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artist : PIERRE BAROUH
title : 『 ÇA VA, ÇA VIENT 』
release : 1971年
label : SARAVAH
tracks ( cd ) : (1)ÇA VA, ÇA VIENT (2)DE L'AMOUR A L'AMOUR 【愛から愛へ】 (3)LE PETIT CINÉ 【小さな映画館】 (4)CE N'EST QUE DE L'EAU 【おいしい水】 (5)BOÎTE DE CIRAGE, CRÈME DE MARRON 【靴墨のビンとマロンクリーム】 (6)LE COURAGE D'AIMER 【愛する勇気】 (7)80 A. B. (8)PARIS WELLINGTON (9)DÉCROCHE-MOI LA TERRE 【地球を取って】 (10)LA CHANSON DU PORT 【港の歌】 (11)LA FORÊT 【森林】 (12)LE PETIT CHEVAL DE BOIS 【小さな木馬】 (13)LORSQUE J'ÉTAIS PHOQUE 【僕がアザラシだった頃】
tracks ( analog ) : 未確認
members : JACQUES HIGELIN,accordion,banjo,piano ; O. BLOCH-LAINÉ,guitar,banjo ; J. CUOMO,sax,clarinet ; ARESKI,percussion ; J. L. LEFEBVRE,violon ; J. P. ARNOUX,percussion ; PH. BEAUPOIL,piano ; P. RIGAUD,clarinet ; J. QUERLIER,sax ; B. VITET,trumpet ; J. F. CANADE,bugle ; D. LANDREAT,tuba ; J. MAHIEUX,batterie ; J. TRAINDL,trombone ; R. E. MANSFIELD,cuillères.
arranger : M. VILLAROEL (1)
related website : 未確認




(1)ÇA VA, ÇA VIENT  ▲tracks
 サーカスの会場に足を踏み入れたような(1)。ヘタウマでヨタヨタなラッパ群が、「ブンチャッチャッ」と絶妙なワルツを奏でる。奥さんの潮田敦子バルーさんが書いたと思われる解説によると、この曲はピエール・バルー自身が監督した同名の長編映画の主題歌なのだそうだ。サウンドの通り、主人公はサーカスと一緒に旅に出るそうな。


(2)DE L'AMOUR A L'AMOUR 【愛から愛へ】  ▲tracks
 時計の秒針の音をバックに(それ以外は何もない!)、ピエールが寂しく歌う(2)。その、イメージを並べたような歌詞は、映画的手法で書いたそうだ。お店でかけるにはちょっとシーンとし過ぎているので、向いてないかも。


(3)LE PETIT CINÉ 【小さな映画館】  ▲tracks
 チャップリン等の古い喜劇映画の音楽を想起させる躍動的なピアノが印象的な(3)(ニルソンの 『 AERIAL BALLET 【 空中バレー 】』 に収録されている 「GOOD OLD DESK」 のイントロにも、こんなピアノが登場する)。バンジョーも、コミカルな味付けをするのに一役買っている。何か石と石をカチカチとぶつけ合って鳴らしているパーカッション(?)の音がスピーカーの外側から聞こえるような処理がされているので、現実に、近くで誰かがカチカチやっているように聞こえる。


(4)CE N'EST QUE DE L'EAU 【おいしい水】  ▲tracks
 解説によると、ピエールはボサ・ノヴァをフランスに広めた者として知られているそうなのだが、そんなピエールだけあってとてもいい雰囲気を醸し出している、ボサ・ノヴァのスタンダード(4)。そのまんまの例えで恐縮だが、エレクトリック・ピアノがとても瑞々しく、タイトルの「おいしい水」に合っていると思う。しかし、ブラジルのものよりも若干暗く寂しい感じが強い気がする。
 因みに僕は、“日本でボサ・ノヴァと言えばこの人”の長谷川きよしのファースト・アルバム 『 一人ぼっちの詩 』 に収録の「冷たい夜に一人」や「心のままに」と一緒によく聴いていた。も一つ因みに、ピエールとブラジル音楽との出会いについて知りたいなら、ドキュメント映画 『 SARAVAH 』 を見ることをオススメします。


