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artist : JORGE BEN
title : 『 ÁFRICA BRASIL 』
release : 1976年9月発表
label : PolyGram
tracks ( cd ) : (1)PONTA DE LANÇA AFRICANO (UMBABARAUMA) (2)HERMES TRISMEGISTO ESCREVEU (3)O FILÓSOFO (4)MEUS FILHOS, MEU TESOURO (5)O PLEBEU (6)TAJ MAHAL (7)XICA DA SILVA (8)A HISTÓRIA DE JORGE (9)CAMISA 10 DA GÁVEA 【ガーヴィアの10番】 (10)CAVALEIRO DO CAVALO IMACULADO (11)ÁFRICA BRASIL (ZUMBI)
tracks ( analog ) : 未確認
musicians : JORGE BEN,guitarra solo,guitarra centro,phase guitar ; DADI,baixo ; JOÃO “BUM”,piano ; JOSÉ ROBERTO BERTRAMI,teclados ; LUNA,surdo ; NENEM,cuíca ; GUSTAVO,JOÃOZINHO,CANEGAL,DOUTOR,percussão ; DJALMA CORRÊA,HERMES,ARIOVALDO,tumbas,congas,atabaques e “Dono da Casa” ; WILSON DAS NEVES,JOÃOZINHO,timbales ; DARCY,piston ; MARCIO MONTARROYOS,piston com Barcus Berry ; JOSÉ CARLOS (BIGORNA),sax e flauta ; OBERDAN,sax ; REGINA,EVINHA,CLAUDINHA,MARISA,WALDYR,vocal.
producer : 不明
arregimentador : ZEZINHO
arranjos de base : JORGE BEN
arranjos de orquestra : JOSÉ ROBERTO BERTRAMI
arranjos de vocal : MAZOLA
related website : 『 Jorge Ben Jor 』(公式サイト)




(1)PONTA DE LANÇA AFRICANO (UMBABARAUMA)  ▲tracks
 元ラウンジ・リザーヅのアート・リンゼイがピーター・シェラーと組んでいたユニット〜アンビシャス・ラヴァーズがカヴァーしていた(1)。
 ミドル・テンポで“ズンドコ・ズンドコ”とした土着的なビートに乗せて「ヘレヘレヘレ、ゴロッコンドォ」と繰り返すブレイク部分は、日本人にとっては「ヘレヘレヘレ、5〜6本どう?」と聴こえてしまうので、ちょっとした笑いの種になってしまう。でも、ダーティーなリフにはとても太いウネリがあって、とてもカッコいい曲。どうやらサッカーに因んだ曲らしい。


(2)HERMES TRISMEGISTO ESCREVEU  ▲tracks
 ホーン・セクションが入って、かなり正統派なファンクの(2)。基本的なリフは、ちょっとスライ&ザ・ファミリー・ストーンの「THANK YOU(FALETTINME BE MICE ELF AGIN)」(『 GREATEST HITS 』、『 ANTHOLOGY 』 に収録)に似ていながらも、ドラムスの連打が派手で、トライバルな雰囲気が前面に出ている。
 しかし歌に入ると、バックにうっすらかぶされているシンセのおかげで、ちょっとスペイシーな感覚も加味されていて、とてもクールなファンクに仕上がっている。そのシンセのイメージが尾を引き、ブレイク部分でのトライバルなコーラス隊と相俟って、“現代を生きる民族”といった世界観を呈しているかのようだ。


(3)O FILÓSOFO  ▲tracks
 ずぅ〜っと同じベース・ラインと終始鳴らされているクイーカ(“ヒホヒホ”と鳴る、NHK教育 『 できるかな 』 のゴン太君のような音の楽器)が印象的で、明るく優しくホノボノとした(3)。終盤は女声コーラスやフルートのような耳あたりのいい音達と、「ウゥ〜〜〜〜ッ」と唸り続けるジョルジの声やギターのアドリブといった耳障り(いい意味で)な音達が交錯してファニーな雰囲気のままフェイド・アウトしていく。


(4)MEUS FILHOS, MEU TESOURO  ▲tracks
 重たい雰囲気のピアノのコードをバックに“ブルージーな”エレクトリック・シタール(と思われる)が鳴り、ジョルジが“彼なりに”切々と歌い上げてスタートする(4)。
 しかし、リズムが一旦“ON”になると、体中の血が騒ぎ出すようなアフロなサンバへと変貌、聴き手を一気に興奮の渦に引きずり込む。“戦闘に臨み、足を踏み鳴らす男達”といった趣き。


