Sheryl Crow / The Globe Sessions <1998> |
おすすめ度★★★★☆ |
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アルバムを発表する度にその音楽性を変化させる、Rock姉ちゃんSheryl Crowの3rdアルバム。ほとんどお決まり状態の様に、このアルバムも数々の賞を頂いた名盤として定着しはじめている。 それまでのストーリーテラー的な味わいは影を潜め本作ではよりパーソナルな歌詞が目立ち、しかもそのどれもが暗く、破壊的。彼女のどこか陰を含んだ声とも重なり結構重たいアルバムかも知れない。 しかしそんな世界にズブズブとハマり込む訳でなく、サウンド的にはぐっとアーシーでRockっぽいアレンジにしているところが僕がこのアルバムを繰り返しCDトレーに乗せる原因となっている。 相変わらずの多才振りを見せる彼女はプロデュースも当然のセルフプロデュース(ミックスにはTchado Blake)。楽器もギターからベース、キーボードまで自ら演奏している。 また本作ではそれまでの様々な大物アーティストとの交流を実らせ、2ではRolling Stonesの長年のツアーメンバーとしても有名なBobby Keysを始めBridge To Babyron Tourのホーン隊が丸ごと参加している他、9は本人こそ参加してないもののBob Dylanの書き下ろしナンバーだ。 スタンダード的なRockの味わいから入り、カントリー/トラッドといった要素を見せながら自然とハードな面も聴かせていくその構成力は見事の一言で、アルバムとしての完成度は抜群だ。 この後のツアーバンドがとてもハードな味わいで個人的にどうもシックリ来なかったのですが、これからもカッチョ良く居続けて欲しいモンです。
〜特にお気に入りな曲達〜 まずは聴いてビックリのStonesブリブリナンバーMy Favorite Mistakeで幕を明ける。まるでバックでKeith Richardsがギターを弾いてるかの様なアレンジに思わず頬が緩む。 暗い歌詞に象徴される影を持ったSherylのRockヴォーカルと、後ろで悲し気に唸るキーボードが最高の境地。新たなRock名曲の誕生だ。 続くThere Goes The NeighborhoodにもStonesチックなティストがいっぱいだ。ココではループっぽい味わいも見せながらも、ファンキーに展開していく。 前述の通りBoby Keysが参加。まるで前曲でのウップンを晴らすかの様に突進していく破壊的なパワーが感じられる。 本人はBeatlesのNorwegian Woodと言っているらしいUKトラッド的味わい満点のRiverwideもお気に入り。東洋的なストリングがハマりまくっており、エフェクトを掛けたギターの音色も効果的。変則チューニングによるアコギも美しい。彼女の懐の深さを見せつけたナンバーだ。 っと敢えて固有名詞を出さずに我慢していたのにIt Don't Hurtを聴かされては我慢ならない。Led Zeppelin Vです。トラッド的なギターカッティングから前曲に引き続き響く東洋的なストリング、そして何と言っても間奏のハーモニカがカッチョ良い。 最悪の境地から唄を歌う事で脱け出そうとするこの曲の迫力は、アルバム中でもハイライトのひとつでしょう。 May Be That's Somethingはイントロのトラッド的な肌触りからのRockナンバーへの展開力だけでも見事の一言。サウンド的にはアルバムの橋渡し的な役割も果たしており、個人的にはこういう役割のナンバーは大好きだ。共作者のJeff Trottによるギターも冴える。 フォークロックタッチで迫るAnything But Downもイイ。全体に貫くJeff Trottのギターがまた効果的だ。続いてフォーク的なThe Difficult Kindも完成度が高い。こちらの曲ではエレクトリックギターを中心に構成される展開力が圧巻。 そしてアルバム中最も明るいMississippiは、メロディを聴いて明らかであるがBob Dylanの作品。ちょっとカントリーフォーク的に進むアレンジが爽やかだ。効果的に配された生楽器の音色が印象的。 その前曲の明るさに引っ張れらるかの様に響くMembers Onlyもお気に入り。Ticket To Ride的なドラムのリズムが楽しい。 ファーストテイクの肌触りが再現できずにデモをそのまま収録したと言うラストナンバーのCrash & Burnは、良く聴くとバックが彼女のヴォーカルを頼りに手探りで演奏しているのが伝わってくる。 しかしそれでむしろジャズ的な味わいも加わり、非常に効果的に働いている様に思える。ココでの臨場感は抜群だ。
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1 . My Favorite Mistake 〜Bonus Tracks〜
Liveでもベースを |
(2000.2.6 再更新)
順路はこちら
Cownting Crows / August And Everything After へ
〜Sheryl Crowが影響を受けたと思われるアルバム〜
(勝手に選出!)
The Rolling Stones / Let It Bleed
これは明らか。スワンプ時代のStonesがお気に入りのご様子
Derek And The Dominos / Layla And 〜
このアルバムの暗いトーンは彼のせい?歴史的な名盤は彼女も愛聴したハズ
Bob Dylan / Highway 61 Revisited
ツアーにもゲストで出演したDylanは彼女の憧れ
Led Zeppelin / Led Zeppelin V
あの曲はこのアルバムに入ってても全然違和感無し