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わかりました。さて、現在デビュー・フル・アルバムのレコーディングが絶賛進行中だと思いますが、ドラマーをジョッシュ・フリースや、バウハウスのケヴィン・ハスキンス、オートラックスのカーラなど、NINのツアーで対バンしてきた人々にお願いしているようですね。固定のドラマーを置かずに色んな人材を起用するのには何か理由があるのですか?

Jeff:今のところは、固定したドラマーを置かないことを選んだんだ。俺達は長年音楽をプレイしてきて、すごく才能のある人達を大勢知ってる。だからとにかく色んな人に声をかけてみて、誰がうんと言ってくれるか試してみようってね。その大半から断られるんじゃないかと予想してたんだけど、ところが実際には誰もノーって言わなかったんだよ。そのおかげで俺達の方が、もっと曲を作らなきゃっていう雰囲気になるぐらいでさ。まあ、最終的にはドラマーを迎え入れることにはなると思う。UKツアーでは、レコードでも2曲プレイしてるロビーっていう友達のドラマーが叩いたんだけど、とにかく色んな人が入ってプレイしてくれるのはクールだよ。カーラはジョッシュ・フリースとは全く違うスタイルで叩くしさ。この前はブラック・レベル・モーターサイクル・クラブのニック・ジャゴーも、ここに来てプレイしてくれたんだ。彼もまた違うスタイルだし、素晴らしかったよ。俺はいなかったんだけど、バウハウスのドラマーも来たし。アーロンとシューマンは2人ともずっとバウハウスのファンだから、それだけでもクールなのに、曲を聴くと彼のプレイが聴こえてくるんだからね。

Aaron:ドラマーが来る前に、俺達は曲の大半を書き上げてるんだけど、この曲はこうでなきゃ駄目だってとこまで、かっちりと決めてるわけじゃないんだ。後から参加してくるドラマーには敬意を払ってる。だからジョシュ・オムやケヴィン・ハスキンスが参加することによって、それぞれのフィーリングや、ヴァイヴや、スタイルなんかを提供してくれることになるんだよ。俺達が「この曲は彼に合うんじゃないか」って思うと、その選択の大半はバッチリだね。ミュージシャンとして、俺達にとっても楽しいことなんだ。色々な違う人達とプレイすることができるからさ。カーラにジョシュ・オムに、ジョッシュ・フリースまで、みんな違うスタイルなのに、それでも曲全体は俺達のサウンドになってる。それによって、より楽しんで聴けるアルバムになるとも思うよ。とにかく作ってて楽しいんだ。大抵のバンドは曲をしっかり練習してからレコーディングに入るわけだけど、俺達は自分達のスタジオを持ってるんで、その部分は飛ばせるしさ。

以前のクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジに近い感覚なんでしょうかね?

Aaron:まあね。ただ、俺達の場合はドラマーに関してのみだけど。俺は、ラウドなドラムが入ってるレコードがずっと好きで、ドラムこそロックンロールの中でも、いちばん好きなパートだったんだ。ロックンロールはビートが肝心だからさ。エネルギーもセックスも、全てがビートから出て来るんだ。それを曲ごとに違うフィーリングでやれるっていうのは、俺にとってこのうえなくエキサイティングな経験なんだよ。

なるほど。さて、みんなワイヤーズ・オン・ファイアーやクイーンズ・オブ・ストーン・エイジとかけもち状態になるわけですが、どうやってジュビリーとのバランスをとっていくつもりですか?

Jeff:友達とも彼女とも遊ばないで時間を作るんだ。家族には嫌われるし、俺は彼女にも嫌われてるな。もう最悪だよ(笑)。バンドを毎日24時間。他に何もやらなければ、やっていけるさ。

Aaron:それが俺達の生き方なんだ。

Evan:マイケルなんて、さらにもうひとつバンドをかけもちしてるんだぜ。

Michael:ロック・バンドにいると、いつもパーティしてんのかとか思われるかもしれないけど、俺は音楽をプレイする以外のことは本当に何もしないんだ。でも、それが本当に好きでやってるんだよ。好きじゃなかったらやらないよ。ただ、人付き合いに割く時間がないんだよね。

Jeff:他に道はないからな。

Aaron:でも、俺の友達は全員ここにいるわけだし。これ以上、友達いる?

