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アイドル・ポップスやニュー・メタルに支配されているチャートを自分達が変えてやる、という使命感は持っていたりしますか? Tom:いや、僕達は競争にうって出るようなバンドでもないからね。マイペースでツアーに出てライヴをやっているだけで、人が気に入ってくれれば万々歳、という感じなんだ。 Rick:僕達としてやるべきことをしっかりやって、後はファンの判断に任せているよ。 先日、イギリスの音楽誌NMEであなた達が表紙を飾って『エモ・イシュー』なる特集が組まれました。そこには「もうニュー・メタルにはうんざりだから、あなた達のようなバンドに状況を変えてほしい」という期待も感じたのですが、ああいうプレスの考え方についてはどう思います? Tom:何だか、プレッシャー感じちゃうね(笑)。でも、僕達は自分達をあるひとつのジャンルにカテゴライズすることは嫌いなんだ。僕達も含め、プロミス・リングやウィルコといったバンドが良質な音楽を作り続けていけばいいな、と思うだけだね。 Rick:ティーン・アイドルやニュー・メタルのトレンドはすべてイメージ重視のものばっかりだったよね。だからこそ、最近はその反動としてみんなが中身のある音楽を欲するようになってきたのかな。 Tom:あ、でもイメージがはっきりしている、というのも悪くはないよね。例えばGWARとかキッスみたいな素晴らしいバンドもいるわけで。 Rick:うん、そういうふうに徹底して楽しませてくれるバンドは凄いと思う。 Tom:僕達もそろそろイメージ作りに励まないと(笑)。後でバンド・ミーティングを開かなくちゃ。 (笑)ではここで、お二人のフェイバリット・レコードや、今いちばん気になるアーティストを教えてください。 Tom:最近はスピリチュアライズド、スプーン、マーキュリー・レヴなんかをよく聴いているね。 Rick:僕は、フガジの新譜にかなりグッときた。 Tom:アンドリューW.Kも。 Rick:えーっ、僕はあんまり……(笑)。あとはライアン・アダムズ。ブライアンじゃなくてライアンね。 Tom:可哀想な名前だよなー。 (笑)。さて、昨年来日した時はイースタン・ユース、ワード、そして昨晩はモーサムトーンベンダー、本日はピールアウトというふうに日本のバンドと共演してきていますが、今は日本にも良いバンドがいっぱいいます。特に興味を持っていたりしますか? Tom:もちろん! 中でもやっぱりイースタン・ユースは大好きだね。 Rick:彼らのお客さんとのコミュニケーションの取り方は本当にクールだよ。 Tom:イースタンはきっと僕がこれまで見てきた3ピースのバンドの中でも一番パワフルなバンドだと思う。ニルヴァーナとかのライヴも見てきたりしている上で言っているんだ。ニルヴァーナよりもパワーを感じたぐらいだよ。 おお。イースタン・ユースとアメリカで共演した時のことについて聞かせてください。 Rick:イースタン・ユースはアメリカでも凄くウケてたよ。 Tom:彼らとは僕達の地元、アリゾナ州で共演したんだけど、僕の家族もみんな来ていて、イースタンのことを凄く気に入っていたよ。 Rick:ほとんど誰も彼らの日本語の歌詞を理解できていなかったけど、バンドから発せられるパワーにみんな引き込まれていたね。 Tom:そんな状態だったから、きっとアメリカでCDやT-シャツもたくさん売れたんじゃないかな。それが次のアメリカ・ツアーに繋がればいいよね。彼らとまた一緒にアメリカ・ツアーをやりたいな。 Rick:僕達とイースタンのように、組んでお互いの土地で共演したりするのは、僕達のような位置にいるバンドとしてはとてもいいやり方だと思うんだ。僕達の地元では僕達のファンがイースタンを体験し、日本ではイースタンのファンが僕達のライヴを体験できる、というシステムは効果的だと思う。バンド間で競争ばかりしていないで、僕達とイースタンのように手を組めば相乗効果でたくさんのいい結果が得られるということが分かったよ。ジミー・イート・ワールドの初期の頃はいろんなバンドとスプリット7インチを出していたんだ。お互いの力になれる、という同じ考え方の下でね。