Random Diary 2015
*2015.12.12
復活クリムゾン観戦記

12月8日、渋谷・オーチャードホール

前列にドラム三人衆がドーンと居並び、一段高い後列に残り四人が控え目に並ぶ。
イントロは「平和」独唱で始まり、風の音から「21世紀」へ。いきなりテンションが上がる! ギャヴィン・ハリソンの長尺ドラム・ソロが超絶的にスゴかった。このライヴのハイライトと言っていい凄まじさ。
続いて荘厳なメロトロンが鳴り渡り「エピタフ」へ。もう感動しまくって涙出そうになった。メロトロン風キーボードはド真ん中に座るリーフリンが兼任。
三人のドラム・アンサンブルを挟んで、新曲らしきヘヴィなヴォーカル曲や近年のヌオヴォ・メタル路線の楽曲が続く。複雑かつ重厚な聴き応えのあるこの路線が現体制にも引き継がれるクリムゾンらしさの真骨頂であろう。
一方、過去を回顧する懐メロ路線はファンサービスとしても、単純にうれしい。「Live at the Orpheum」収録曲は全部やってくれた。意外だったのは「イージー・マネー」。これが往年を彷彿とさせるスリリングで素晴らしい演奏だった。
本編最後は「スターレス」で締め、アンコールは「宮殿」〜「トーキング・ドラム〜パート2」で盛り上がる、お約束とはいえ超うれしい展開。
上掲ライヴ盤を聴いた限りでは、21バカ・バンドと同様の中高年向け郷愁路線が懸念されたが、実際に目で見ると主役級のトリプル・ドラムそれぞれの役割分担がわかって楽しめたし、もちろん音もパワフルで聴き応えがあった。80年代以降ではこのバンドが最高なんじゃないかとさえ感じた。たとえ新曲が少なくとも真性クリムゾンが復活したのを実感でき、本当に来て良かったと大満足。極上のエンターテインメントだ。もうこうなったら新曲やらなくてもいいんじゃないかな。(鍛錬の時は終わった。あとは楽しむだけ…)
ちょっと残念だったのは「パート1」をやらなかったことくらい。来日公演のセットリストは日替わりだったようで、DGMのサイトで確認すると「レッド」や「ヴルーム」をやった日もあったらしい。少しうらやましくもあるが、他の日と見比べると、ぼくが行った2日目の曲順が一番良いな〜


ついでに恒例お買い物報告もやっておこう。

一日目、まず最初に懐かしい店を約30年ぶりに再訪した。下北沢のフラッシュ・ディスク・ランチ。中のレイアウトは変わったが雰囲気は昔のまま。品揃えは他の店ではなかなか見ないような珍しいアナログ盤ばかりで、どれも安い。色々と欲しくなったが、これからずっと持ち歩くことを考えて我慢。今度ゆっくり見に来たいものだ。
次に近くのディスク・ユニオンへ。ここではCD一枚だけ購入。

NRBQ - Keep This Love Goin'(Clang)中古CD
スパンビナート兄弟が脱退し、トムも病気で(?)離脱(翌年死去)。一人残ったテリーが若手を集めて作った、前作から7年ぶりの2011年作。

そこから渋谷に向かう。ユニオン、レコファン、HMVなどを回るが、ただ見るだけ。地方にいるとレコードの絶対数が少ないから目ぼしいものは何でも買うが、こう大量にあると何を買っていいのかわからなくなる。特定の分野に集中して収集できる東京人がうらやましいと感じると同時に、逆に地方人は幅広く何でも聴くようになるのではないか、その方がゆとりがあって楽しい音楽ライフを送れるのではないか、と開き直りたくなった。
ゴールドラッシュで腹ごしらえをした後、またも懐かしい店を訪問。マザー・レコード。相変わらず同じ場所にあった。壮絶に雑然として探しづらい昔と変わらぬ陳列法に思わず笑ってしまいそうになる。すると店員さんに声を掛けられた。
「何かお探しですか?」
「いや、特に何も…。この店は長いですよね。30年くらい前からですか。30年前にも来たことあるんですよ。…すみません、今日はこれで(笑)」
何も買わずそそくさと店を出てライヴ会場へ向かった。結局渋谷では収穫ゼロ。

翌日は新宿へ。ここでも懐かしの店を見て回ろうと西新宿を徘徊するも、レコ屋が全然見つからない。ウッドストック、エジソン、ヴィニール、新宿レコード等々、かつてはレコ屋がひしめくようにたくさんあったのに、全滅したんだろうか?
気を取り直して東口の方へ移動してユニオンを巡ることにした。以下、すべてユニオン各店で購入。