(笑)。アルバムはどんな感じになりそうか、もう少し教えてもらえますか?

Aaron:ヤバいよ。現時点で71.3%ぐらい完成してるんだ。

Jeff:昨夜の段階ではそれぐらいだったね。

基本的にEPで聴けるような路線なんですかね?

Michael:EPにある要素も入るけど……

Evan:同じバンドだし。

Michael:でも、フルレングスにはずっと多くの曲が収録されるし、まだ1度も聴いたことがないような俺達の側面も表れてくることになると思うよ。

ちなみに、トラヴィスはレコーディング現場に来て、いろいろ口を出したりするんですか?

Aaron:まさか(笑)。

Jeff:現場にはいるけど、口を出すことはないよ(笑)。

そうですか(笑)。でも、ここではトラヴィスもインタビューに加わってほしいんですが、音源のリリースに関して、CDやアナログ盤の販売に加え、オンラインでサインアップすると様々な特典があるような形もとるそうですね。CDとダウンロードが逆転しつつあり、音楽産業全体が激しく揺れ動く現在の状況下で、あなた方はインディペンデント・レーベルの運営者として、どのような戦略を持って臨もうとしているのですか?

Travis:俺達はデジタル・ストアを始めるんだけど、ジュビリーがそのシステムを使う最初のバンドなんだ。そのタイミングがすごく奇妙でさ、ちょうどジュビリーがシングルを完成させるってところで、レディオヘッドが彼らなりのことをやったんだよ。それで、俺の友人のイアン・ロジャースって男がヤフー・ミュージックに関わっているんだけど、彼に「俺達もレディオヘッドみたいなことができる場所がないかな?」って訊ねてみたんだ。多額のお金をかけずに済む方法はないかってね。そうしたら、いいとこを知ってるって言うんで、彼と一緒にトップ・スピンって会社に出向いたんだよ。そこで話をまとめたんだけど、このデジタル・ストアでは、アーティストは音楽以外にも、ヴィデオや写真、何から何まで販売できるんだ。歌詞も、ライヴ音源も、デモも、何もかもね。基本的にはファン・クラブみたいなもので、ファンに無料で音楽を提供することもできれば、売ることもできる。年間契約の仕組みもあって、すごく面白いよ。可能性は無限大だね。ただ、最初に俺達が使うことになるから、どこまでやれるかは未知数だけど、今のところかなりクールな感じさ。

Aaron:その方法だと、アーティストの手にコントロールを取り戻せるんだ。例えばiTunes Music Storeを使うと、1曲99セントって決まってしまう。でも何で、誰かに俺の曲の値段を決められなきゃならないんだって話だよ。もしも俺が一曲4セントにしたかったら、あるいは2ドル67セントにしたかったら、どうするんだ。どこかの机に座った馬鹿じゃなくて、俺が自分で決めるぜっていうね。

Travis:それにiTunesはパーセンテージを取りやがるし、他のデジタル・ディストリビューターも同じことだろ。オンラインに出すまでに2ヵ月かかったりもするしね。でも、この方法なら、例えば今夜デモを完成させて、30人のトップ・ファンに送りたいと思っても、それが可能なんだ。その夜のうちに無料で聴いてもらって、どう思う?って感想を尋ねることだってできる。あるいは、シングルが完成したらすぐアップロードして、世界中の人々が完成直後に購入することもできるよ。中間に入る業者がないから、マージンってものも無くなって、全てのお金はバンドに直接入ってくるし、素晴らしいね。でも、元々こうあるべきなんだ。そんなわけで、みんなはサインアップしてくれれば、ジュビリーがリリースする全てのシングル、全てのアルバム、それからライヴ・トラックやデモ、ヴィデオ、写真なんかも手に入れられるよ。

