INTRO



 初めまして。当サイトを運営しているseijimanと申します。

 僕の約10年程のレコード店勤務の中(中古店も含む)で、このような人達によく出会いました。

 1ジャンル、もしくは1アーティストだけを探求するあまり、他のジャンル、アーティストには興味を持たないばかりか、他のものを安易に見下したりする人達です。正直な所、僕にもある時期までそういう傾向は少なからずありました。

 確かに何かを深く探求すること自体はとても良いことだと思います(こういう方達がいてこそ、僕のような者がこのようなサイトを運営できる、と言っても過言ではありません)し、また、世の中には下らないと思える音楽も沢山氾濫していますが、自分にとってまだまだ未知の音楽を、“下らない”とか“つまらない”等の一言でバッサリと簡単に切り捨てるのは、非常に勿体無いと思うのです。

 そういった音楽の良し悪しを決めるのは結局は個人の好みであることは間違いないのですが、今まで良いと思ったことがないものにある日突然、あるいは何回か触れるうちに徐々に魅力を感じるという経験が、皆さんも一度はおありだと思います。その音楽そのものは録音された時から少しも変わらずに(この場合リマスタリング等の変化は抜きに)存在するのにも関わらず。

 それは聴き手本人の感性が変化したからに外なりません。ある日ある時までは自分には感じられなかったけれど、どこかの誰かには感じられていたであろう“魅力”のポイントに、その日その時の自分が接近した瞬間です。それは自分から知らず知らずのうちに近付いている時もあれば、誰かのちょっとした一言で気付く時もあります。当サイトが後者のような場合の一助になればと思い作りました。

 誰しも好みがあるのは当然ですが、“音楽”という道の最初の分岐点で「この道だけを進もう」と決めないで、色んな道を覗いては戻ったりしてもよいのではないでしょうか。いずれ分かれ道同士が繋がるポイントが必ず見つかり、最終的にはそれが網目のように繋がっていることに気付くはずです。それから“好み”を追求しても遅くはないのではないでしょうか。

 そのような“繋がるポイント”というものが、ある時は歴史的な繋がりだったり、音楽的なことだったり、聴いた印象からくる単なる連想だったり、と様々な場合があると思うのですが、僕はそれらのどれで繋がっても良いのではないかと考えます。歴史的・音楽的な繋がりを知ることが、今まで漫然と聴いてきた音楽を深く理解するきっかけにもなりえますし、また、単純な連想が意外にも歴史的・音楽的に繋がっていることを気付かせてくれることも多々あるからです。



 なぁ〜んて硬いこと言っておりますが、実は自分が気に入ったものとなると無性に薦めたくなる質が昂じて...というのがホントの所なのかもしれません。単なるお節介と取られても仕方がありません。肥大したレコメン魂の赴くままに書いていきたいと思います。

 ですから形式にはあまりこだわらずに、評論・感想・分析と色々姿を変えながら、語調はそのアルバムに対する気持ちや接し方によって、時にかしこまったり、時にくだけたり、変化しますのでご了承ください。

 また内容も、単に「音楽さえ聴いてりゃいいや」という人から「良い音楽を聴くと、それを演奏したくなる、創ってみたくなる」という人まで、あるいは「これから色々聴いてみよう」と思っている人から「もう既に色々聴き始めている」という人をも対象にしているので、わからない言葉等も多々ありましょうが、その辺もご容赦下さい。わからない言葉等、初めはドンドン飛ばして読んで頂いても構いません。

 そのような言葉は、当サイト以外の様々な本やアルバムのライナー・ノーツ等を複合的に読むことによって、段々と、そしていつの間にか分かってくると思います。興味がある方なら自然とそうなってくることでしょう。ですから当サイトで全てを知ろうとは思わずに、当サイトをリスナー的な視野=“聴野”を広げるきっかけぐらいのつもりで気軽にお読み下さい。

 まずは各ジャンルの“コメント”を読んで頂いて、気になるものがあればそれをどこかで入手して、聴きながら“詳細”を読んで頂くというのが当サイトの流れのつもりで書いてはおりますが、別に全て読み尽くしてからでも一向に構いません。また、既に聴いたことのあるものでも、僕と読者の方それぞれの感じ方の違いを楽しむのも面白いかもしれません。

 そうなると当然感性は一人一人違うものなので、僕が思った印象をそっくりそのまま読者の方に感じて頂けるとは限りませんし、当然それを保証することも出来ません。あくまで“聴野を広げる一助”ですので、その時はご勘弁を。でもいつの日か、あなたがその作品の良さに気付いたり、共感してもらえる日が来れば、と願っています。



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