Derek And The Dominos /
Layla And Other Assorted Love Song <1970>

おすすめ度★★★★★★


Eric ClaptonがDelaney & Bonneyに参加した際に意気投合したBoby Whitlock(key)、Carl Radle(b)、Jim Gordon(d)と結成したバンドDerek And The Dominosの唯一のスタジオ録音盤。

アルバムには4以降の全てのトラックで、アトランティックのスタジオミュージシャンから自身のバンドをスタートさせたDuane Allmanが参加している。(多分、Tom Dowdの紹介でしょうね)

ガッチリと組んだ最強のリズム隊(っと僕は思う)と音楽的リーダーと思えるBoby Whitlock、さらに既にアメリカを代表するブルースギタリストへと成長しつつあったDuane Allmanをバックに、Claptonは理想に近い音楽への実現を感じながらノビノビとプレイしてるかのように聴こえる。

完全なフロントマンとして自身の音楽への追求へひた走った70年代中期のClaptonも最高だけど、やはり彼はギタリストだと信じている僕にとっては、間違いなくClaptonの最高傑作とオススメしちゃいます。

また前作で自身をつけたヴォーカルにも磨きがかかり、随所で渋い声を披露。決して今ほど洗練されてはいないが、不器用に響く彼の声もまた、イイ。

タイトル曲は親友のGeorge Harrisonの妻パティへの愛情表現だった事は有名な話で、この後に実際にパティを奪ってしまうのも有名な話。それでも後年まで仲の良かった二人は偉大です。

さらにこの曲を共作しているJim Gordon(エンディングのピアノの部分かな?)は、現在服役中との事で....世界中で5秒に1回はラジオでオンエアされるというこの曲のお陰で服役中でありながら、印税ガッポガッポだそうです。ホントかなぁ?

そのタイトル曲が異常な程に有名ですが、タイトル通り、その他の曲達も愛情に満ちた素晴らしい楽曲が揃っており、カヴァーも最高。特にFredy King10は出色の出来栄え。

この後Domisonsは英米のツアーを敢行。71年にはBoby Whitlockのソロアルバムの製作と並行してセカンドアルバムの録音へと活動する予定であったが....

ほぼ完成直前でClaptonとJim Gordonとの仲違いにより、あっさり分裂してしまう。とても勿体無い話である。

現在ではBOX SETのCross Roadで、そのセカンドセッションの完成テイクが少しだけ聴ける。さらに本作自身も91年にリマスターに加えて、アウトテイクと未発表曲、さらにジャムセッションを網羅した3枚組としてBOX化されている。特に3枚目のジャムセッションはファン必須アイテム。

僕自身も中学時代にファンだった長渕剛のCDを友人に売りまくって、その足で購入に走る。人生最大の好判断だった気がするなぁ。(長渕ファンの皆さん、ゴメンネ)

 

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

アルバムは非常に地味な I Looked Awayで静かに幕を明ける。この時点で当時のファンは驚いた事でしょう。僕自身も初めて聴いた時は、1曲目からいきなり飛ばしてしまった気がします。しかし!今では本当に好きな曲。

ClaptonのCoolな声と美しいギターの音色、途中からのWhitlockの濃い声。そして少しオールディーズの様な曲調。どれをとっても最高ですね、この曲がアルバム全体のトーンを象徴してる気がします。

そして男臭いBell Bottom Blues、はアルバムの中でも屈指の美しさと切なさを兼ね備えた名曲。

少しGeorge Harrisonの様な曲の進行からThe BandのRobbie Robertsonを思わすピッキングハーモニクスを多用したギタープレイまで、シンガーとしてもプレイヤーとしてもソングライターとしても成長したClaptonが味わえる好トラック。

男臭いと言えばNobody Knows Yo When You're Down And Outも負けてはいない。悲し気にむせび泣くAllmanのギターとClaptonの気合の入ったヴォーカルが聴き所。堪らなく落ち込んだ夜は、ウィスキーでも飲みながら歌いたくなるナンバー。

途中からフェイドインしてきて、いかにもセッション的な味わいで迫るブルースナンバーKey To The Highwayもイイ。

Creamが解散してから、しばらくブルースナンバーに対するコンプレックスの様なものが感じられたClaptonだったが、ここではAllmanも加えてとてもリラックスに演奏してるのが目に浮かぶ。

タイトル曲と並んで最大のハイライトと言えるがWhy Does Love Got To Be So Sadだ。アップテンポな曲調に乗ってClaptonのヴォーカルもAllmanによるリードギターも冴えまくっている!理屈抜きのカッコ良さが存在するナンバーだ。

Fredy KingのカヴァーであるHave You Ever Loved A Womanも出色の出来。当時のClaptonの心境をあらわにしたような選曲だが、ここで聴かれるギターは最高にブルージィでFredyへの傾倒振りも発揮している。ソロ時代も盛んに取り上げたお気に入りのナンバーだ。

親友のJimi Hendrixの名曲 Little Wingも好トラック。味わい深さではオリジナルに引けを取ってしまうものの、やはりここでは二人のブルースギタリストの共演が光りまくっている。ユニゾンで進むヴォーカルもイイ。

どうもBuddy HollyがやっていたのをカヴァーしたらしいIt's Too Lateも大好き。Blind FaithでもBuddy Hollyを取り上げていたClaptonの意外な側面を見る事の出来るナンバーだ。50'sな乗りも自然に溶け込ませる所に彼らの懐の深さを感じますね。

そして何と言っても Laylaは、Rock史に残る名曲でしょうね。Allmanのスライドギターも最高に鳴いている。この曲に関してのAllmanの貢献度は計り知れないでしょう。特にエンディングにおけるスライドプレーは最高です。まあ、文句無しの名曲です。

そして前曲からの華麗なエンディングに続くかの様なThorn Tree In The Gardenも、とても味わい深い曲。何か雰囲気違うなぁ〜っと思ってたら、実はBoby Whitlockが歌ってたんですね。気付いてなかったです....