Aaron:俺達は、とりあえず今年は20ドルで、シングルとアルバムの全曲、他にもライヴ音源とか、ミュージック・ヴィデオ、写真なんかが手に入るような感じで決めたんだ。そして、年末には、その20ドルを払ってくれたファンにだけ、7インチをプレゼントする。そこに収録されるのは、他のどこにも出ていない、それだけのための限定曲になるよ。そういうことを毎年やっていく計画なんだ。ただ、そいつはあくまで俺達の決めた形であって、他のバンドは自分達のやりたいように様々な設定でシステムを動かせるようになってる。

Travis:アーティストが自分達の音楽をどんな風に売るかコントロールできるだけじゃなく、今後おこりうることも示唆してると思うし、とにかく新しくてエキサイティングだと思うよ。

なるほど。トレント・レズナーも……

Aaron:誰だって? トッド・レズニック?

(苦笑)。彼もメジャー・レーベルを離れ、自らが関わったソウル・ウィリアムスの新譜に続き、先頃ナイン・インチ・ネイルズの新作をダウンロード先行で自主販売しましたよね。変節を迎えている音楽シーンの中で、過去の成功にあぐらをかかず、果敢に新しい方法論にチャレンジし続ける彼の行動をどう評価しますか?

Travis:素晴らしいと思うよ。クールだし、もっと多くのアーティストがそういうことをやるべきだと思う。トレントはスマートな人で、常に先をいっている。今後はもっとやる人達が増えていくはずだよ。レディオヘッドもやったし、シャーラタンズは無料でアルバムを配布した。なんというか、ライヴ・ショウに立ち返るっていう意味もあるよね。特にアメリカではシャーラタンズなんて誰も知らないから、アルバムを配って、そこで聴ける音楽が良ければ、みんながショウを見に来るようになる。トルバドールぐらいは埋められるんじゃないかな?

Evan:たぶん、もっと大きいところだって埋められるよ。

それでは、アルバムをリリースした後の計画を教えてください。ジュビリーとしての長期的なヴィジョンをどう思い描いていますか?

Aaron:みんなのケツを蹴りあげるよ!

ぜひ日本でもライヴをやってください。

Aaron:うん、なんとかして日本にも行きたいね。行けるところならどこにでも行ってプレイしたいと思ってる。

Travis:もうアーロンなんて5回くらい日本に行ってるのに、俺はいつも行けなくてさ。まだ1度も行ったことがないんだよ。だから次こそは俺も絶対に行きたいね。

最後に、バディヘッドが「年間ベスト&ワースト・アルバム」の記事をやらなくなっちゃったんで、ここで、それぞれの「2007年のベストとワースト」を教えてください。

Aaron:俺個人は、CCRの『グリーン・リヴァー』と、レッド・ツェッペリンの『II』が良かったな。それから、サイモン&ガーファンクルをいっぱい聴いてたよ。新しい音楽はあんまりチェックしてないんだ。

それで記事を作れなかったんですか?

Travis:いやあ、俺達マジで忙しかったんだよ。

Aaron:本当に毎日ここに缶詰めだからさ。

Travis:俺は、AAボンディのレコードがすごく好きだったよ。

Evan:ライアーズも良かった。

Michael:俺は、グラインダーマンだね。

Travis:グラインダーマンは良かったな。それに、こないだ出たニック・ケイヴ(&ザ・バッド・シーズ)の新作も。それからヤー・ヤー・ヤーズのEPもね。

Jeff:あと、みんなフューチャー・オブ・ザ・レフトのレコードを聴いてるよ。

Travis:あれも良いレコードだね。彼らはホームタウンで、ジュビリーの前座をやってくれたんだ。

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