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artist : FRANCIS LAI
title : 『 VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】』
release : 1967年
label : DISC AZ
tracks ( cd ) : (1)VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】(インストゥルメンタル) (2)THEME DE CATHERINE 【カトリーヌのテーマ】 (3)THEME DE CANDICE 【キャンディスのテーマ】 (4)VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】 (5)DES RONDS DANS L'EAU “NOW YOU WANT TO BE LOVED” 【恋の波紋】 (6)THEME DE CATHERINE 【カトリーヌのテーマ】(アコーディオン) (7)THEME DE ROBERT 【ロベールのテーマ】 (8)VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】(アコーディオン) (9)AWOURD'HUI C'EST TOI “ALL AT ONCE IT'S LOVE” 【今日、貴方が】 (10)ZOOM (11)VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】
tracks ( analog ) : 未確認
singers : ANNIE GIRARDOT 《(5) in french》,NICOLE CROISILLE 《(5) in english》,LOUIS ALDEBERT (9).
producer : 不明
related website : 『 SITE OFFICIEL || FRANCIS LAI 』(公式サイト)




 本作と並んで名作の誉れ高い 『 UN HOMME ET UNE FEMME 【男と女】』 、どちらを紹介しようか迷ったが、知名度的に若干劣る本作にすることにした。巷での 『 男と女 』 のテーマの安易な使われ方も気に入らないし。


(1)VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】(インストゥルメンタル)  ▲tracks
 出だしのオルガンが醸し出す、甘美だけど物憂げな昼下がりの空気感。続くピアノの瑞々しい響き。様々な感情が渦を巻いて呼び起こされてくるような名曲(1)。テーマ部分は、同じ作曲家だけあって何となく 『 男と女 』 と似ている。因みに、僕はパソコンの起動するときの音楽にはこの曲のイントロを、スイッチ起きる時の音楽にはアウトロを使っている。


(2)THEME DE CATHERINE 【カトリーヌのテーマ】  ▲tracks
 痛みに満ちたトランペットで始まる、悲しげな曲(2)。途中のストリングスからは4分の5拍子(3拍子+2拍子)になる。 『 男と女 』 のテーマ曲もそうだけど、このフランシス・レイという人は“3拍子+何拍子”のような形で曲を作るのが巧い。フランスを象徴するリズムといえばワルツが真っ先に挙げられるが、彼はワルツを大事にしつつも、それに留まらない可能性を追求したかったのかも知れない。


(3)THEME DE CANDICE 【キャンディスのテーマ】  ▲tracks
 分厚く、重い雰囲気のストリングス、ドラマティックなピアノが、暗雲立ち込める波乱に満ちた雰囲気を感じさせる(3)。途中からその雲間から光が差し込むような展開になったりする。この曲もフランシス・レイの特徴が出ていて、“3拍子×5”の単位で進行していく。


(4)VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】  ▲tracks
 (1)のヴァリエイションの(4)。オルガンをバックにエレキ・ギターが旋律を奏でる。(1)よりものどかな昼下がりといった雰囲気。


(5)DES RONDS DANS L'EAU “NOW YOU WANT TO BE LOVED” 【恋の波紋】  ▲tracks
 ストリングスの不協和音が不安感を煽ったかと思うと、突然のどかなギターのアルペジオ。ちょっとフランク・シナトラのあの有名な「マイ・ウェイ」にも似た名曲(5)。このままのどかなままに進むと思いきや、歌メロはそのままにバックはピアノの低音をゴインゴイン言わすような荒っぽい展開もあり。歌詞に合わせたのだろうか。
 その詞の内容は、“小川のほとりで生まれ育った子供は、その小川で波紋を作って遊んでいた。やがて彼は野望を胸に都会へ出て行く。しかし、その胸には小川を愛でる心も忘れずにある。そして、彼はいつか懐かしい故郷に帰ってきて、小川で波紋を作って遊んだ。幼い頃と変らない自然は彼を愚か者と笑うだろうが、本当の愚か者は村を出ないまま小川で波紋を作っていたよ。”というもの。なんだか鮭の仲間みたいな話だが、言わんとすることは分かる。それにしても、邦題の 【 恋の波紋 】 というのはオリジナルの詞には出てこない内容なのに。この映画用にちょっと変えてあるのだろうか。
 歌はフランス語と英語とに分かれていて、フランス語はアニー・ジラルドによって、英語はニコール・クロアジールによってそれぞれ歌い分けられている。元々は 『 男と女 』 にも出演していたピエール・バルーの曲。しかし彼のアルバム 『 VIVRE 』 に収録されたのは本作よりも後。そちらでの邦題は 【水の中の環 】 。


(6)THEME DE CATHERINE 【カトリーヌのテーマ】(アコーディオン)  ▲tracks
 (2)のヴァリエイション(6)。オルガンによる独奏。ブックレットの曲目には“アコーディオン”と記されているのだが、どう聴いてもオルガンに聴こえる。


(7)THEME DE ROBERT 【ロベールのテーマ】  ▲tracks
 前曲の続きのようにオルガンで始まる(7)。少しすると、重めのピアノやストリングスが出てきて、何か運命的な出来事が起こっているような程ドラマティックな展開に。


(8)VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】(アコーディオン)  ▲tracks
 再び(1)のヴァリエイション(8)。この曲も“アコーディオン”。オルガンだっちゅ−の!いや、意外にもフランス特有の“電子アコーディオン”なんていうモノがあったりして。確か、フレンチ・ポップスを特集した番組で、フランシス・レイが使っていたスタジオに、ボタン式(アコーディオンの左手で押すボタン)のシーケンサーがあったくらいだから(鍵盤じゃない!)。


(9)AWOURD'HUI C'EST TOI “ALL AT ONCE IT'S LOVE” 【今日、貴方が】  ▲tracks
 本作中にあって最も毛色の違う、'60s ビートな(9)。メケメケとしたエレキ・ギターのフレーズにGS魂を感じる。が、歌は比較的淡々と進行していく。この曲は全く違うアレンジで 『 男と女 』 でも(というか、そちらの方が先)使われている。


(10)ZOOM  ▲tracks
 この曲も'60s ビートな(10)。しかし、こちらは朗らかでポップ。やる気のなさそうな男声スキャットに、高らかな女性の笑い声。何かの本で読んだような気がするのだが、確かここで笑っているのはシルヴィー・ヴァルタンらしい。


(11)VIVRE POUR VIVRE 【パリのめぐり逢い】  ▲tracks
 最後は三度目の(1)のヴァリエイション(11)。ハスキーな女声スキャットがテーマを歌う。アコースティック・ギターやヴィブラフォンも加わって、(1)とも違った味わいがある。


 名作 『 男と女 』 や ピエール・バルーの 『 VIVRE 』 とは楽曲をいくつか共有している本作は、『 男と女 』 とは姉妹関係、『 VIVRE 』 とはいとこの関係にあるような気がする。


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