バンドにとってはとてもポジティヴなやり方だと思うよ。 本当にそうだと思います。ところで、今夜のセットリストは昨日とは変わるんですか? Rick:昨晩とは少しだけ曲を入れ替えてやるつもりなんだ。 Tom:日によってセット・リストを変える方がいいと思う。2日続けて見にきてくれる人もたくさんいるみたいだし。昨晩、ライヴ終了後にファンと話す機会があったけど、ほとんどの人が「明日も見に来る!」と言ってくれていたんだよ。 昨晩のセット・リストを見ると、アルバムと同じ曲の繋がりが何カ所かありますけど、やはりその曲間の繋がりを気に入っているからこういう順番になるのでしょうか? Rick:たしかに、スムーズに繋がる順番になっていると思うし、互いを引き立て合うような曲の順番になっていると思う。特に意識はしていなかったけど。でも、やっぱり自然な曲順というのがあるんだろうね。 “テーブル・フォー・グラシーズ”の後に“ラッキー・デンバー・ミント”のイントロが響き渡ると気持ちいいですもんねー。 Tom:そうだね。そう言ってもらえて嬉しいよ。 さて、早くも次のアルバムに期待してしまっているのですが、次作に関して何か考えていることはありますか? Tom:次のアルバムのことはもう少し先になってしまうね。その前にツアーを多くこなさないといけないんだ。アメリカに戻って、グリーン・デイやブリンク182と一緒にまわるツアーが控えてるし、その後はフー・ファイターズとのツアーも決定しているからね。 Rick:その後はまたヨーロッパに出向く予定になっているんだ。フェスティバルに参加するためにね。 Tom:新曲は徐々に出来上がってきているけど、まだまだ完成には至っていない。もう少し時間が必要だね。 Rick:2003年まで予定されているすべてのツアーを終えたら、新作の準備に取りかかるよ。 うわ……ツアーさせられすぎて解散してしまわないように気をつけてくださいね。 Tom:本当だね! もうそろそろヤバくなってきたかな……(笑)。いや、僕達は楽しんでいるけど、ドラムのザックなんかは最近、娘さんが生まれたばかりだから、家族と会えない時間が多くてつらいだろうね。ツアーとツアーの間にブレイクを入れるようにして、バランスのあるスケジュールにしようと考えているよ。 なんといっても、マネージャーがあのお方だけに……ハードだとは思いますけど、頑張ってくださいね。 Tom:うふふ。僕達のマネージャーのジョン・シルヴァは壮絶な仕事魔で、朝の7時にはオフィスに行ったりしているようなハード・ワーカーなんだ。そういう面でもバンドに期待しているところがあるんだと思うし、僕達はハードなツアーでもまったく文句は言わないで、逆に楽しんでいるよ。 Rick:僕達もツアーが大好きだし、メンバー同士は凄く仲が良いからツアーはつらくないよ。それに、マネージメントからも「キツすぎたら言ってくれ」と言われているから大丈夫。僕達もムリしない性格だから、そのへんはご心配なく。 Tom:でも、ジョンがライヴ活動に重きをおきたがるって話は本当だよね。結構ハードなツアーを組んでくるんだ。アット・ザ・ドライヴ・インも相当キツそうだったしね。 今回の来日では、遊びに行ったりする時間は持てたりしてますか? Tom:ん〜、少しだけね。 Rick:そうだね。少しだけ。今日もこの後すぐサウンドチェックに行かなきゃいけないし、本番まであまり遠くまでは行けないしね。でも、前回日本に来た時は浅草に連れていってもらったりして、凄く良かったよ。 なんだか申し訳なくなってきたので(笑)、そろそろここらへんで終わりにします。 Rick:いや、全然構わないよ!。 Tom:ぜんぜん苦にはしてないから、時間ギリギリまで話そうよ。そういえば、フジロック・フェスティバルっていつ頃だっけ? 7月? そうです。ぜひ今年のフジ・ロックでまた来日してください。 Tom:残念ながら、その時期はフー・ファイターズとのツアーの真っ最中だと思う。でも、いつかはフジ・ロックに出たいと思っているよ。ジョンに話してみようかな。
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