nararinnのページ > My Little Diary > nararinnによるナラ紹介 > 日本食のいいところ
日本人女性の平均寿命は全世界でナンバーワンです。
日本人男性は世界で第5位です。
長寿大国である日本の健康を支えているのが和食です。
和食には世界中から熱いまなざしが集まっています。
和食がユネスコの世界無形文化遺産にも登録され、
素晴らしい長寿食として医学的にも注目を集めているのです。
世界で熱い視線が集められる和食。
長寿と健康に良いといされる意味と理由は何なのでしょうか。
和食の良さってどういう部分にあるでしょうか?
日本食の最大の特徴は、季節感です。
米、野菜、果物、魚介には「彩り・風味・旨み・栄養価」が、
最も充実している
季節=旬
があり、その時季に食べることを重視します。
つまり、日本食は四季がある日本だからこそ成立した
「食べ頃の文化」
なのです。
日本人は約1万年前の縄文時代から、この食べ頃を守ってきました。
その季節にしか巡り合えない食材を心待ちにし、
旬の食材を喜んでいただくことで、
その食材の持つチカラを最大限に摂り込んできたのです。
伝統的な日本食とは、そうした祖先の
「知恵の集大成」
なのです。
季節の滋味を愛するからこそ、
私たちの祖先は里山の山菜やキノコなどを採り尽くしたりせず、
次世代に残すように気遣ってきました。
日本食は自然を大切にするエコロジーな食文化ともいえます。
現代では、冬でも夏の野菜や果物が手に入るため、季節感が曖昧になっています。
いつでも食べられることで、日本人が長年培ってきた
食べ頃の知恵を失わないようにしたいものです。
旬の食材の栄養価を損なわず美味しく頂くためには、
加熱や味付けを加えたりせず、
素材の持ち味だけで食べるのが最高です。
例えば旬の魚なら、
スパッと切って新鮮な生で食べるのが美味しい。
細胞が壊れると、旨味も消えてしまうからです。
先人はその事を知っていたのです。
そこから日本食に欠かせない「 刺身文化 」が生まれました。
どんなに盛大にご馳走を並べても、
刺身抜きでは主役がないことになり、
正式な日本料理とは呼びません。
ただし、
生の刺身を安全に食べるには、
料理するまな板も、盛り付ける器も、
菌が繁殖しないように常に清潔にしておく必要があります。
日本のように豊かな水でまな板や包丁を清潔に
保てる環境や気遣いがあってこそ、
日本食特有の刺身文化が育まれたといえます。
旬を集めた日本食のベースは
「 一汁三菜 」
です。
メインは「ご飯」で、一汁は汁物、
三菜は魚系の「主菜」、
魚系または野菜系の「副菜」、
野菜系または大豆系の「副々菜」
という三品のおかずです。
主菜から動物性タンパク質を摂り、汁物、副菜と副々菜から
各種ビタミン、ベータカロテン、
食物繊維、ポリフェノール、タンパク質など、
香の物でビタミンB1や乳酸菌など、
老化予防に欠かせない抗酸化物質、
つまり肌へのダメージを
軽減する栄養素を摂るわけです。
1日1回、夕食にこうした日本食を食べれば、
一日に必要な栄養をバランスよく摂取できます。
一汁三菜を配膳する際は、例えば初春なら
汁物にフキノトウを塩梅よく盛る、
あるいは桜花の季節なら
桜の花びらをお膳に添えるなど、食べる人がその膳を見ただけで
季節の気配を感じられるようなあしらいに。
日本食のおもてなしの心とは、
食べる人に喜んでもらおうという繊細で温かな心遣いなのです。
日本食の味付けで大きな働きを担っているのが、
味噌、しょう油、酢、みりん、日本酒などの発酵食品です。
高温多湿な日本の気候が、和食のベースとなる
多彩な発酵食品を生み出したのです。
発酵食品とは、
微生物の力で文字通り発酵した食品で、
消化能力や免疫力を高めたり、
血行や排泄を促進する生きた酵素を豊富に持っています。
米食民族にとって、
炭水化物の消化促進のためにも酵素は不可欠なのです。
人の体内でも、
人体に外を及ぼす物質を除去する酵素がつくられますが、
年齢と共に体内でその生成力が衰え、体内から減っていきます。
また、酵素は熱に弱いので、熱によって壊れてしまいます。
その点、日本食は加熱しない料理が多く、
生きた酵素が豊富に含まれているので、
日本食で自然と酵素を補うことができるのです。
日本には古くから
「 五色を食べる 」
という養生法がありました。
色は日本食の季節感を表現するものであり、
自然を象徴するものです。
自然の食材に色があるのは、命を守るためです。
例えば鮭の身が紅いのは、
川を上る際に過酷な運動と強力な紫外線によって生じる
体に害する物質から身を守るため、
アスタキサンチンを持つカニやエビを食べるからです。
緑黄色野菜が鮮やかな緑やオレンジ色なのも、
ビタミンやベータカロテンという
抗酸化成分の色素によるものです。
つまり、さまざまな色のパワーを持った魚や野菜を食べることで、
人はそのパワーを摂り込み、五色五様の持ち味を堪能できるのです。
おせち料理の定番「五色なます」は、
五味五色が揃った代表例です。
なますとは刺身の前身で魚介ですが、
五色なますの場合は野菜が中心。
大根(白)、にんじん(赤)、きゅうり(緑)、
しいたけ(黒)、油揚げ(黄)を、酢、しょう油、みりんという
発酵調味料で和えたシンプルな料理ですが、
栄養バランスがよく、
見た目も鮮やか。まさに和食ならではの一品です。
甘い、辛い、酸っぱい、苦いといった味に加え、
ダシ文化に裏打ちされた「旨味」との
多彩なハーモニーも日本食ならではの特長です。
フランス料理や中国料理では、
味を濃厚にするのに肉などの
動物性タンパク質や脂肪を多く用いますが、
日本食は昆布やかつお節といった
ダシのうまみを利用するので、
カロリーを抑えられ、肥満や心臓病予防にもなります。
ダシに用いる昆布にはグルタミン酸、
かつお節にはイノシン酸が含まれていますが、
グルタミン酸とイノシン酸は非常に好相性で、
これらの旨味を摂取すると心地よさを覚えるため、
ヒーリング効果も期待できます。
さらに、かつお節にはトリプトファンという
必須アミノ酸も含まれており、幸せホルモンといわれる
脳の神経伝達物質セロトニンの原料になるため、
不眠やうつ気味の人にも有効といわれています。
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