2005年6月9日、鍵盤楽器製作家の堀栄蔵氏が逝去しました。カメラータ・ムジカーレはグループ結成当時から堀氏に物心両面でお世話になってきました。ここに謹んで哀悼の意を表します。
1976年3月、横浜イギリス館にて
1926年、三重県生まれ。1950年ごろから浜松・楽器工場で研鑚を積む。その後、東京芸大楽器研究室でピアノ調律・整音・調整・設計を福島琢郎氏に師事。1958年、ピアノ修理工房を開き、同時にコンサート・チューナーとしても活躍。1967年頃から平均律への疑念をきっかけとしてチェンバロに興味を抱き、製作を手がけるようになる。1974年、渡欧、各地の博物館や個人コレクションを訪れ、資料の収集に努める。
また小林道夫、ブリュッヘン、レオンハルトなど内外の著名演奏家のコンサート・レコーディング・放送などに楽器を提供、絶賛を博す。
1982年、埼玉県吉見町に「堀洋琴工房」を設立し、チェンバロ、フォルテピアノなどの製作に多忙な日々を送ると共に、後進の指導にも精力的に取り組み、多くの若手楽器製作家が巣立っていった。これまでに手がけた楽器はフォルテピアノ含め230台余り。まさにわが国を代表する楽器製作者として広く海外の演奏家・製作者に「EIZO HORI」の名は知られている。
2004年春、77歳を迎えたのを機に工房を閉じ、楽器製作の第一線から引退した。
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