヴィブラフォン奏者のデイヴ・パイクとギターのフォルカー・クリーゲルが看板の、ドイツで結成されたジャズ・クァルテット。 |
(5)CAN'T
DO A THING (TO STOP ME) / CHRIS ISAAK taken from : 『 SAN FRANCISCO DAYS 』 ▲title / artist |
リヴァーブをタップリかけてアーミングしたクリーンなエレキ・ギターが、ヒンヤリとしていながらもサイケデリックなA(5)。この曲にもヴィブラフォンが登場。ちょっとドアーズっぽくもある。“ロイ・オービソンの再来”と評されるように、ロカビリーが彼の基本的な音楽性だけど、こういった曲もやってるから侮れない。 |
(6)HEAVEN / THE
ROLLING STONES taken from : 『 TATOO YOU 【刺青の男】 』 ▲title / artist |
クリーンなエレキ・ギターと、エフェクトをかけたミック・ジャガーのファルセット・ヴォイスが印象的なA(6)。この甘美で幻想的な曲を作ったのは意外にもビル・ワイマンらしい。ここでのギターも彼。 |
(7)TENDER BLUE / EVERYTHING
BUT THE GIRL taken from : 『 EDEN 』 ▲title / artist |
正にこのカセットのタイトル通りなA(7)。ユッタリとしたジャジーな曲。これまたヒンヤリとしたクリーンなエレキ・ギター、そしてベン・ワットとトレイシー・ソーンのアンニュイなヴォーカル。これぞ、“COMFORTABLE LETHARGY〜心地いい倦怠感”。 |
(8)A SONG FOR LADY
VIOLETTA / 四人囃子 taken from : 『 GOLDEN PICNICS 』 ▲title / artist |
日本を代表するプログレッシヴ・ロック・バンドとして真っ先に名前の挙がるバンドなので、一見、涼しさとは無縁そうな彼らだけど、「こんなに心地いい曲もやっていたんだ」と驚かざるを得ないような程の名曲、A(8)。アコースティック・ギターとクリーンな音色のエレキ・ギター、そしてフルートがフィーチャーされていて、伴奏にはエレクトリック・ピアノ、ときたら涼しくないわけがない。AORやフュージョンが好きな人にも十分訴える魅力を持った曲。 |
(9)DIDN'T MATTER ANYWAY
/ HATFIELD AND THE NORTH taken from : 『 THE ROTTERS' CLUB 』 ▲title / artist |
メロトロンとエレクトリック・ピアノとフルート、そして何よりもそのヴォーカルの声が涼しいA(9)。彼らもプログレッシヴ・ロック・バンドとしてカテゴライズされているけど、この曲のみならず、この曲が収録されたアルバム全体の印象も涼しげ。 |
side B |
(1)AMARTEIFIO
/ ALPHONSO JOHNSON taken from : 『 MOONSHADOWS 』 ▲title / artist |
B面の冒頭を飾るのもカモメの声がS.E.の曲B(1)。波の音も入っている。煌びやかなピアノとアコースティック・ギター、そして柔らかいシンセサイザーとウッド・ベースが、たおやかな風の吹き抜ける浜辺を思い起こさせる。そのベースを演奏しているのがアルフォンソ・ジョンソン。 彼はあの名クロスオーヴァー・グループ〜ウェザー・リポートにいたことのあるベーシスト。よって、『 MOONSHADOWS 』 の参加メンバーはジョージ・デューク、リー・リトナー、ベニー・モウピン、ナラダ・マイケル・ウォルデン、アイルト(アイアート)・モレイラ&フローラ・プリム(プリン)夫妻等、クロスオーヴァー/フュージョン界を代表する人達が多い。で、ここでヴォーカル&コーラスを務めているのはフローラ・プリム&パトリース・ラッシェンと思われる。 |
(2)IT'S
A VERY DEEP SEA / THE STYLE COUNCIL taken from : 『 CONFESSIONS OF A POP GROUP 』 ▲title / artist |
優雅な生ピアノに導かれて始まるバラードのB(2)。「夏の日の思い出」という感じの、追憶感タップリの曲。途中、泡がブクブクするS.E.が挿入されたり、最後にはB(1)に続いてまたカモメと波の音のS.E.が入ってくる。ジャム時代から好きな人やコアなモッヅの人からはこういったサウンドは敬遠されてしまうけど、僕はかなりの名曲だと思います。因みに、サビの「ダ〜イヴィ〜ング、オー、ダ〜イヴィ〜ング」という所で、コーネリアスの「STAR FRUITS SURF RIDER」(『 FANTASMA 』 に収録)のサビが歌えてしまう。 |
