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artist : SEEMON & MARIJKE
title : 『 SON OF AMERICA 』
release : 1972年(1971年という記述もあり)
label : A & M RECORDS
tracks ( cd ) : (1)THE SON OF AMERICA 【アメリカの息子】 (2)I SAW YOU (3)KEEP ON KEEPIN' ON (4)ROSELIE (5)VEGETABLE STEW 【野菜シチュー】 (6)THE WHITE WATCH 【白い時計】 (7)IT IS ALL THERE (8)TWINSOULS (9)ROOM 44 【44号室】 (10)SITTING ON A HILL TOP 【丘の上にすわって】 (11)EVERYBODY'S DANCING
tracks ( analog ) : 未確認
regular members : SEEMON POSTHUMA,lead vocal (3,4,7,8,10),vocals,background vocals,piano (3,7,10),bazouki,bass clarinet,bagpipe solo (6),balalaika,gourds,maracas ; MARIJKE KOGER,lead vocal (8),vocals,background vocals,piano (2,8),castanets,finger cymbals,tambourine(1,9).
guest members : GRAHAM NASH,lead vocals (7),vocals (2,11),electric guitar (7),acoustic guitar (5),marxophone (7),tambourine (5,7) ; MORREEN THORTON,vocals (1,10),background vocals (1,3,4,5,7,8) ; RITA COOLIDGE,background vocals (1,3) ; COLLEEN FORTUNE,lead vocal (5),background vocals (1,3,7,8,10) ; JONI MITCHELL,background vocals (5) ; RICHARD FORTUNE,lead guitar (1,5,9,10),electric guitar (2),acoustic guitar (2),guitar (8) ; SNEEKY PETE,slide guitar (1,7) ; JOHN BONELLO,guitar (3) ; JERONIMO VELARINO,flamenco guitar (10) ; NICK De CARO,accordion (4,8,11) ; KAZEM RAZZAZAN,oud (11),violin (8,11) ; BOOKER T. JONES,organ (9) ; CHRIS ETHRIDGE,bass,piano (5) ; JOHN BARBATA,drums,congas (5,9) ; GEORGE ST. JOHN,saxophone (1,2,3,5,8,9,10),oboe (10) ; FRANK MAYES,saxophone (3),saxophone solo (10) ; ALFONSO ROJO,mariachi trumpet (10) ; PANCHO ESCALANTES,mariachi trumpet (10) ; CHARLES COGNATA,mariachi trumpet (10) ; LARRY COX,whiskers (1) ; MANOOCHEHR SADEGHI ,santur (11) ; LOUIS SAYEGH,darbuka drums(11) ; KING CHARLES MAC NILES,steel drums (2) ; MARIO JAMES,steel drums (2) ; GEROLD LAWRENCE,steel drums (2) .
producer : GRAHAM NASH
related website : 『 Booker TJones.com 』(ブッカー・T. ジョーンズの公式サイト)




 ビートルズの衣装・アップル・ブティックの壁画などを手掛け、またアルバムも出していたオランダ出身グループ〜ザ・フールのうちの2人が、クロスビー,スティルス&ナッシュのグレアム・ナッシュのプロデュースの元に製作したのがこのアルバム。

 よって、ブリティッシュ・ロックにしたものか、ワールド・ミュージックにしたものか、はたまたアメリカン・ロックにしたものか色々と迷った挙句、様々な要素が混ざり合ったカラフルなアルバムながらも、全体に横溢するゴスペル感覚を汲んでアメリカン・ロック扱いとすることにした。何より、タイトルが 『 SON OF AMERICA 』 ということもあるので。


(1)THE SON OF AMERICA 【アメリカの息子】  ▲tracks
 ここからどこか希望に満ちた世界へと旅立っていくかのようなワクワク感がたまらない(1)。カントリー調のシャッフルに乗せてせり上がってくるコーラス隊(リタ・クーリッジも参加)とギターに続いて、シーモンの語り、手拍子、そしてサビでは再びコーラス隊が登場、分厚く心強い群唱で大いに盛り上げてくれる。2度目のサビからはバリッとしたホーンも入ってもう最高潮。楽曲としては全然凝ったことはしていないのに、ホントに感動的な曲。その嬉しさに背中がブルブルっときて、目頭が熱くなる。「生きてて良かった!」と思わざるを得ないような曲。そんな“人間讃歌”という感じのこの曲は、ハリウッド映画のジャック・タウリーというスタントマンについて歌った曲。ジャケット内側には、グラスファイバー製の彼の彫像がハリウッドの丘に立っている。


(2)I SAW YOU  ▲tracks
 マーレイケが弾くピアノに合わせてジェフ&マリア・マルダーの「BRAZIL」( 『 POTTERY PIE 』 に収録)のようなメロディーで歌いだす、2ビートの(2)。部分的にではあるが、コーラスのうちの誰かがふざけながら歌っているふしも見られるほど、リラックスした雰囲気の曲。シーモンが吹くトボケたバス・クラリネット・ソロの後ろでは、南国を意識したがゆえのスティール・ドラムと、ビックリ日本新記録のテーマのようなホーン・セクションが鳴っている。