King Crimson - The Elements Tour Box 2015 (DGM) 新品2CD
去年の2014版と似てるが中身は別物。またも未発表音源を多数含み、うれしいことに「21世紀」の最新ライヴ音源も入ってる! 今後フルライヴ盤も出るようで楽しみだ。収録曲の詳細はこちら
ライヴ会場ではこれと「宮殿」のピクチャー・ディスク、そして新作と思われる「Cyclops」と題された12インチ・ピクチャー・ディスクも売っていた。一つ目小僧の方が気になるも、どうせ後でCDでも出るはず、と買わなかった。荷物になるし…

King Crimson - Level Max Crimson 08(Blue Cafe)中古3CD-Rブートレグ
2008年アメリカでのライヴ二日分を収めた3枚組。ミレニアム・クリムゾンからガンが抜けてレヴィンと交替し、ドラムにギャヴィン・ハリソンが加わった5人編成。現体制への過渡期でありミッシング・リンクであるこの時期の音源は2014年のツアーボックスに1曲だけ入っていたが、どうしてもフルで聴きたい聴かねば、と、もうブートは買わないと決めてたのだが止むを得ず購入。安かったし…

Frank Zappa - Sleep Dirt(Warner)中古LP
初CD化の際に加えられたヴォーカルやドラムが入らず、全編インストのオリジナル・ミックス。今ではCD化されてるらしい。最近のリリース事情には疎くなってしまった…

James Blood - Tales of Captain Black(Artists House)中古LP
オーネット・コールマン参加の初リーダー作。名前に「ウルマー」が付いてない。見開きの内側はP-FUNKっぽい楽しいイラスト。8ベージのブックレット付き。VAN GELDER 刻印入り。

Gary McFarland - The In Sound(Verve)中古LP
渡辺貞夫参加。気怠いスキャット・ヴォーカルが入った軽いイージーリスニング・ジャズ。VAN GELDER 刻印入り。

Modern Jazz Quartet - Space(Apple)中古LP
アップルのMJQ、米盤オリジナル。ジャケ痛みあり安価。

Gary Boyle - Electric Glide(Gull/ビクター)中古LP
元アイソトープのギタリスト、ソロ2作目。ゲイリー・ムーア参加。帯付き日本盤。

以上4枚の中古LPはすべて千円以下でゲット。ザッパは千円台。もはやレコードを一枚二千円以上出して買うことはほとんどなくなった。

*2015.11.18
The Beatles 1 に対抗して究極のベスト盤を作成

自己満足な選曲で CD-R を作っちゃおうシリーズ最新作。
2000年に発売された「The Beatles 1」はチャートで1位になった曲のみを集めたもの。よって入門用ベスト盤に入れるべき肝心の2曲が欠落したいびつなものになっていた。今年発売されたリミックス盤も選曲は同じ。クリップ集を加えた高額商品はいかにもマニア向け。そこで、「1」の選曲と曲順は踏襲しつつ3曲だけ入れ替えて、ビートルズを知らないイマドキのティーンエイジャー向けに「初心者に優しい、本来のベスト盤」を作ってみた。「1」に倣って一応シングル発売された曲に絞ってあるが、あえて数曲は一般的と思えるアルバム・ヴァージョンにしている。音源はすべて旧規格CD(80年代マスター)を使用。iTunesで自動生成させたジャケットはこれ

1. Love Me Do (Please Please Me)
2. Please Please Me (Please Please Me)
3. From Me to You (Past Masters, Vol. 1)
4. She Loves You (Past Masters, Vol. 1)
5. I Want to Hold Your Hand (Past Masters, Vol. 1)
6. Can't Buy Me Love (A Hard Day's Night)
7. A Hard Day's Night (A Hard Day's Night)
8. I Feel Fine (Past Masters, Vol. 1)
9. Eight Days A Week (Beatles For Sale)
10. Ticket to Ride (Help!)
11. Help! (Help!)
12. Yesterday (Help!)
13. Day Tripper (Past Masters, Vol. 2)
14. We Can Work It Out (Past Masters, Vol. 2)
15. Paperback Writer (Past Masters, Vol. 2)
16. Yellow Submarine (Revolver)
17. Eleanor Rigby (Revolver)
18. Strawberry Fields Forever (Magical Mystery Tour)
19. Penny Lane (Magical Mystery Tour)
20. All You Need Is Love (Magical Mystery Tour)
21. Hello, Goodbye (Magical Mystery Tour)
22. Lady Madonna (Past Masters, Vol. 2)
23. Ob-La-Di, Ob-La-Da (White Album)
24. Hey Jude (Past Masters, Vol. 2)
25. Get Back (Let It Be)
26. Let It Be (Let It Be)
27. The Long And Winding Road (Let It Be)

太字が追加した曲。「オブラディ〜」は日本でシングルカットされており、知名度が高く子供でも知ってそうだから入れた。省いたのはビートルズらしさが希薄で一般的に知名度が低そうな終盤の3曲「ジョンとヨーコのバラード」「サムシング」「カム・トゥゲザー」

*2015.11.1
ザッパの73年ロキシー・ライヴ映像版が出た!

