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9月3日 Perth, Scotland - Perth City Hall 特にこの公演については曲についての細部をあまりよく覚えてません、ていうか、公演中ずうーーっとモリッシーばかり見ているのですがパフォーマンスについてあんま詳細に書けなくてすみません、その時感じた気持ちは覚えていても、細部の動きなんぞは興奮してて覚えてなかったりします。あとほかの公演とごっちゃになってたり。 ともかくあちらの雰囲気だけでも伝われば幸いです。 ペイズリーは正攻法でチケットが取れなかったのであきらめて、e-bayで取ってもよかったんですが、無理はせず、わたしはエディンバラで車を借りてパースに行き、街を見たりしてました。 公演当日は午後ホテルを出て並びました。そこでM君とAさんと知り合いになり、お菓子やお酒を交換しあって何時間も待ってました。並んでるとHがわたしのところにきました。 この会場のキャパはわからないけど、3000人くらいらしい。開場し、手ぶらだったのでセキュリティチェックもほとんどなく走って最前列へ。この会場はなんだか雰囲気が良かったです。おっきいパイプオルガンがあって、MORRISSEYの電飾は置けなかったのか、なかったです。 この日のギグは、エディンバラに比べると客の激しさがまだマシで、圧迫感もほどほどで、自分的にゆっくり見ることができて、客の狂気に圧倒されることなく、かなりモリッシーと曲を堪能できました。 パフォーマンスも良かったです、"DADDY'S VOICE"では相変わらず自分の襟引っ張って連れてかれてましたし……だけど、やはり、特記すべきは、モリッシーの手に触れたこと……!! そしてその最高なシチュエーションは、「金もかかるしこれが海外遠征にいくのも最後」って思ってたわたしの気持ちを一気に玉砕してしまったのでした。 実は、ギグの内容の素晴らしさとは対照に、わたしはひたすらモリッシーを見ているのにちっとも目が合う気配がないことにやや不満を感じ(勝手もん)。贅沢、そうです、しかしモリッシー・ファンたるもの、彼とギグでなんらか接触してみたいと思って当たり前ではありませんか、そのためにみんなステージに登るんでしょう。 しかしそんなわたしの思いが報われる日がきました。アンコールの"THERE IS A LIGHT THAT NEVER GOES OUT"、モリッシーがこっちに来たので、みんな手を出していて、わたしも届かないの、わかっていたけど出していました。それ以前にも手を出してたんだけど、届くのは身長も6フィートはありそうな腕の長いお兄さんばかり、わたしのような者は物理的に届かなかったのです。 それでも手を出し続けているわたしを不憫だと思ったのか、たまたま目に付いたのかわかりませんが、ふいにモリッシーは手を伸ばしているわたしの前で立ち止まり、そっと膝を折り、わたしの目をじっと見て手を差し出しました。 「わ! モリッシーだ!!」と、初めてこんな近くで目が合ってややビビり、そしてモリッシーの手は近付けば絶対に触れる位置、だけどあと数センチが遠く、後ろから押さえつけられてるし、つま先で立ってさっきよりも手を伸ばしてはいるんだけど、だけどそれでもあと数センチ届きません。 モリッシーはすごい真面目な顔をして、そして頷いて「来い! 来い!」とマジ顔で、じーーーっとこっちを見てました。あんな真剣な顔で見られた事は生まれてこのかた、ありません、残念なことに。いや、あったかな、あっても忘れた。この時以来忘れた。 だけどまだ1センチくらい足らず、モリッシーは「もう少し、もう少し」という感じでさらに手をこちらに差し出し、さっきよりももっと身を乗り出してくれました。 や、優しいーーーーーーなんて優しいんだモリッシーーーーーーーと、わたしは「うぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!」と、左手でフェンスのバーに捕まって片腕で体全体を持ち上げました(足が地面についてたら届くのは無理でしたので……)。 そして、モリッシーの手に!! 詳しく話しますと、ただちょっとタッチしただけじゃなくて、1回タッチして、そのあとモリッシーは、わたしの手に触れたまま、やや指をまさぐり、手を繋ごうとしてくれました。 そう、「やった!!!」と思った時、わたしはこれ以上体が支えきれなかったので、手は離れてしまいました。ま、時間にするとほんの数分の出来事なんだろうけど、わたしにはやけに長く感じました。 わたしの手が届くまで跪いて手を伸ばしてくれたモリッシー、真剣な顔でわたしをじっと見てくれたモリッシー、あんな顔されちゃ、もう嫌いになんてなれないじゃないか。 その後、モリッシーはわたしから左1メートルくらい横にいる、2列目から手を出してる届くはずもない無謀なにいちゃんの所にいって、「YOU!!」と言って、そのにいちゃんが届くまで待ってました。 そのにいちゃんは他の客の頭を這い上がって、ステージ側に倒れ込む形でモリッシーにタッチできました。わたしもさっきそうしてもらったので、なんかこのお兄さんを応援したくなって他人事ながらこの兄ちゃんがモリッシーにタッチするまで興奮してしまいました。 で、後で痛てーーな、とフェンスに捕まっていた手を見ると、なんだかべろんと皮がむけてました。しかもけっこう分厚い……まわりが青く腫れてるし……いったいどう言う風にフェンスに捕まったのか覚えてないんだけど。 公演終了後、わたしは喜ばずにはいられなくて、モリッシーと目が合って、モリッシーの手に触れた事を思い出しながらホテルに走って帰りました。 途中、中華料理屋に寄ってたらふく食べて祝杯をあげ、次はステージに登ってHUGするぞーーーー!!……と考えてました。
ブラックプールに続く
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