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artist : HATFIELD AND THE NORTH
title : 『 THE ROTTERS' CLUB 』
release : 1975年3月
label : VIRGIN RECORDS
tracks ( cd ) : (1)SHARE IT (2)LOUNGING THERE TRYING (3)(BIG)JOHN WAYNE SOCKS PSYCHOLOGY ON THE JAW (4)CHAOS AT THE GREASY SPOON (5)THE YES NO INTERLUDE (6)FITTER STOKE HAS A BATH (7)DIDN'T MATTER ANYWAY (8)UNDERDUB (9)MUMPS  A.YOUR MAJESTY IS LIKE A CREAM DONUT (QUIET)  B.LUMPS  C.PRENUT  D.YOUR MAJESTY IS LIKE A CREAM DONUT (LOUD)
bonus tracks : (10)(BIG)JOHN WAYNE SOCKS PSYCHOLOGY ON THE JAW (11)CHAOS AT THE GREASY SPOON (12)HALFWAY BETWEEN HEAVEN AND EARTH (13)OH, LEN'S NATURE! (14)LYING AND GRACING
tracks ( analog ) : 未確認
regular members : PHIL MILLER,guitars ; PIP PYLE,drums,percussive things ; RICHARD SINCLAIR,bass,vocals,guitar(7) ; DAVE STEWART,organ,electric piano,tone generator.
guest musicians : JIMMY HASTINGS,flute,soprano sax,tenor sax ; MONT CAMPELL,french horn ; LINDSAY COOPER,oboe,bassoon ; TIM HODGKINSON,clarinet ; BARBARA GASKIN,vocals ; AMANDA PARSONS,vocals ; ANN ROSENTHAL,vocals.
producer : HATFIELD AND THE NORTH
related website : 『 Hatfield and the North 』(ファン・サイト? 日本語でも読める)、『 phil miller - in cahoots 』(フィル・ミラーの公式サイト)、『 THE OFFICIAL HOME PAGES FOR RICHARD SINCLAIR 』(リチャード・シンクレアの公式サイト)、『 Dave Stewart & Barbara Gaskin 』(デイヴ・ステュアートとバーバラ・ガスキンの公式サイト)、『 Jimmy Hastings - Home Page 』(ジミー・ヘイスティングスの公式サイト)




(1)SHARE IT  ▲tracks
 リチャード・シンクレアのジェントルな歌声でスタートする(1)。キャプションにも書いた通り、何かヒンヤリとしたものが爽やかに弾けて、目の前を颯爽と駆け抜けていくかのような名曲。“ジャズ・ロック”の名盤選を読んで買ってみる時、まさかこんなにポップでキャッチーな曲が飛び出してくるとは、露ほども思わないだろう。この曲でフィーチャーされているのは“キーボード”だけど、“ギター”・ポップ・ファンの耳にも訴えるだけの魅力がある。人によっては、ソロのシンセの音がちょっと許せないかも。でも、この楽曲そのものの魅力はそれを補って余りあると思う。


(2)LOUNGING THERE TRYING  ▲tracks
 ECMレーベルのクロスオーヴァー系の音を想起させるようなエレピとギターが気持ちいい(2)。ドラムとベースが入ってくるにしたがって段々とスリリングな演奏を展開していく。しかし、全然暑苦しくなく、むしろ夏の朝の爽やかささえ感じられる。こんなにスリリングで熱のこもった演奏をしても全然暑苦しくないのは、エレピやギターの音色が涼しげなのは当然として、ドラムのチューニングやミックスが柔らかで控えめだからだろう。


(3)(BIG)JOHN WAYNE SOCKS PSYCHOLOGY ON THE JAW
(4)CHAOS AT THE GREASY SPOON
(5)THE YES NO INTERLUDE  ▲tracks
 やっとジャズ・ロックらしいオープニングに出会えたと思ったのも束の間、約40秒で(3)は終了。そのままワウ・ペダルをかませたベースが印象的な(4)に繋がって、激しさをちょっと増した途端それも30秒で終了し、一気に(5)へと雪崩れ込む。明るい高揚感のある幕開けながら、すぐに13/8拍子でフリーキーなギターやサックスが入ってくるような、込み入った展開に。ジャズ・ロック・ファンからすれば「待ってました!」の展開ではあるが。それが一段落すると、ちょっとジャジーになってエレピ・ソロ。“シンシン”と静かに躍動的なライド・シンバルと、“ゴインゴイン”と芯の太いベースに乗って、スピリチュアルなソロを繰り広げていく。その後少しのギター・ソロ(クリーンな音色)を挟んでから、元のリズムに戻って終わり。