ロキシー・ザ・ムーヴィー(DVD+CD)(歌詞対応完全日本語字幕付き)
ブルーレイ版の他に、なんとデラックス・エディションもあるでよ! ビックリだなも〜 いいかげんブルーレイ対応プレイヤー買わないとな〜

チェスター・トンプソン繋がりで(?)ウェリポの未発表(?)ライヴ4枚組も出る。年末に向けて出費が大変だ〜
Legendary Live Tapes 1978-1981

*2015.8.29
チケット争奪戦に敗北

山下達郎が地元(地域)に来る、というのでチケット取ろうとしたが、本日10時の受付開始からアクセス集中して繋がらず、15分過ぎにやっと繋がったと思ったら既に完売… 去年も行ってるから今回はいいか、と諦める。
ついでにクリムゾンの方も試してみたら、こちらも繋がらず、1時間ほどしてアクセスしたら東京の4日間中2日目しか残っていない。仕方なくこちらを購入することに。
なんとも消極的ながらクリムゾン最後の(?)ライヴに行くことになったことを報告しておく。

*2015.8.26
Thrak: Limited Edition Boxed Set

毎年恒例となった感のあるクリムゾンの大盤振舞ボックス、今年は「スラック」らしい。これまでのと比べると内容は格段に見劣りしてしまう。「アースバウンド・ボックス」を期待したいのだが…

*2015.7.25
ジャズの聴き方

<基礎編>
・テーマ(元曲のメロディ)とアドリブ(即興部分)の違いを知る
・スタンダード・ナンバーと呼ばれる有名曲を複数の演奏で聴く
初心者はどこからテーマでどこからアドリブなのかわからないかも。
数多くのスタンダードを聴いて元のメロディを覚えること。
(スタンダードを覚えるにはヴォーカルを聴くのが効果的)
そうすればテーマとアドリブの違いもわかるようになる。
同じ曲でも演奏者によって解釈が異なり、アレンジも多種多様。
その違いを味わうのがジャズを聴く基本的な楽しみ方。
テーマの後、アドリブに入る瞬間は次元が変わるような活力があり、
アドリブにこそ演奏者の力が入っていることが感覚的にわかってくる。

<応用編>
・一つの曲(演奏)をそれぞれの楽器に集中して何度も聴く
例えば、カルテット(サックス+ピアノ・トリオ)の場合、
一回目はサックスに集中して聴き、二回目はピアノ、三回目はベース…。
次には各楽器同士の会話(絡み合い)がどうなっているのかを聴く。

<参考書>
ジャズのスタイルブック

ただ何も考えずリズムや音色に耽溺する快楽的聴き方でも十分なのだが…

*2015.7.1
キング・クリムゾン来日クリス・スクワイア死去

クリムゾンとしては12年半ぶりの来日が12月に決定した模様。フリップの高齢化もあって最後のライヴとなりそうだとか。こりゃ行かねば、という気になるが、チケット代は15,000円。ポール・マッカートニーとさほど変わらぬ高額設定に参戦意欲も削がれるというもの。

クリス・スクワイアが亡くなったことで、現役のバンドとしてのイエスは本当に終わった。ジョン・アンダーソンがいなくても、スティーヴ・ハウがいなくても、なんとかイエスは存続できたが、クリスがいないイエスは、旧メンバーが集まる同窓会、あるいは若手がサポートする(トリビュート的な)懐メロ大会となるしかないではないか。2003年の来日公演でステップを踏みながらベースを弾く元気な姿を見ておいたのが、今にして思えばよかった。

やはり、後悔しないためにも今のうちにフリップの元気な(?)姿を見ておいた方がいいのかな…

*2015.6.28
レコード(アナログ盤)マニアにオススメ「ジャズ名盤セレクション

タイトル、表紙の見た目、出だしの一章(モダンジャズの名盤とジャズ喫茶)を読む限りでは、ありきたりな名盤ガイドのようだが、キモは副題(レーベルとプレスによるLPレコードの音質の差異)にあり。ブルーノート、リヴァーサイド、コンテンポラリーといった主要レーベルの歴史的変遷、同一音源でも再発盤や各国盤によって音が違う理由を考察、珍盤・不良盤(バグ・レコード)の紹介など、中身は徹底してマニアックな記述がギッシリ詰まっている。

