Led Zeppelin / Led Zeppelin V <1970>

おすすめ度★★★★


2ndアルバムの大成功によって一気にトップバンドに伸し上がったZEPが、長いUSツアーを終えてウェールズの田舎で製作した3rdアルバム。

リフを中心とした曲作りこそ変わらないもののそのアプローチはアコースティックなモノがほとんどを占め、アルバム全体にウェールズの空気が漂ってるかの様な素晴らしい出来になっている。

しかしやはりと言うか、当然の様に2ndアルバムによって彼らをハードロックの教祖的な存在へと祭り上げていた当時のファンへの評判は散々なモノだったらしい。

今になりじっくりと聴いてみると、Buffalo SpringfieldCSN&Yをフェイバリットミュージシャンに挙げるRobert Plantやブリティッシュトラッド等からの影響が濃厚なJimmy Pageのルーツを感じながらも、新たな領域へのアプローチが聴き取れる興味深い内容となっている。

内容的にはといった以前までの強烈なナンバーを挟みながらも全体にやはり生楽器の存在が目立つ。

この後独特のアプローチでハードロックというジャンルを切り開いていく彼らが、成功を期に立ち止まり、しっかりと足元を見直した偉大なるルーツロックアルバムだ。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

オープニングはImmigrant Song。Page、Jones、Bonhamが繰り出す強烈なリフと、その合間を叫び散らすPlantのヴォーカルが一体となった彼らの代表的なナンバーだ。

全体に散りばめられたウナリともウネリとも取れる奇妙な声と、バシ!っと終わるエンディングがとても効果的だ。

ムーヴシンセに乗ったPageのファンキーなギターで始まるCelebration Dayもカッチョ良いRockナンバー。Bonhamのドラムに引っ張られるかの様にスピーディに展開する中盤も最高だけど、何と言ってもこの曲はファンキーなギターとベースにお手上げです。

Since I've Been Loving Youは数あるZEPブルースナンバーでも特にお気に入りのモノ。Jonesのオルガンからギターソロに入る瞬間は、いつ聴いてもスリリングだ。

Bonhamの提案したリフから展開したというOut On The Wayは、これまたファンキーなナンバー。Bonham自身の変則的なドラムがやたらとカッチョ良いし、中盤のポップなコーラスも最高。エンディングの展開も見事の一言だ。カッチョ良い!

さてココからお待ちかねのトラッドパート。まずはGallows Poleだ。マンドリンやバンジョーといった楽器を取り入れたトラッド臭香るロックナンバー。ちょっと民族音楽っぽい単調なリズムも心地良いし、フィンドルのような音色を奏でるエレキギター(スライド?)のアレンジも面白い。

Tangerineは、序盤からトラッド的な展開を見せておきながら間奏では一転ヘビーな味わいになる所が聴き所。さらにそれが明けたところに何とPageによるペダルスティールギターをもフューチャーしている。

彼らの目がアメリカンロックにも向けられていた事を物語る素晴らしいアレンジだが、こんな曲を聴いてるとつくづく当時のアーティスト達の視界の広さに感心させられる。面白いな、やっぱ。

続くThat's The Wayも同じ流れを持つ美しいナンバー。Plantの雰囲気のあるヴォーカルを包むかの様に響くアコースティック楽器の数々が素晴らしい効果をあげている。本作のハイライトの一つだろう。

Bron-Y-Aur Stompはブリティッシュトラッドをロックアレンジした様な軽快なナンバー。ダブルトラックによるPlantのヴォーカルが光り、要所で入る手拍子や控え目にリズムを刻むBonhamのドラムなんかも手作り的な味わいを香らせててGood!っである。

 

 


Zep31.gif (14678 バイト)

1 . Immigrant Song
2 . Friends
3 . Celebration Day
4 . Since I've Been Loving You
5 . Out On The Way
6 . Gallows Pole
7 . Tangerine
8 . That's The Way
9 . Bron-Y-Aur Stomp
10 . Hats Off To (Roy) Harper

 

 

 

 

 

 

 

Zep32.gif (6625 バイト)

長いUSツアーを彼らを
更に成長させることに....

(1999.12.26 再更新)

 

 

 

 

 

〜関連アルバムの簡単な紹介〜
Led Zeppelin / BBC Sessions

デビュー直後の69年の音源と4枚目のアルバムを発表直前の71年の
BBCライヴの音源を正規発売した2枚組。

1枚目にあたる69年のライヴではトップバンドへ上り詰めた彼らのテンションが
スタジオライヴという枠を超えて伝わってくる貴重な音源。

選曲面でもまだまだレパートリーが手薄だった為か、未発表ものの
カヴァー何かも入ってて興味深い。特にロカビリーナンバーの
Somethin' Elseなんかをクソ真面目にやる彼らの可愛い側面も覗けたりする。

2枚目は71年のスタジオライヴをボリューム満点で収録。
ダイジェスト版ではあるが、この時期のZEPのスタジオライヴを
正規盤で通して聴けるのはやはり貴重。

名曲Srairway To Heavenの発表前の演奏も収録されている。

ZepBBC.gif (3489 バイト)

 

 

 

 

 

 

 

順路はこちら(工事中)
Led Zeppelin / Houses Of The Holy へ!

 

 

 

 

 

〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

CNS&Y / Deja Vu
Robert Plantはアメリカンロックがお好き

CSN1.gif (21932 バイト)

 

 

 

 

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