(3)BLACKBIRD ON THE
WIRE / THE BEAUTIFUL SOUTH taken from : 『 BLUE IS THE COLOUR 』 ▲title / artist |
イントロの可憐なピアノでノックアウトされてしまうB(3)。リズム・ボックスのシンプルなビートに乗せた生ピアノが伴奏のメインながらも、にわかにクリーンなエレキ・ギターが現れたり、間奏ではマンドリンが「ポロロロロン」と登場、一気に切なさを増してくれる。日本人の琴線に触れまくりの曲。僕はこのE.P.を聴いて一発で気に入り、すぐにアルバムを購入したものの、アルバム自体はそれほど気に入るほどでもなく、今では殆どこの曲を聴くためにアルバムを引っ張り出してくる感じ。 |
(4)I'M NOT IN
LOVE / 10cc taken from : 『 THE ORIGINAL SOUNDTRACK 』 ▲title / artist |
「STAIRWAY TO HEAVEN 【天国への階段】」、「BOHEMIAN RHAPSODY」と共に「ブリティッシュ・ロック3大名曲」とも言われる、名曲中の名曲B(4)。B(3)とは、バス・ドラムだけのシンプルなリズム、アコースティック・ピアノという繋がり。アコースティック・ピアノは少ししか登場せず、基本的にはエレクトリック・ピアノがメイン。そういったインストゥルメンタルの心地良さもさることながら、何よりも心地いいのは、彼らの実験精神の賜物の幾重にも重ねたコーラス。細胞の中と体の外の両方から冷たいシャワーが切なく通り過ぎていくかのよう。また、歌詞のヒネクレ具合も是非堪能してもらいたい。 |
(5)SUMMER NIGHTS /
LONNIE LISTON SMITH & THE COSMIC ECHOES taken from : 『 VISIONS OF A NEW WORLD 』 ▲title / artist |
ユラユラと神秘的な雰囲気のエレクトリック・ピアノが、過ぎ行く夏の夜をイメージさせるB(5)。「タラララーーー」というスキャットとフルートのユニゾンのソフトな質感や、エレピとシンセのヒンヤリ感が、夏のベタついた感触を取り払ってくれるようだ。そして、パーカッションがユッタリとしたグルーヴを静かに促す。マイルズ・デイヴィスのグループ出身のキーボード奏者(基本的にはエレピ)のロニー・リストン・スミスがフライング・ダッチマンというレーベルに残した作品の内、この曲が収録された 『 VISIONS OF A NEW WORLD 』 を挟んだ3作品はどれも耳あたりがよく、夏に聴くには最高。 |
(6)からっぽの椅子 / 大貫妙子 taken from : 『 SUNSHOWER 』 ▲title / artist |
この曲もエレピ繋がりのB(6)。ポワーンとしたエレピと、幾分ブルージーなギター、都会的なサックス・ソロが醸し出すその雰囲気は、昭和40年代後半〜50年代前半頃の刑事ドラマ等の、物語が一段落した後に流れたらピッタリそうな、“疲労の後の幸福感”という感じ。そして、彼女の消え入りそうな歌声は、暑苦しさとは無縁の声。夏にはピッタリ。この曲が収録された 『 SUNSHOWER 』 は日本のフリー・ソウルの名盤とも言うべき作品で、坂本龍一がプロデュースしている。 |
(7)SUNDAE SOLUTION
/ TOKYO No.1 SOUL SET taken from : 『 9 9/9 』 ▲title / artist |
車が通り過ぎるS.E.、フロントのピック・アップで拾ったジャジーな音色のギター、そして渡辺俊美のファルセットによるスキャット。次第にユッタリしたグルーヴに乗せてオルガンが入り、更に、彼らのサウンドのキー・ワードとも言える“黄昏の”ホーン・セクションがループされて、まるで1本の映画を見終わったかのような余韻を残して終わるB(7)。これだけで様々な情景が脳裏に浮かんでくる。ホント彼らの作る曲は、「俺自慢」ばかりしている数多のヒップ・ホップ・グループとは違って、情景喚起力に溢れている。因みに、この曲にはビッケによるラップは入らない。 |
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