この著者が以前に出した「LPレコード再発見 」「LPレコード新発見」「LPレコードに潜む謎」で開陳してきたジャズとクラシックのレコードおよびオーディオに関するウンチク・エッセイを、オールカラーの大判本に体系的にまとめた集大成といえる力の入った仕上がり。ジャケットとレーベル写真が大きく載っていて視覚的にも楽しめる。アナログ盤を愛する者にとってはパラダイスのような本。所有するジャケットやレーベルの隅々、溝送り部分の刻印(マトリクス・ナンバー)などを改めて確認し、じっくりと聴き直したくなってくる。さらに中古レコードを漁る意欲も湧いてくるというもの。

*2015.4.16
アレン翁、旅立つ

知らぬ間に亡くなってました。77歳だそうで、意外に若かったのですね。
Daevid Allen obituary
planetgong.co.uk

*2015.3.17
お買い物報告書(大レコードCD市@仙台 E Beans)

(以下すべて中古LP、合計4,350円)

Frank Zappa - True Glove(EMI)4-Track Maxi Single
アルバム未収録曲 "Won Ton On" を含む4曲入り12インチ。
こんなのあったのか、と慌てて買ったが、後で調べたら
Thing-Fish」に同タイトルの曲が入ってる。別ヴァージョンか?
(音を確認すると、"No Not Now" 逆回転の上に語りが被さらず、1分半ほど長い別ミックス・ヴァージョンだった。買っといて正解^^)

ピエール・バルー/ル・ポレン(日本コロムビア)
YMO/ムーンライダーズ人脈が参加。昔一度手放したのを買い直し。

リック・ウェイクマン/ヘンリー八世の六人の妻(A&M/キング)白レーベル見本盤
イエス加入後初のソロ。もうじきデラックス・エディションが出るようだ。
少し前に「アーサー」も中古LPで入手したので、いきおいで。どちらも300円でした。

ポール・ヤング/ライヴ・エディション(EPICソニー)
ライヴ・テイクを5曲収めたミニ・アルバム。未CD化?
デビューの頃の彼が好きだったんですよ。3枚目以降は興味を失ったけど…

ルパート・ホルムス/浪漫(Private Stock/東芝EMI)白レーベル見本盤
この人も好きだったな〜。「エスケイプ」とか、いい曲が多いんですよ。

Lennie Niehaus - Vol. 3: The Octet, No. 2(Contemporary/OJC)
分厚いアレンジのウェスト・コースト・ジャズ。1955年録音。

オスカー・ピーターソン/ウォーキング・ザ・ライン(MPS/テイチク)
珍しく8ビートでグルーヴしてるらしい、と最近ネットで知って。

スカイ/SKY (1st) (Ariola/キング)
ギターのジョン・ウィリアムズが在籍したクラシカル・フュージョン・バンド。
それほど好きでもないんだが、2・3枚目を持ってるので仕方なく(?)購入。

*2015.3.1
ポール・マッカートニー「アウト・ゼアー ジャパン・ツアー2015」

試しにアクセスしてみたらあっけなくチケット取れたので、東京ドーム最終日に行くことにしました(笑)
来日はこれが最後かもしれないし、ぼくにとってもビートルズ関連ライヴは最初で最後でしょうから、悔いが残らないように。

ポール・マッカートニー2015年来日公演特設サイト By JASH

*2015.1.22
ワイアット公認バイオ本と2枚組ベスト

Different Every Time: The Authorised Biography of Robert Wyatt
Wrong Movements」が出てからすでに20年近い。その後の歩みも含まれる新規バイオ本が400ページ超の大ボリュームで出た。英読に自信のある方はどうぞ。

Different Every Time
バイオ本と連携するように出た2枚組ベスト。代表曲(?)をコンパクトにまとめた1枚目は入門用として、他者のアルバムに参加したもの(近年は意外に旺盛)をまとめた2枚目は中級者向けとして親切な作りになっている。

*2015.1.5
RIO集大成本と暗黒ボックス参考書

オール・アバウト・チェンバー・ロック&アヴァンギャルド・ミュージック Rock In Oppositionとその周辺
かつてマーキーから出ていた集成シリーズを思わせる、大判で文字がびっしりの豪華本。雑誌「ユーロ・ロック・プレス」に掲載されたインタビュー記事を中心に、全世界のRIO関連バンド(いわゆるレコメン系)を網羅した紹介記事と膨大なディスク・レビューで構成。かなり読みがいがあり資料としても永久保存本になりそう。デザインもかつての集成シリーズより垢抜けている。

beatleg magazine 1月号 (vol.174)
キング・クリムゾン 暗黒ボックス特集。各ディスクについての細か過ぎるほど細かいレビューと大量のブートレグ・ガイドが圧巻(笑)

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