24 May

快晴

すっかり朝寝坊になってしまった。軽く飯を食った後、清水と二人でパティオのプールへ。すっかり陽も高く、気温も上昇中。絶好のプール日和だ。清水は早々にプールに飛び込み、気持ち良さそうに平泳ぎなんかしている。私はここでColieの所でダニに喰われた痕がますます悪化していることに気づき、プールに入って傷を悪化させてはということで日光浴に留める。二人でしばしデッキチェアーに横になってくつろいでいると、軽やかな足音が。ここの住人はお年寄りがほとんどで若い人はあまり住んでいない、と柴田夫妻から聞いており事実お年寄としか顔を合わせることがなかったのだが、なんと、若いお嬢さんしかもルックス良しっ!がプールサイドに現れたではないか。つ、つい"Hi!"と声を掛けてしまう私。会話が成り立たなかったので、そろそろ引き上げようかというその時、奇跡は再び起こった。なんと二人めの若いお嬢さんしかもルックス良しっ!がやって来たのだ。二人が見目麗しいお姿でデッキチェアに身体を伸ばし日光浴を始める至って、我々二人はサングラスで視線を誤魔化し、いや、紫外線から目を保護し、日光浴の続行に踏み切った。実はこの時すでに我々二人の身体は相当熱を持っており、特にプールに入ることの出来ない私には辛い状況であったにも関らず、その後30分ほど修行僧のようにじっと耐えたのであった。


土砂降り

ニューオーリンズは初めてというドラマー清水の要望に応えて、フレンチ・クオーター周辺を案内する。ところが、所謂観光スポットと音楽関連のスポットを中心にこの辺の地理が分かるように歩いたのだが、どうも清水のリアクションが分からない。買い物に興味が有るようでもないし、もうちょっと反応してくれると案内もしやすいんだが、と次第に途方に暮れる私。そしてジャクソン広場と通りを隔てた砲台のところまで差し掛かったとき、異変が。青々とした空は何処へやら、急激に雨雲が立ちこめ風が強くなってきた、と思う間も無くいきなりの土砂降り。泣きっ面に蜂とはこのことだぁー、と思いながら、側のJackson Breweryに駆け込む。仕方ないのでここのフードコートで飯にする。しかしこれがまたあまり大きくないフードコートに雨宿りの客が押し掛けたため、エライ混雑振り。やっとのことで席を確保して一服。


ジャズ博物館へ

しばらく待ってみたものの雨の収まる気配はない。しかたないのでJackson Brewery前から川沿いに走るストリートカーに乗ってジャズ博物館へ行くことに。終点のすぐ側がジャズ博物館になっているので、あまり濡れずに行けると踏む。

このジャズ博物館にはマルディグラ博物館も併設されており、時間があったら行ってみるのも悪くない。かく申す私は、これが初めて。閉館の5時まであまり時間がなかったので要領良く回る。ハリー・コニックJrの直筆の手紙や有名なサッチモのコルネット、ガレスピーのトランペットなどの他、ニューオーリンズ音楽の歴史に関る資料が結構な点数、展示されている。時間があればもう少しじっくりと見て歩きたかったが、マルディグラの方も見たいので早めのペースで回る。

マルディグラの方はといえば、文化財と言っても決して差し支えないようなコスチュームの数々に目を奪われた。最近ではこうしたコスチュームを毎年新たに誂えるようなことはなかなか難しくなってきているようで、ほとんど着回しだという。一年間それだけを楽しみに日々の重圧に耐えてきたアフリカ系アメリカ人が、普段の自分から一気に開放され高みにのぼりつめる祝祭、マルディグラ。祭好きの日本人には良く分かる心理。このマルディグラ博物館にはコスチュームの他に、パレードで観客に向かって投げるグッズの数々も展示されている。美人妻柴田によるとマルディグラのシーズンになると、どのチームがどのようなグッズを投げるかが事前に報道されるらしい。また、それぞれのチームで使用するカラーも違うということだ。マルディグラ未体験の私としては未知の世界で、一度は見てみたいモノNo.1であるが、フレンチ・クオーター周辺のパレードはかなり過激でリオのカーニバル同様、結構死人も出るという。

ジャズ博物館を閉館時間で追い出され、再び雨の中へ。雨宿りがてらFrench Marketをひやかしながらジャクソン広場方面へ進む。途中どうにも我慢が出来ずに土産物屋に入ってポンチョを入手。そして少しでもひさしのあるところをとロイヤル・ストリートに分け入る。カナル・ストリートへはあと少し。バス〜セント・チャールズ・ストリートカーに乗り込めたときは、ホントにほっとしたなあ。


