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artist : NINO OLIVIERO, AND RIZ ORTOLANI
title : 『 MONDO CANE (A DOG'S WORLD) 【世界残酷物語】』
release : 1963年
label : CAM SOUNDTRACK
tracks ( cd ) : (1)LIFE SAVERS GIRL (2)L'ISOLA MALEDETTA 【呪われた島】 (3)RAGAZZE E MARINAI 【少女と水兵】 (4)HONG KONG CHA CHA CHA 〜 COLAZIONE AL COLONY 【香港チャ・チャ・チャ 〜 コロニーで朝食を】 (5)L'ULTIMO VOLO 【最後の旅〈モア〉】 (6)DOG MEAT (7)CHINA TARANTELLA 【中国人のお葬式】 (8)I PESCATORI DI RAGJPUT GLI SQUALI 【ラジプトの漁師のサメ漁】 (9)TI GUARDERO' NEL CUORE (INSTRUMENTAL VERSION) 【ブルーのモデル〈モア〉】 (10)FREE WAY (11)CASA DELLA MORTE 【死の家】 (12)IL PURGATORIO 【苦悩】 (13)REPABHAN STRASSE 【レーパーバーン通り】 (14)LA FORCADA (15)CARGO CULT (FINALE DEL FILM)
tracks ( analog ) : side A... (1)〜(8) / side B...(9)〜(15)
music by NINO OLIVIERO,RIZ ORTOLANI.
orchestrated and conducted by RIZ ORTOLANI.
producer : 不明
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(1)LIFE SAVERS GIRL  ▲tracks
 原題 『 MONDO CANE 』 の直訳、“犬の世界”の通り、イヌの鳴き声から始まるオープニング・ナンバー(1)。しかし、“イヌ云々…”はほんの初めのS.E.のみで、その後はストリングスの優雅さが引き立つマーチっぽいのリズムの壮麗な曲になっているので、「世界残酷物語」という邦題はこの時点で“一度”どこかへ消えてしまう。
 『 …UNTIL WE'RE FARAWAY 』 で紹介した、ピエール・バルーとドミニク・バルーによるデュエット曲「LA NUIT DES MASQUES 【仮面の夜】」(『 VIKING BANK 』 に収録)に似た雰囲気の、ほの明るい感じの優しさが好感触。


(2)L'ISOLA MALEDETTA 【呪われた島】  ▲tracks
 前曲とはうって変わって、「全宇宙の悲しみが一人の人生に一遍に訪れたらこのくらい悲しくなるのかな…」と思えるほど、あまりに悲しすぎて怖いくらいの曲(2)。いかにも悲しげなストリングスが無伴奏の中奏でられ、それが一段落すると、映画 『 猿の惑星 』 のパート2で、地下に潜伏した蒼白の人間達が歌う、異教徒的なコーラスを想起させるような分厚いコーラスがオーケストラと共に“グワ〜〜ッ”と襲い掛かってくる。
 (1)で「世界残酷物語」という邦題が“一度”消えると言ったのは、この(2)ですぐに思い起こされてしまうから。こんな悲しい曲がよりによって2曲目とは。もう少し後の、5、6曲目ぐらいにしてほしいものだ。
 あまりの怖さに、以前、一度だけ聴かされたことのある怖い曲「チコタン」を思い出してしまった。この「チコタン」という曲、(2)とは曲調自体は全然似ていないのだが、確か“チコタン”という女の子がトラックにはねられて死んでしまうという設定を、児童合唱団が歌うというものだったと記憶している。職場で徹夜していた時に「この曲、怖いから聴いてみて」と言われて、興味本位で聴いたのが運の尽き、ホントに怖くなってしまった。…でも、もう一度聴いてみたい気もする。


(3)RAGAZZE E MARINAI 【少女と水兵】  ▲tracks
 再び“前曲とはうって変わって”、16分音符で軽やかに流れるストリングスが印象的な、2拍子の(3)。ミュートしたトランペットやその他の楽器が小粒ながらも気品のあるメロディーを奏で、全体的にとても上品な躍動感に溢れた仕上がりになっている。(2)で言った曲順の話を再び持ち出すとしたら、せめて(1)の次はこの(3)にして欲しかった。


(4)HONG KONG CHA CHA CHA 〜 COLAZIONE AL COLONY 【香港チャ・チャ・チャ 〜 コロニーで朝食を】  ▲tracks
 賑やかなチャ・チャ・チャのリズムの(4)。途中幾度か聴かれる“ドォ〜ン!”というティンパニ(と思われる)がユーモラス。終盤には、ルーズでブルージーなジャズのアレンジが待っているのだが、そこで聴かれるワウ・ワウ・ミュートを使ったトランペットもユーモラスでいい。


(5)L'ULTIMO VOLO 【最後の旅〈モア〉】  ▲tracks
 (1)のヴァリエイション(5)。しかし、この(5)は打楽器なしのバラード仕立て。ヴィブラフォンやストリングス、ハープ、女声コーラスがとてもドリーミーな雰囲気を醸し出す。得も言われぬ優しさに包まれたナンバー。
 宮本啓氏のライナーに拠れば、この(5)や(9)の副題が〈モア〉となっているのは《ライナーでは(3)になっているが、タイトル、曲調からして(9)のはず》、“イギリス人ノーマン・ニューウェルが英詞と曲名を考え、独立曲としても通用するように仕立て”、“独立曲になった「モア」は最初イギリス人歌手ダニー・ウィリアムズによってレコーディングされ、次いでカバー・レコードが次々に登場(その中でアンディ・ウィリアムスのヴォーカル盤の人気が高い)、スタンダード曲になっていった”のだそうだ。