(5)BOÎTE DE CIRAGE, CRÈME DE MARRON 【靴墨のビンとマロンクリーム】  ▲tracks
 乾いているのに瑞々しいバンジョーの響きと、ユッタリした午後のひと時を感じさせるようなアコーディオンが心地良い(5)。それほど暑くもなく寒くもない晴れた日の午後二時くらいに、ボンヤリとしながら聴いていたい曲。


(6)LE COURAGE D'AIMER 【愛する勇気】  ▲tracks
 雰囲気は一転して、ピエールのズタズタでボロボロ、そしてガタガタな心境を綴った、暗くて惨めでヘヴィーな(6)。人によってはちょっと嫌悪感を抱きそうな暗さ。絶望感漂うアコーディオンと、キリキリと奏でられるヴァイオリンが胸に痛い。


(7)80 A. B.   ▲tracks
 サラヴァ・レーベルを代表する傑作 『 COMME À LA RADIO 【ラジオのように】』 等のブリジット・フォンテーヌの一連の作品で次々と前衛的なアプローチを繰り広げることになるパーカッショニスト〜アレスキー(・ベルカセム)との共作(7)。アレスキーによる民族的なパーカッションをバックに、クラリネットの即興演奏とピエールの歌が展開される。


(8)PARIS WELLINGTON  ▲tracks
 悲しげなワルツ(8)。“恋人が(パリを基点にして丁度裏側の都市と思われる)ニュー・ジーランドのウェリントンへ行ってしまった”というような内容なのだが、歌詞は結構面白い発想で、“地球の裏側の人達と足でトントンとして、交信してみよう”というのが可笑しい。


(9)DÉCROCHE-MOI LA TERRE 【地球を取って】  ▲tracks
 「ブンチャ、ブンチャ」と“惨めな道化師”といった雰囲気の(9)。恋人に無理難題を押し付けられている男の悲哀を歌った曲。サビで一瞬、メリー・ホプキンの「THOSE WERE THE DAYS 【 悲しき天使 】 」(『 POST CARD 』 に収録 )がよぎらなくもない。


(10)LA CHANSON DU PORT 【港の歌】
(11)LA FORÊT 【森林】  ▲tracks
 前曲(9)に似た感じの(10)に続いて、心洗われる小さな笛のような楽器がとても印象的な(11)。タイトルからも察せられるように、環境破壊について歌った曲なのだが、“恵まれた環境にいる自分に他人を批判できるのだろうか?”といった自問を突き付けている。


(12)LE PETIT CHEVAL DE BOIS 【小さな木馬】  ▲tracks
 再びサーカスなワルツの(12)。歌詞に“子供の声や街の音”とある通りのS.E.がバックでずっと流れている。


(13)LORSQUE J'ÉTAIS PHOQUE 【僕がアザラシだった頃】  ▲tracks
 最後は、控えめなギターのコード・ストロークをバックに、朗らかなサックスの即興演奏とピエールの歌が絡むカリプソっぽい(13)。こういったタイプの曲はピエールのキャリアの中でも殆ど無いはずだ。
 なお解説によると、ピエールは「前世はアザラシと犬だ」と思っており、椅子を鼻の頭に乗せて手をバタつかせるのが上手く、また、旅をする時、交差点では鼻をクンクンさせて方向を決めるそうである。なんちゅう人だ...。


 なお、(2)(4)(6)(10)の4曲は本作以前('60年〜'64年)、DISC AZ時代に録音されたものの再録音。そちらを聴いてみたい方は、レコード店〜新星堂のレーベル「オーマガトキ」からリリースされている DISC AZ時代の音源を集めた 『 SAUDADE (UN MANQUE HABITÉ) 』 でお楽しみ下さい。


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