(3)KEEP ON KEEPIN' ON  ▲tracks
 トレモロ奏法のギター(違う弦楽器に聴こえるのではあるが)とピアノ(シーモンが弾いている)が悲しげに鳴る中、シーモンが中近東風なメロディーを表情豊かに歌いだす(3)。サビではシャッフルになり、再びリタ・クーリッジも参加した分厚いコーラス隊が登場、踏みしめるようなビートに乗せて、手拍子と共に熱唱する。


(4)ROSELIE  ▲tracks
 何となく 『 世界ウルルン滞在記 』 で訪ねた村で出くわしそうな、和やかで暖かい雰囲気の(4)。勝手なイメージだけど、南ヨーロッパの赤屋根の連なりを眺められる丘にある家で、老夫婦数組がゆったりとダンスに興じているような感じがする曲。ヴォーカルのシーモンが奏でるバラライカ(ロシアで使われている三角胴の弦楽器)と、A & M 繋がりで参加しているらしいニック・デカロのアコーディオンが紡ぐたおやかな雰囲気の中、間奏では手拍子も入って優雅なダンス・パーティーといった趣きになる。


(5)VEGETABLE STEW 【野菜シチュー】  ▲tracks
 「野菜シチューを作りましょ」というお料理ソングの(5)。2ビートに乗せて、皆で朗らかに歌う中、やたらメケメケしたギター・ソロがちょっと浮いている。バック・ヴォーカルの人達も曲作りに参加しているところを見ると、レコーディング・セッション中に生まれた曲なのかもしれない。リード・ヴォーカルはシーモンでもマーレイケでもなく、バック・ヴォーカルの一人のコリーン・フォーチュンが取っている。そのバック・ヴォーカルにはジョニ・ミッチェルが参加しているが、あくまでバック・ヴォーカルの一員として溶け込んでいる。


(6)THE WHITE WATCH 【白い時計】
(7)IT IS ALL THERE   ▲
tracks
 1分にも満たないシーモンのバグ・パイプ・ソロの(6)に続いて、シーモンとグレアム・ナッシュがツイン・リード・ヴォーカルでハモる、カントリー・タッチの(7)。シーモンのピアノをバックに、スニーキー・ピートのスティール・ギターとグレアム・ナッシュが弾くマーキソフォン(小さなハープの一種で、なんとトレモロ奏法のボタンまで付いている!)が、遥か遠くにある故郷を懐かしむかのような郷愁を醸し出している。


(8)TWINSOULS  ▲tracks
 前曲からは雰囲気をガラリと変えて、タンゴ調で迫る(8)。カゼム・ラザザン(と読むのだろうか)のヴァイオリンとニック・デカロのアコーディオン(結構様になっている)が悲壮な響きを奏でるのに対し、シーモンとマーレイケのヴォーカルがちょっと情けなくて面白い。しかし、意外にも悲しげなピアノを弾くのはマーレイケ。因みに、ジャケット内にあるクレジットには若干の誤りがあり、正しいものは当時のジャケットに印刷された写真(ジャケット外)に記載されている。


(9)ROOM 44 【44号室】  ▲tracks
 ブッカー・T. ジョーンズがオルガンで参加した、8ビートでブラックなソウル系のインストゥルメンタル(9)。他の曲はどれもがどこかノスタルジックなのに、この曲のみとてもコンテンポラリー感が強い。本作よりむしろMGsでやったほうがシックリくると思うけど、悪い曲ではないので、これもO.K.。そういえばゾンビーズの曲に「独房44」( 『 ODESSEY AND ORACLE 』 に収録 )というのがあったけど、この曲のタイトル「44号室」と何か関係があるのだろうか?。


(10)SITTING ON A HILL TOP 【丘の上にすわって】  ▲tracks
 2部構成の(10)。とは言ってもそれほど長い曲ではないのだが。まずパート I では、オーボエとピアノでのどかにスタートするかと思いきや、段々とコードがフラメンコじみてきて、遂にはマリアッチ・トランペットやフラメンコ・ギターが登場、“いざ闘牛士の登場”というムードになる。この感じが好きな人ならキャレキシコをオススメ。パート II では一転、シャッフル・ビートで皆が楽しく歌い、サックスが踊る陽気な曲になる。


(11)EVERYBODY'S DANCING  ▲tracks
 アラブ系の楽器をフィーチャーして、とてもエキゾチックな(11)。比較的アップ・テンポでリズミカルな演奏に、例によって分厚い群唱が舞うように加わって、とてもスリリング。タイトル通りのダンス・チューンに仕上がっている。しかし、その踊りは西洋人には舞うことのできないような“謎の踊り”。この曲でも(8)と同様、カゼム・ラザザンのヴァイオリンとニック・デカロのアコーディオンが加わっている。


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