CHICAGO

ライブハウス

ブルースマンがミシシッピ川を北上して目指したシカゴ、そして今もなおブルースの聖地として人々を惹き付けている街。

一つの街にこれだけ多くのブルース・バーが存在すること自体に、シカゴの底力を感じさせられます。比較的安全なエリアにあるお店は、一般に白人や観光客向けの印象を受けるところもあるかも知れません。また、すべてのバンドが本物というわけでもありません。しかしこの街では、ブルースの歴史にも、その現在進行形にも出会うことが出来るのは確かです。

ブルースの話ばかりしてきましてが、ジャズにとってもシカゴは重要な街でした。ソニー・ロリンズのバンドでギターを弾いていたボビー・ブルームが、この街で活躍しているという話だったので、滞在中に聴くことが出来ればと思っていましたが、残念ながら私の滞在中にはブッキングされていませんでした。


BUDDY GUY'S LEGEND

754 S. Wabash Ave. on Balbo
427-0333, 427-1190

開店; 4:00 pm
開演; 9:30 pm
週7日オープン

あまりにも有名なバディ・ガイの店。広い店内は、ダンス・スペースやビリヤード台を何台も置く余裕があるほど。食事のメニューも充実しているようで、スペアリブが好評なようです。 この店は苦労人バディのブルースに対する愛情と感謝の気持ちが現れている店で、全米から優れたミュージシャンを出演させる一方、セッション・デイを設けて若手への道を用意しています。私はそのセッションの日に行ってきましたが、若手の考えている今のブルースというものが垣間見れたような気がします。黒人のプレイヤーがその時演っていましたが、ギタリストはスティーヴィー・レイやジミ・ヘンに影響を受けたタイプで、中にはスティーヴ・ヴァイにも色気を感じているといった人もいました。リズム・パターン等に対する考えも柔軟で、ブルースかくあるべし、といった印象は薄かったです。ただ、どのようなプレイをしていても根底にブルースを感じさせていたのには、感心させられました。

この店に行った時の話。手洗いに行って戻ってくると目の前に巨大な黒い影が。

"バ、バディかい?"

と下手なシャレがノド元にまで上がってくるのを抑え、話し掛ける機会をうかがっておりましたが、生で見るバディの威圧感に正直圧倒されてしまいました。そんな私をよそにバディはステージ脇の席で若手の演奏に聞き入ったり、私も座っていたカウンターにやってきて次々に話し掛けてくる女性ファンと談笑しておられました。きっかけを探してちらちらとバディの方を伺っていたので、おかしなイエローがガンつけてると感じたのか、しばしバディに睨まれたような気がしてますます話し掛けにくくなってしまいました。そうこうするうちにバディは出来上がってしまって介添えと一緒にご帰還となった訳ですが、ツアーに出ていないときはこうしてここで酒を飲んでいることも多いというお話です。


BLUE CHICAGO

736 N. Clark St.
642-6261

開店; 8:00 pm
開演; 9:00 pm
日曜休み

どのインフォメーション・カウンターに行っても興味をそそるデザインのリーフレット等が置いてあるお店。ウォーター・タワーから徒歩の距離にあるのでとても便利。たまたま見たい人がブックされていなかったので私は入りませんでしたが、人気のお店であるようです。2号店が同じ通りの南寄りにあり、本家同様ダウンタウンにあるので、地元の人、観光客ともに人気があるようです。



KINGSTON MINES

2548 N. Halsted St.
477-4646

開店; 8:00 pm
開演; 9:30 pm
週7日オープン

シカゴ・ブルースの老舗B.L.U.E.Sの向いにあるクラブ。店内が2つに分かれていてステージがそれぞれにあり、毎晩2バンドがブッキングされています。片方のステージが演奏中はもう一方は休憩、となっているので、演奏している方を求めて行ったり来たりするも良し、休憩中の方に早めに回って良い席で次のステージを観るのも良しで、閉店が遅いこともありじっくりと楽しめます。タクシーの運ちゃんに、B.L.U.E.SとKingston Minesのある界隈へ、と言ったらKingston Minesの方が評判が良い、ということだったので2晩ほど行ってきましたが、2バンドのうち1バンドは両日供に良かったです。そこそこ広い店内ですが、出演者、曜日、時間帯によっては物凄く込み合うようです。また、ここのお店のMCはなかなかの顔役のようで、お下品なギャグから何からを連発して客席を盛り上げていました。


BLUES ETCETERA

1124 W. Belmont St.
525-8989, 549-9416

開店; 8:00 pm
開演; 9:30 pm
週7日オープン

B.L.U.E.Sの姉妹店。バディ・ガイの店と並んで音響設備のしっかりとしたクラブで、店内も整然としていました。ステージの真裏に2つのプール・バーがあって、ステージの進行とは無関係にプレイされたりしているのが日本との違いを感じさせます。私はオーティス・ラッシュを見にここへ行きましたが、やはり日本人の聴衆が他の店に行ったときと比べられないほど多かったです。オーティスは開演前まで店内をぶらぶらしており、私の隣にバンドのメンバーの知人がいたらしく、すぐ側にやって来て談笑しておられました。プレイの方はというと、昔の曲も新しいアレンジを加えたりしてファンキーでカッコ良く聴かせてくれ、私の大好きな歌もギターも相変わらず力強く、現代を生きるブルース・マンの鏡のようなステージでした。

私は参加できませんでしたが、このお店でもセッション・デイを設けています。そう言えば、邪夢のセッションで知りあったギターの千田哲彦君がシカゴに行った際そのプレイをオーティスに認められ、昨夏再渡米。暫くの間、オーティス・バンドで演奏をしていました。帰国後、度々一緒に演らせてもらっていますが、風格さえ漂うそのギタープレイにはいつも感心させられています。


他にも多数のクラブがありますが、私は行けなかったサウスサイドとウエストサイドの有名店を簡単に紹介します。上記の店と比べると治安の良いエリアではないので、気をつけて行動すべきようです。

CHECKERBOARD LOUNGE

423 E. 43rd St.
624-3240

開店; 11:00 am
開演; 9:30 pm
週7日オープン

マディやウイリー・ディクソンなどブルース界の巨人が出演していた歴史的なクラブ。


ROSA'S LOUNGE

3420 W. Armitage Ave.
342-0452

開店; 8:00 pm
開演; 9:30 pm
週7日オープン

ウエストサイドにあるフレンドリーなブルースクラブとのこと。良い演奏が聴けると評判も高いようです。


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