協奏曲は,古典派以降ではオーケストラと独奏楽器のために演奏されるソナタを指すが,その性格のゆえに他のソナタとは幾らかの差がある。
協奏曲は多くが3楽章から成り,ソナタと比べると第3楽章(メヌエット,スケルツォ)に相当するものが省略されている。そして,第1楽章は協奏曲ソナタ形式と呼ばれる独特のソナタ形式を採る。
協奏曲ソナタ形式では,提示部までは独奏楽器なしで演奏され,提示部が繰り返される時に独奏楽器が入る。また,再現部が終わった後に,演奏者の力量を誇示するためのカデンツと呼ばれる長い独奏楽器のみで演奏される部分が挿入される。もちろん変化形も存在し,最初から提示部で独奏楽器を演奏するものや,カデンツが再現部の前にあるもの,そしてカデンツが存在しないものもある。
1783 | ハイドン | チェロ協奏曲第2番 ニ長調 |
ベートーヴェン | ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19 | |
ベートーヴェン | ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15 | |
1800 | ベートーヴェン | ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37 |
ベートーヴェン | ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58 | |
1806 | ベートーヴェン | ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 |
ベートーヴェン | ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」 | |
1845 | メンデルスゾーン | ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 |
1845 | シューマン | ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 |
1850 | シューマン | チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 |
1858 | ブラームス | ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15 |
1874 | チャイコフスキー | ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23 |
1878 | チャイコフスキー | ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 |
1878 | ブラームス | ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77 |
1880 | チャイコフスキー | ピアノ協奏曲第2番 ト長調 Op.44 |
1881 | ブラームス | ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83 |
1895 | ドヴォルザーク | チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 |