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さっき「早く新しいアルバムを作りたい」と言ってましたよね。ツアー中は忙しくて、なかなか時間がないと思うのですが、新曲はもう出来てきてるんでしょうか? Adam:いや、そんなに進んでないよ。さっき話題にのぼった2曲は、たぶん次のアルバムに入ると思うけど、それ以外は、ぼんやりとしたアイディア程度だね。 Ben:でも、スティーヴンは確かデモを作ってたよな。 Stephen:うん、弟がドラムを叩いてるんだよ。僕の新しいドラム・マシンになってくれてるんだ。 では、まだアイディアの段階かもしれませんが、次のアルバムの方向性や新しい方向性のようなもので、現段階で見えている部分があれば教えてください。 Stephen:ベンがバンドに入ったことで、その「技のデパート」みたいな独創的なドラミングをバンドとして活かす方向を探求したり、メンバーが個々にやりたいと思ってることとミックスさせてみたり、といったことができるようになったと思うんだけど、まだそこから何が生まれてくるのか、100%の確信が持てないところが逆に、すごくエキサイティングだったりするんだよね。昔は、もうちょっと先の展開が読めるタイプの曲を書いたりしたこともあったけど、現時点での僕たちは、誰一人として次にやることが見えるようには感じていないと思う。"Shapeshifter"と"Dead already"の2曲は、そういう意味で、現時点で僕らがバンドとして持ってる力を示した一例と言っていいんじゃないかな。 ベンとしては、このバンドにどういったものを持ち込んでやろうと考えていますか? Ben:ケイヴ・インに何を持ち込みたいかって? さあ……よくわかんないけど、ベストを尽くしてプレイするだけかな、ヘへへ(苦笑)。みんなで曲を書く時も、ごく自然に簡単にできてしまうんだ。だから俺としては自分のすべきことをやるのみ、かな。 ドラマーとして、コンヴァージでプレイしている時と意図的に変えているようなところって、何かあったりします? Ben:ああ、前任のJRが叩いてた曲をプレイするんだから、当然かなり違ってるよ。JRのスタイルは俺とは全然違うから、彼がドラムを叩いた曲を覚えることで、いろいろと学べたとも思ってる。本来の自分のスタイルとは相当違うプレイをしなきゃならなかったし、これまでのレコードでJRがやってるプレイのいくつかは、ものすごく特殊なスタイルだったりするから、彼の頭の中に潜り込んで彼のスタイルを自分でもやってみるっていうのは、すごく面白い経験だった。昔は絶対やらなかったようなスタイルでプレイすることができて、ドラマーとしても役に立ったと思う。 それにしても、ふたつのバンドを両立してやっていくのは、なかなか大変なことだと思うんですが、どうやってこなしているんでしょう? Ben:確かに、ここんとこ相当ハードだけど、それでも楽しんでやってるよ。俺が望んでいるのは、一緒にいると楽しい、素晴らしいミュージシャンたちとバンドをやって、ツアーに出て、レコード作ることだけだしね。それに、言うほどハードでもないんだ。確かにツアーは、しばらく続くとキツくなってくるけど、なんだかんだで楽しいし、それに16歳の頃からずっとやりたいと思ってたことだからね。ハードコア・フェスティヴァルでケイヴ・インを観て、「スッゲェ!」って畏敬の念すら覚えたんだ。で、今ここにこうしてるわけ。 Caleb:へえ? 知らなかったよ! 感動だな。 Adam:何か妙な感じもするけど(笑)。 Stephen:ああ、確かに変だ(笑)。 では、次のアルバムの方向性を予想する手がかりになるかもしれないので、今、特に気に入ってよく聴いているバンドやアーティストを幾つかあげてみてもらえますか? Stephen:ほほう、ヒントを探してるの?(笑) Ben:ブラック・フラッグからボブ・ディランまで聴いてるから、「特に」と言われても選ぶのが大変っていうか。 Adam:アハハハハ! (笑)。 Ben:最近特にいろんなものを聴いてるからね。 Caleb:"フォーク・コア"とでも名づけようか? Adam:そう"フォーク・コア"だ! Stephen:でも実際、僕たち全員、自分たちが買ったり聴いたりするレコードに、とても敏感なことは確かだよ。自分たち自身の曲の作り方にも絶対影響してるしね。特に前作を作ってから以降には、それまでは聴いたことがなかったような新しいジャンルに、かなりハマッてるんだ。それこそベンが言ったみたいに、ブラック・フラッグからボブ・ディランまでね。そういうのが全部、僕たちの新曲に影響を与えるはずさ。
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