夜のバーボン・ストリートでキレる

夕食は、金の節約も考え近所のマックへ。しかしこのマックがルイジアナ・ストリートからすぐということもあり、気合を入れて行かないとちょっと怖い。無事テイクアウトした奴を平らげ、再び夜の街へ。すっかり雨も上がり、土曜の晩ということもあってバーボン・ストリートは芋洗い状態。今晩はDonna's Bar & GrillでNew Birth Brass Bandを見たいという清水の希望に従う。スタートまでまだ小1時間ほどあるので、Donna'sからそう遠くない昨日入ったTricou House~711 Bourbon St.で一杯飲んで時間を潰す。昨日と同じブルース・バンドがやっており、演目も変わらず。前の日ほどノリの良くなかった私は、テレビで放映中のNBAプレイオフの方が気になっていた。と、隣のカウンターに座っていた兄ちゃんがとんとんと肩を叩くので振り向くと、"You, bluesman?"と聞いてくる。件のテキサス・ギタリスト氏が私の反応が悪いのを気に留めて、隣の客になんか合図を送った様だ。私、この頃には身も心もすっかり疲れ果てていたのです、正直に言うと。で、そろそろDonna'sに行こうかと清水を振り返ると追加のビールを注文してるは、飲み終わったころを見計らって声を掛けると"ちょっとまた一曲叩かせてもらってからで良いかなー。"とか言いだすはで、人の良い斉藤氏もこれにはキレて"何だよ、Donna'sに行きてーんじゃないのかよ。"と怒ってしまう。それでもめげない清水、バンドのドラマー氏に"ちょっとまた一曲叩かせて。"とずうずうしく頼んでる。さすがにドラマー氏も急な申し出に、"次のセットで叩かしてやるから。"と断る。

清水が飛び入りを諦めたところで先に店を飛び出し、奴の出てくるのを待つが、これがなかなか出てこない。何やってんだろうと訝っていたところへようやく出てきた。何でも"入口付近で踊ってた女の子に踊ろう、と誘われたのでしばらく相手をしていた"だそうで、"勝手にしろ"が私の身体に充満するのを感じる。だいたいDonna'sのある場所はルイ・アームストロング公園の前で、昼間からあまり雰囲気の良いところではない。バーボンからは北へ2、3ブロックほど。ここらの治安が良くないのを聞いている私は、徒歩で店まで行くのは元々あまり乗り気ではなかった。とにかく落ち着き払っている清水を促し、暗い横丁を走り抜ける。

で、ここまでして見に来たNew Birth、全然良くなかったんです、この晩。メンバー全員若いということもあって踏ん張りが利かないというか、失速しちゃうとリカバリーできないみたいで、正直楽しめなかった。特にトランペットの僕ちゃんが終始ご機嫌斜めで、最後の曲でチップ用のバケツを手に練り歩いてきたんだけど、お情けでチップ入れてやったのにニコっともしないの。"10年早え〜よ"、と日本語で悪態をつく私も大人げないっ。弱り目に祟り目、ここに極めたり、てやつですね。


25 May

フルコースでお買い物

今日は旦那柴田も学校が休みなので、奥様孝行も兼ね4人でドライブに行く。私の希望でまずオフィス・デポへ、それから郊外のショッピング・モール、清水のためにドラム専門店を回り、地元のスーパーに行ってガンボ用のスパイスや調味料を買うことにする。と、本日のブランチとして柴田氏がラーメンを作ってくれるというではないか。アメリカ在住者としては、やはり日本の食材入手に苦労しているようで、このラーメンはニューヨークの業者から通販で購入した生麺を使っていた。久々の日本食ということもあり、こたえられませんでした。感謝。

4人は柴田家の愛車フォードを駆って、オフィス・デポへ。その名の通りここはパソコンから文具までの事務用品全てを扱っているところで、私はここで自分の店用に営業時間のディスプレイ等を購入。お値段も郊外店らしく割安。一通りの物色が済んだところでモールへ。エントランスで集合時間を決めると、各自自分の嗜好に従って行動。私はこの中のGAPでセールをやっているのを発見。気に入ったシャツが20ドル以下で購入できた。他にスニーカーを買うつもりで何軒か当たってみたが、逆に選択肢が多すぎてここで買うのを諦める。集合場所に戻るとまだ全員顔を揃えていない。そこで、ここに入ってきたときに目をつけていた葉巻屋に行くことに。バーボンストリートではライブを見ながら葉巻をやっているおじさんが結構いて、あまりの薫りの良さに安い葉巻を購入、同様に入手した清水と友人からプレゼントされたものをしばらく保管していた柴田氏と3人で2日前から試していたのだが、クセになりそうだった私はせっかくだから専門家の意見を聞いて本格参入しようと考えた。さすが専門店だけあって多くの葉巻を保管室に置いてあり、中は芳香に満ちている。初心者である旨話すと、"Macanudo"というブランドのモノがスターター向けでお薦め、まずはこれを試して味が分かるようになったら他のブランドを試してみれば、というアドバイスされる。葉巻のカットの仕方から味わい方をちゃんと教えてもらって、Macanudoブランド4種を購入。今晩のくつろぎタイムが楽しみである。