(6)DOG MEAT  ▲tracks
 トラジック過ぎた(2)を、ミゼラブルなワルツにアレンジした(6)。マンドリン(のはず)のトレモロ奏法がホロリと涙を誘う。まるで、ある旅芸人一座が古びた幌馬車でヨーロッパの細い街道をトボトボと進んで行くかのような、うら寂しさに溢れた曲。ピエール・バルーの 『 サ・ヴァ,サ・ヴィアン 』 に収録されていても違和感がないのではないだろうか。『 …UNTIL WE'RE FARAWAY 』 で紹介したジャック・トリーズの「ELIE'S LAMENT」(『 MAITRO THE TRUFFLE MAN 』 に収録)の雰囲気が好きな人なら、おそらく気に入ってもらえると思う。


(7)CHINA TARANTELLA 【中国人のお葬式】  ▲tracks
 凛々しく激しいリズムの中に、ほんの少し中国らしい旋律が見え隠れする(7)。幾分速めのテンポで行進するかのような雰囲気に背筋がシャンとなるかと思えば、すぐにコミカルな展開に。1分半にも満たない、あっという間の一曲。


(8)I PESCATORI DI RAGJPUT GLI SQUALI 【ラジプトの漁師のサメ漁】  ▲tracks
 はじめは切々としたヴァイオリンの調べが続き、もの悲しい雰囲気に包まれるが、途中からはもの凄い非常事態が起きたかのような、メガトン級のオーケストラ攻撃が怒涛の如く押し寄せる(8)。やはり(2)のヴァリエイションだけはある。油断は禁物だ。


(9)TI GUARDERO' NEL CUORE (INSTRUMENTAL VERSION) 【ブルーのモデル〈モア〉】  ▲tracks
 ラウンジ的なフレイヴァーに溢れ、とてもユッタリと静かな(9)。そよ風のようなストリングスと木漏れ日のようなピアノが、前曲でチヂミあがった心をス〜ッと元に戻してくれそう。しかし途中で転調するので、寛いだ中にも静かな高揚感がある。(5)に続いてこの(9)も(1)のヴァリエイション。


(10)FREE WAY  ▲tracks
 (2)をちょっとゴージャスなジャズにアレンジした(10)。途中から分厚いコーラスが絡んで、なにやら大仰な雰囲気になっていく。このコーラスの雰囲気、どこかで聴いたことがあるなと思ったら、マックス・ローチの 『 IT'S TIME 』 のコーラスの雰囲気に結構似ていることに気が付いた。


(11)CASA DELLA MORTE 【死の家】  ▲tracks
 厳粛で重いムードを持った(11)。ティンパニの連打と悲壮なストリングスのバックで隠し味的に鳴るオルガンに、何となく教会音楽的な要素が感じられる。それと同時に、映画 『 パリのめぐり逢い 』 のサウンドトラックに収録されていてもおかしくないようなヨーロッパっぽさも感じられる。片やフランス、片やイタリア。お国は違えどキリスト教圏内〜ヨーロッパ圏内であることには変りないということだろうか。


(12)IL PURGATORIO 【苦悩】  ▲tracks
 (11)を静かめなビートのラテン・ナンバーに仕上げた(12)。こちらは主旋律楽器としてサックスをフィーチャーし、ムーディーな雰囲気を醸し出している。ベースのリズムはハバネラ(“ドゥーントゥ・ドゥン・トゥン”という感じ)。


(13)REPABHAN STRASSE 【レーパーバーン通り】  ▲tracks
 (1)を壮麗で優雅なワルツにアレンジした(13)。豪華な舞踏会を連想させる。基本的にはストリングスがメインなのだが、鉄琴(よく鼓笛隊で立ったまま演奏している鉄琴〜“ベルリラ”かも)が煌びやかさを演出していて印象深い。アコーディオン(系の楽器)が出てくる辺りは、安直ながらフランスを連想してしまう。


(14)LA FORCADA  ▲tracks
 オーケストラが幅を利かせた、モロ“闘牛のテーマ”っぽい(14)。“ジャンジャカ・ジャンジャカ”としたリズムは、否が応でも聴き手の胸を熱くする。オーケストラをバックに、孤独なトランペットが高らかに旋律を奏でている辺りなどは、年配の方はイチコロなのでは。何で活躍しているかは分からないが、とにかく、誰かが大活躍している姿が目に浮かぶ。あんなに暗い(2)でも、アレンジ一つでこんなにグッとくる曲になってしまう。


(15)CARGO CULT (FINALE DEL FILM)  ▲tracks
 お次も(2)のヴァリエイションで、(8)に近いアレンジの(15)。しかし、こちらには“メガトン級のオーケストラ攻撃”はなく、切々としたストリングスのセクションの後、トボトボ系のリズムにチェンジ。タイトルから察するに、この映画のクロージング・テーマか。


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