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artist : JIMI TENOR |
title : 『 INTERVISION 』 |
release : 1997年3月 |
label
: WARP
RECORDS |
tracks ( cd ) : (1)OUTTA SPACE (2)DOWNTOWN (3)SUGERDADDY (4)NEVER SAY IT ALOUD (5)CAN'T STAY WITH YOU BABY (6)TESLA (7)CARAVAN (8)WIPING OUT (9)SHORE HOTEL (10)NOBODY'S PERFECT (11)ATLANTIS |
tracks ( analog ) : 未確認 |
members : ILKKA MATTILA,guitar(1,8,9) : JOGI KOSONEN,guitar(8) : MARCO KOSONEN,trumpet(1,8,11) : TAPANI RINNE,baritone sax(1,11) : TUOMO PURANEN,double bass(11) : CALORINE BOADEN,drums(1,2,10,11). |
producer : JIMI TENOR |
related website : 『 tenorvision 』(公式サイト) |
地元で変わった活動をしていた渡辺琢磨(灰野敬二のライヴに行くといつも観にきていた)というキーボーディストが、小さな喫茶店でリトル・クリーチャーズのメンバーらとライヴをやるというので足を運んでみたところ、演奏前のS.E.としてこのジミ・テナーの「CARAVAN」をかけていた。僕がジミ・テナーを耳にしたのは、その時が初めてだった。その時はジミ・テナーの名前すら知らず、むしろ渡辺琢磨の自作の曲かと思ってさえいた。 |
ところがそれからちょっとした頃だと思うが、何かのアルバム・レヴューで本作を知り、聴いてみたら、あの「CARAVAN」が収録されているではないか!まさかこんな風に再会するとは思ってもみなかった。そして、それ以上に負けていない他の楽曲もとてもナイスで、凄く得した気分だった。 |
(1)OUTTA SPACE ▲tracks |
そのナイスな感覚は(1)の出だしから既に始まっていた。忍び寄るようなシンセ・ベースとサックスによる少し長めのイントロから、にわかにホーン類が増えてルーズにグルーヴしていく。どこかゴージャスでありながら、近未来的・都会的に洗練されたサウンド。 そのうち本人の地声と、オクターブ上の声のユニゾンによる歌も出てくる。部分的にロボ声になる所もある。 |
(2)DOWNTOWN ▲tracks |
テクノ・ジャズ・ワルツとでも言うべき(2)。「DOWNTOWN」(繁華街)というよりも、野良犬がウロつく裏通りのような雰囲気の曲。基本的には2コード+α(ちょっとだけ半音上がる所はある)だけど、リズムに合わせてジミ・テナーの声と思しきポエトリー・リーディング(ラップという感じではない)が絡んできたり、メチャクチャなシンセ・ソロ、サックスやフルートのフレイズが入ってきたりする。 |
(3)SUGERDADDY ▲tracks |
太目のシンセ・ベースによるリフレインとハンド・クラップの“行進”に段々と圧殺されるかのような(3)。途中で少しくらいは変化するだろうと思ったら、7分強の間中、一向に変わらないベース・ライン。ここでも壊れ気味のシンセ・ソロが登場。今にも泣きそうなジミの歌も有り。 |
(4)NEVER SAY IT ALOUD ▲tracks |
切ない雰囲気では本作一の、R & Bのような(4)。基本のメロディーをサックスやフルートやシンセが代わる代わる奏でていく。ジミのシンプルな歌やサックス・ソロ、そして近未来的で切ないシンセ・ソロもいい。 |
(5)CAN'T STAY WITH YOU BABY ▲tracks |
4分打ち系のテクノ(5)。とはいえジミの歌があるので純粋なテクノという感じではないが、かといってハウスともいえない気がする曲。派手にハイ・ハットが開かせないせいか、ダンス・ミュージックとして次のステップに繋がっていかないような感じがするのだ。だからといって悪いわけではなく、これがジミ・テナー流なのだと、納得できてしまう。 |
(6)TESLA ▲tracks |
不遇の天才科学者〜ニコラ・テスラの名を冠した(6)。暗闇にボンヤリと浮かぶような楽器群が、絶妙の雰囲気を醸している。この曲を聴いていると、テスラが研究している様と、裏ジャケットのジミの写真(作曲中?)の雰囲気がダブって見える気がしてくる。 |
(7)CARAVAN ▲tracks |
冒頭に出てきた(7)。本作中の他の曲は、少々イクセントリックながらもクラブ・ミュージックに収まりそうなのに対して、この曲だけは実験色の濃いサウンドとなっている。音色はシンプルながらも様々なパターンを組み込んだリズム・トラックに、割れ気味のオルガンが乗っかって、とても“電子”を意識させるサウンドになっている。とにかくクールの一言。 |
(8)WIPING OUT ▲tracks |
ホーン・セクション総出のセンセイショナルなイントロに続いて、ヒップ・ホップ的なビートになる(8)。この人って、半音ずつ上がったり下がったりコード進行が結構好きみたいで、この曲もそう。ある部分では 『 INNERVISIONS 』 の頃のスティーヴィー・ワンダーのセンスに通じるものがある。 |
(9)SHORE HOTEL ▲tracks |
比較的単調ながらも宇宙的なバック・トラックに乗せて、ジミが狂ってしまったかのような歌い方みせる(9)。喉の奥から何か出てくるんじゃないかという気さえしてくる。 |
(10)NOBODY'S PERFECT ▲tracks |
ウネるベース、スウィング気味のユッタリとした8ビートに乗ってサックスやオルガンのソロを展開する(10)。ちょっと探偵もののサウンドトラックの、主人公がジワリと焦るシーンにでも使われそうなスリリングな曲。 |
(11)ATLANTIS ▲tracks |
この曲も探偵ものやブラック・シネマのサウンドトラック向きの(11)。とりわけ物語のエンディングちょっと前の、心地良い疲労感を表現したような、シブいけれども和める曲。何となく、カーティス・メイフィールドよりもリロイ・ハトソンが作りそうな雰囲気。 |
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