この後一行は、美人妻がイエローページで探しだしたドラム・パーカッション専門店、その名もDrum Shopへ。広大な駐車場スペースを有する一角にその店はあったが、電話で問い合わせていたにも関らずClosedとなっており、外から窓越しに店内を眺めるに留まった。品揃えは、はっきり言ってかなり充実していそうなので、パーカッション類を探すには良い店だと思う。ニューオーリンズ音楽に欠かせないウォッシュボードもちゃんと在庫されていたが、ダウンタウンの店で買うより安いのでは。このDrum Shopの詳細についてはBell Southの電話帳に掲載されているので、ニューオーリンズに行けば簡単に調べがつくと思います。因に写真は、この店の前の駐車スペースでの南部な佇まい。

ナポレオン通りをミシシッピーに向かっていったところに、有名なTipitinaIがある。そのほぼ斜向かいにあるのが今回行ったスーパーマーケットで、地元の人向けの店なので相対的に安めになっている模様。ここで美人妻の指導の元、フィレ等の日本では手に入りにくいスパイスや調味料の類を購入。ザリガニやカニをボイルする際に使うソースのようなものも、ガンボに入れると辛みが利いて美味いそうなので購入する。ガンボ関連といえば、輪切りにしたオクラを冷凍した大きなパックなども売っており、食材の充実度は抜群。

買い物も落ち着いたので、P.J.COFFEEという店に行ってゆっくりする。このコーヒーショップは、チェーンになっているので街を注意して歩いていれば目にすることが出来ると思うが、なかなか美味しいコーヒーを飲ませてくれ、また、色々なフレイバーのコーヒー豆を販売している、美人妻もお薦めの店。我々はめいめいにオーダーをしたコーヒーやケーキの類をもって表のテラスへ。たまたま居合わせた日本に行ったことがあるというお客さんにシャッターを押してもらったのが、この写真。右側がニューオーリンズの恩人、柴田夫妻である。因みに左側奥の乱暴な風体をしたのがドラマー清水で、手前の溢れ出る知性が私である、て、しつこいか。この一帯はGarden Districtと呼ばれる高級住宅街で、時折Garden District Tourと称してそうした由緒正しいお屋敷を訪ねて歩くグループに出会える。私はこのテラスでのひと時が大変気に入ってしまい、滞在中にもう一度来てみようと思っていたのだが、残念ながらその機会はなかった。セント・チャールズからワシントンをミシシッピー方向へ2、3ブロック行ったところだと思うが、ゆったりした昼下がりをニューオーリンズで過ごしたいという方はぜひお試し下さい。この一角にはなかなか気の利いたブック・ストアも入っているということなので、ちょっとした時間を過ごせることと思います。


リラックス、デラックス、そして苛立ち

明日の朝、美人妻柴田はビザ書換のため日本に向かうことになっている。ということで、恩人柴田夫妻のために私の主催でディナーと洒落込む。会場はセント・チャールズにあるPontchartrain Hotel1階にあるレストラン。以前柴田夫妻が利用した際、そう値段も高くなく美味しい店だったということなので、無条件でここに決める。清水にまで驕る義理はなかったが、翌日は清水の驕りで旦那柴田、私で夕食に行く、という条件で交渉成立。

さて、四人はレストランへ。ホテル自体もなかなか品のある雰囲気の良いホテルであったが、このレストランがまた南部上流階級の社交場という趣で、とっても気に入ってしまった。お客さんも割と高齢の、上品な方が多い。料理もサービスも満足の時間を過ごし、ほんのちょっとチップを多めに渡してここを後にする。ここももう一度訪れたいスポットとして、私はブックマークしたのでした。

さて、この後清水がMaple Leef BarでのRebirth Brass Bandのライブに行きたいというので車でそちらへ。位置的には以前行ったJimmy'sの方になると思うが、やはりちょっと危なめな一帯にある模様。私はこの頃にはちょっと疲れが出て頭痛もしてきていたので、柴田夫妻とともに帰宅することにする。清水を店の前で降ろし、家路へつく。家で頭痛薬を飲み落ち着いた私は、葉巻を吸いながらリラックス。帰国準備もあらかた済んだ美人妻としばし会話を楽しみ、改めてお世話になったお礼をする。深夜を大分過ぎても帰って来る様子の無い清水に苛立ちながら、浅い眠りに就く。


[ Index ] | Prologue | New York, NY | Crunbury, NJ | New York, again | Frederik, MD | New Orleans, LA<Part1> | New Orleans, LA<Part2> | New Orleans, LA<Part3> | Houston, TX<Part1> | Houston, TX<Part2> |