(6)FITTER STOKE HAS A BATH  ▲tracks
 前曲の激しさが嘘のように感じられる、牧歌的な出だしの(6)。ここでもリチャード・シンクレアのジェントルな歌声がいい雰囲気を醸し出している。僕が持っている輸入盤には歌詞カードが無いから、何を歌っているかはよくは分からないが、中盤、タイトルの“BATH”に引っ掛けてか、歌声が“ブクブク”としたものになっていく。その“ブクブク”と女性コーラスをバックにフルート・ソロが入り、エレピのフレーズを境にテンポ・アップ、スキャットの後のギター・ソロでは再びジャズ・ロック的展開に。そして最後はティンパニや木琴やテープの逆回転、その他諸々が入って、フリー・テンポで暗いエンディング。


(7)DIDN'T MATTER ANYWAY  ▲tracks
 その暗さを打ち消すように、爽やかで穏やかな心洗われるエレピとメロトロンでお出迎えの(7)。ギターのメロディーもいい。そのイントロが終わると、エレピに包まれながらリチャードの歌とフルートがユニゾン。至福の瞬間だ。その後のドリーミーなフルート・ソロや、ちょっとチャイニーズな雰囲気さえするシンセ・ソロもいい。


(8)UNDERDUB  ▲tracks
 エレピとフルートのユニゾンで、スピーディーかつマジカルに幕を開ける(8)。爽やかなスリルがたまらなくいい。まるでヒンヤリ冷えた水の中を高速で移動しているかのようだ。エレピ・ソロの中で、コンピューターの電子音を思わせる、広い音域に跨った展開が面白い。


(9)MUMPS
 A.YOUR MAJESTY IS LIKE A CREAM DONUT (QUIET)
 B.LUMPS
 C.PRENUT
 D.YOUR MAJESTY IS LIKE A CREAM DONUT (LOUD)  ▲tracks
 そしてアルバム最後を飾る(9)は、約20分に及ぶ大作。まずは神聖な感じの女声スキャット。それが無くなったかと思うと、異常な雰囲気のするアンサンブルが入り、すぐにファンファーレ(ギターとキーボードの「チャララチャッチャラー」というフレーズなんてモロ)。そこからはクールなジャズ・ロック的展開に。もうとにかく目まぐるしく展開していくので書ききれない。と言うより書かないほうがいい。「よくもまぁこんな構成の曲を書いたものだ」、という印象。後は聴いてのお楽しみ。ワクワクしながらスリルに身を任せるしかない。


 アルバム(ボーナス・トラックを除く)の全体的な印象は、チック・コリアの 『 リターン・トゥー・フォーエヴァー 』 にあるようなクールでスピリチュアルな空気を湛えつつも、ジャズ・ロックの尖った面とちょっとフォークっぽい牧歌的な面を併せ持った作品、という印象を強く受ける。特に女声コーラスが多く出てくる(9)はその粋を集めた感じだ。

 プログレッシヴ/ジャズ・ロックというと、「ジャズとクラシックの融合」と言うより、主にキング・クリムゾンの1stアルバム 『 IN THE COURT OF THE CRIMSON KING 【クリムゾン・キングの宮殿】』 収録の「21ST CENTURY SCHIZOID MAN」に於ける複雑なフレーズのユニゾンやフリーキーなソロ、「EPITAPH」に於ける叙情的なメロトロン使いを柱としたものが多い中、彼らは当然そういったものも含みつつも、「I TALK TO THE WIND 【風に語りて】」や「MOONCHILD」の幻想的で牧歌的といった、ちょっとフォーキーな魅力も忘れておらず、更に同時代の異なるシーン(エレクトリック・ジャズ〜クロスオーヴァー)の動きもしなやかに取り入れて、尚且つそれらを自分達の音として消化している。


(10)(BIG)JOHN WAYNE SOCKS PSYCHOLOGY ON THE JAW
(11)CHAOS AT THE GREASY SPOON
(12)HALFWAY BETWEEN HEAVEN AND EARTH   ▲tracks
 ここからはボーナス・トラック。(10)(11)は(3)(4)とは殆ど変わりはないが、若干ヴォリュームが大きく、(11)は早めにフェイド・アウトして(12)に繋がっていく。その(12)がとてもスリリングな曲。途中でなぜかヴォーカルの処理が(6)のようにブクブクとなる。


(13)OH, LEN'S NATURE!
(14)LYING AND GRACING  ▲tracks
 そして、(13)(14)はライヴ音源。(13)はアルバムとはうって変わって、『 LARK'S TONGUES IN ASPIC 【太陽と戦慄】』 の頃のキング・クリムゾンのようなヘヴィー・メタリックな曲。その(13)は2分足らずで終わりすぐに(14)へ。残響感がマイルズ・デイヴィスの 『 BITCHES BREW 』 のようだ。この雰囲気の中にあると、エレピの音は“爽やか”ではなく“神秘的”な印象を受ける。そしてワウをかけたベースが入るあたりからどんどん激しくなっていく。鬼気迫るオルガン・ソロとそれに伴うドラミング。凄い変貌ぶりだ。彼らはこの“アルバムでの寂”と“ライヴでの激”という2つの顔を使い分けていたのだろうか。


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