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artist : DONALD BYRD BAND & VOICES
title : 『 A NEW PERSPECTIVE 』
recorded date : 1963年1月12日
label : BLUE NOTE RECORDS
tracks ( cd ) : (1)ELIJAH (2)BEAST OF BURDEN (3)CRISTO REDENTOR (4)THE BLACK DISCIPLE (5)CHANT
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(2) / side B...(3)〜(5)
members : DONALD BYRD,trumpet ; HANK MOBLEY,tenor sax ; DONALD BEST,vibes ; KENNY BURRELL,guitar ; HERBIE HANCOCK,piano ; BUTCH WARREN,bass ; LEX HUMPHRIES,drums.
producer : ALFRED LION
arranger : DUKE PEARSON
voices directed by COLERIDGE PERKINSON.
related website : 未確認




(1)ELIJAH  ▲tracks
 本作の印象を決定的なものにしている(1)。「ダーーンダーンダーーーラーーー」と荘厳かつ、一歩間違うとちょっとマヌケ (慣れてくるとあまりマヌケとは思わなくなってくる) な出だしのスキャットによるテーマにまず圧倒される。その後ケニー・バレルのソロになると、そこは既にソウル・ジャズ。次にクールなヴィブラフォン・ソロ、続くサックス、トランペット、ピアノ・ソロを挟んで、ちょっと走り気味なテンポのまま再びテーマへ。そして最後はテンポを一気に落として、ピアノとタムとシンバルによる荘厳な演奏をバックに、コーラス隊が高らかに歌い上げ幕を閉じる。これだけ威厳があると、つい「凝った曲なのかな?」と思ってしまうところだけど、なんと3コード (Am、Dm、E7) 。そこを巧みなアレンジでぐいぐい聴かせてしまうところがニクイ。因みに「ELIJAH」とは牧師でもある父親の名前。


(2)BEAST OF BURDEN  ▲tracks
 一転してのどかな雰囲気の(2)。人によっては退屈な曲かも (僕もちょっと前までそうだった) 。でも、この退屈で伸び〜るカンジがだんだんと良くなってきます。よく晴れた11時から14時の間くらいに、日なたぼっこしながら聴きたい曲。


(3)CRISTO REDENTOR  ▲tracks
 5曲中一番葬儀向きな(3)。テンポは遅いけどもどことなく「ルパン3世」 (新しい方の) のテーマっぽい哀愁のメロディーを、バードのトランペットが朗々と歌い上げる名曲。バックのコーラス隊も雰囲気を盛り上げてくれる。この曲を作ったデューク・ピアソンは自分のリーダー・アルバム (『 HOW INSENSITIVE 』 ←これもゴスペルとブラジル音楽が混在した名盤!) でもこの曲を取り上げている。因みに、この曲はブラジルはリオのコルコヴァードの丘にそびえ立つ、白くて巨大なキリスト像を見て作ろうと思ったそうな。


(4)THE BLACK DISCIPLE  ▲tracks
 死後の世界を凄いスピードで旅しているような(4)。静かめなコーラスから一転、何かに追い立てられるように落ちていく感じ。本作で1番速くてスリリングな曲。彼がアフリカ音楽を研究する中から生まれた、というテーマのリズムが印象的。


(5)CHANT  ▲tracks
 そしてまたデューク・ピアソン作の(5)。本作の中で僕が1番好きな曲。この曲の出だしも(1)と同じく、“一歩間違うとちょっとマヌケだけど荘厳な”コーラスに導かれて始まるのだけど、圧倒されるというよりも癒される感じがする。この曲でのハービー・ハンコックのピアノ・ソロがいい。最後のテーマ部分が終わると、何か脱力感のようなものに包まれた気分に。


 「こんな作品は他にはあるまい」と思っていたら、コンセプトは多少違うものの、似たようなサウンドで約1年前にマックス・ローチが 『 IT'S TIME 』 という、コーラス隊を配したアルバムを録音していたのだ。そこでコーラスの指揮をとっていたのは、本作にも参加して指揮しているコールリッジ・パーキンソンなる人物。以前から交流があったとはいうものの、タイミング的に見てマックス・ローチの 『 IT'S TIME 』 がヒントになったと見るのは、あながち間違いではないような気がする。それとも、更なるヒントがあったりして。そういうアルバムがあれば聴いてみたい。

 蛇足ながら最後にもう一つ。車のライトの“どアップ”の後方に小さくバードが写るインパクトのあるジャケット写真 (アルバム・タイトル 『 新たなる遠近法 』 に掛けてる) は、ブルー・ノートの数々の名ジャケットを制作したリード・マイルズ (REID MILES) が自選No.1だというモノ。


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