ソナタとは元々カンタータ(声楽曲)に対する器楽曲の意味の言葉であるが,ふつうは特定の様式に従って作曲される器楽曲のことを指す。
ソナタの基本型は4つの楽章から成る。第1楽章はソナタ形式で書かれ,ふつうは全曲の中心となり,最も豊かな内容を持った楽章になる。第2楽章は,ゆったりとしたテンポの歌曲風の楽章になり,形式も3部形式や変奏曲形式など,比較的緩い形式が使用される。第3楽章はメヌエットやスケルツォなどの舞曲で書かれ,ふつうは3部形式をとる。第4楽章(フィナーレ)は,ロンド形式やソナタ形式が用いられることが多い。
もちろんこれには例外も存在する。何れかの楽章を欠いていたり,別な楽章が追加されていたり,楽章の順番が入れ替えられていたりしている。
ソナタには様々な楽器向けのものがある。ピアノソナタはピアノの独奏によるソナタであるが,それ以外のソナタ(ヴァイオリンソナタ,フルートソナタなど)は,ふつうはピアノの伴奏を伴う。例えばヴァイオリンの独奏によるソナタは,ヴァイオリン独奏ソナタと言われる。また,オーケストラのためのソナタは交響曲,オーケストラと独奏楽器のためのソナタは協奏曲と呼ばれる。