僕はいつもI Looked Away、Bell Bottom Bluesに誘われてこのアルバムを手にし、Thorn Tree In The Gardenを求めて最後まで聴いてしまいます。味わい深いですよね。

 


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1 . I Looked Away
2 . Bell Bottom Blues
3 . Keep On Growing
4 . Nobody Knows You When
You're Down And Out
5 . I Am Yours
6 . Anyday
7 . Key To The Highway
8 . Tell The Truth
9 . Why Does Love Got      
                 To Be So Sad
10 . Have You Ever      
               Loved A Woman
11 . Little Wing
12 . It's Too Late
13 . Layla
14 . Thorn Tree In The Garden

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Derek & The Dominos
featuring Duane Allman !!

最強です..

(2000.1.15 再監修)

 

 

 

 

 

〜関連アルバムの簡単な紹介〜
The Layla Sessions Anniversary 20TH Edistion

僕が高校時代に人生最大の好判断により購入したLaylaボックス。
未発表テイクやJAMセッションも加えた3枚組みで、最近気付いたのですが
1枚目の本編もリミックスが施されている。

僕は高校生の頃にこのボックスを購入して愛聴してきたので、このボックスの
1枚目のミックスがオリジナルと、ずぅ〜っと思ってました。^^;
最近安く出てる「リマスター盤」の方を購入して「あらら、これがオリジナルだったのねん」っと
これもある意味ショックを受けました。

未発表テイクの方はとにかく生々しい彼らのスタジオテイクを聴くことが出来る。
同じ曲が数曲入っているという構成ではありますが、そこはClapton。
全てギターソロが違います!!

また有名なMean Old Worldなどは3テイク程違うアレンジで収録、Tell The Truthの
JAMセッションも鳥肌モノだ。

3枚目はAllman Brothers BandとClaptonの共演も含む怒涛のJAMセッション集。
歌いれなしでココまで聴けるモノは他に存在しないであろうと思われる
素晴らしい演奏が堪能できます。

これは是非買いでしょう!!

 


 

〜関連アーティストの簡単な紹介〜
Jimi Hendrix

Jimi Hendrix、説明不要の伝説的Rockアーティスト。だから説明しない....
ってんじゃなくて、勿論僕も大好きで良く聴くのですが、まだ探求度が充分で無いと感じますので
ここではエラそうな事を書かない事にします。コアなファンが多いのでちょっと気が引けますね。

只、僕がここで言えるのは「Hardで破壊的なJimiも好きですが、知的で味わい深いJimiが最高」
って事です。ステージでギター燃やしたりしたモンだから、イメージがそれに固執しがちですが
繊細で壊れそうなJimiが大好き!だからフェイバイットはElectric Ladyland。

ClaptonとはCreamの時代から付き合いがあったみたいで、Sunshine Of Your Loveも
レパートリーにしていた期間もあったみたいです。ワウワウペダルなんて使いだしたのは
Jimiの影響だと言われています。

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〜関連アルバムの簡単な紹介〜
Boby Whitlock / Boby Whitlock

Dominosのセカンドセッションと平行して録音されたという、名作の呼び声高い
Bobyのソロファースト。エラく評判が良くてDominosのセカンドと並行したと言う事で
「Claptonが歌わないDominos」を期待してしまって、少し肩透かしを食らったアルバム。

録音時期はDelaney & Bonnieへの参加時からGeorge HarrisonのAll Things Must Pass
参加した時、Dominosのセカンドセッションとバラバラ。よってメンバーもバラバラとなって
いるから、いつもアルバムには「一貫した音」を期待する僕には、少し不満。

しかしそれぞれの時期のメンバーはもちろん豪華そのもので、Jim KeltnerからBoby Keys
Dominosのメンバー、そしてGeorge Harrisonと来ている!

「Claptonが歌わないDominos」という夢の様な僕の期待を見事にかなえてくれたのは
The Scenery Has Slowly Changedだった。ここでの丸いトーンのギターはきっとClaptonだろう。
華麗なプレーを披露している。(ちょっとGeorge Harrisonみたい)

また「Georgeが歌わないAll Things Must Pass」って感じのBack In My Life Againや
Delaney & BonnieのTogetherでも取り上げられたCountry Lifeの後半部分だけの
再録テイクなどやっぱり聴き所は一杯。

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順路はこちら
Dominos Live At Fillmoreへ!

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ちょっと寄り道
Duane Allman コースへ!

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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

George Harrison / All Things Must Pass
Dominosのメンバーも参加したGeorgeの名作

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The Band / Music From Big Pink
Claptonが影響を受けた伝説的アメリカンバンド

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