(5)O PLEBEU  ▲tracks
 「ララララ〜ラ〜」というキャッチーなコーラスと共にユッタリとグルーヴする、楽園気分の(5)。コード進行やテンポが、ちょうどレッド・ツェッペリンの「D'YER MAK'ER」(←“ジャー・メイカー”と読む。レゲエに挑戦した曲なので“ジャメイカ”というわけだ。 『 HOUSES OF THE HOLY 【聖なる館】 』 に収録)に似ているので、DJ的にはうまく繋げられそう。でもグルーヴ感はこちらの方がはるかに上(比べる方が野暮か...)。最後の呑気な口笛が心地良い余韻を残していく。


(6)TAJ MAHAL  ▲tracks
 本作随一のキラー・チューンであることと、ロッド・スチュワートが「DO YA THINK I'M SEXY ?」(『 BLONDES HAVE MORE FUN 』 に収録)で盗作し、裁判でロッド側が敗訴したというエピソードの両方で有名な(6)。
 4分打ちキックに乗せてBm7-C#m7-F#m9-F#m9をループさせる中で歌われる「テ〜レテレテ〜レ」というサビのリフレインは相当キャッチーだ。ついつい口ずさんでしまう。ついでに言ってしまえばキリンジ(弟)もこのリフレインにやられてしまったと見え、 『 FOR BEAUTIFUL HUMAN LIFE 』 に収録の「ブルー・ゾンビ」でフェイクして引用している。
 この曲にはまだエピソードがあって、なんと、タイトルになっているタジ・マハール本人がタジ・マハール&ジ・インターナショナル・リズム・バンド名義の 『 LIVE & DIRECT 』 というのライヴ・アルバムで、この(6)を「JORGE BEN」と改題して演奏しているのだ!
 その演奏はカーティス・メイフィールドの「TRIPPING OUT」(『 SOMETHING TO BELIEVE IN 』 に収録)を幾分速くしたようなリズム・パターン(とてもフリー・ソウル的)に、ゴスペル的な女声コーラスやスティール・パンが乗っかって、「ジョ〜ジ・ベ〜〜〜ン、オ〜〜オ〜〜オ〜〜、ジョ〜ジ・ベ〜〜〜ン」と歌っているというもの。しかも曲のカウントまでポルトガル語で「ウ〜ン、ドイシュ、トレシュ(ワン、トゥー、スリー)」という気の遣いよう。
 アルバム・タイトルが 『 アフリカ・ブラジル 』 なのに、なんでインドのタジ・マハール宮殿の話が出てくるのか、歌詞・対訳の無い国内盤CDでは判りようもなかったが、ひょっとしてこの曲のタイトルの「タジ・マハール」とはこのミュージシャンの方の「タジ・マハール」だったのだろうか?そうだとすると、このタジ本人による“アンサーソング”も納得がいく。


(7)XICA DA SILVA  ▲tracks
 ゴイン・ゴインしたベースが不穏な空気を醸し出す中、クールなギターのカッティングとクイーカが鳴り始め、女声コーラスも入ってきて神秘的に動き出す(7)。抑制の効いたビートながら、充分にうねっているのはさすが。同名映画のテーマ曲にもなったそうだ。


(8)A HISTÓRIA DE JORGE  ▲tracks
 タイトルから察するにジョルジの“自分史”的な内容の歌と思しき(8)は、(4)をもうちょっとアップ・テンポにしたような“ズンドコ舞踏ビート”なアフロ・サンバで、再び我々のアドレナリンを放出させてくれる。
 “自分史”とどう関係があるのか分からないが、間奏でのシンセとホーン・セクションがとても宇宙的な広がりのあるサウンドを聴かせてくれる。(2)でも言った“現代を生きる民族”といった世界観がここでもまた顔を出している。


(9)CAMISA 10 DA GÓVEA 【ガーヴィアの10番】  ▲tracks
 ジーコに捧げた曲(9)。日本人なら“誰々に捧げる曲”ともなれば濃いメロディーを朗々と歌い上げ、伴奏も大仰なものにしがちだが、本作でのジョルジはただひたすらシンプルな2コードで攻めていく。サビでちょっと違うコードも出てくるが、基本的にはズンドコ・ビートで2コード。ここら辺に民族・文化の違いがありありと出ているなと思ってしまう。この曲の場合、コード感覚が多彩なブラジル音楽的側面よりも、アフリカ音楽的側面が色濃く出た感じだ。


(10)CAVALEIRO DO CAVALO IMACULADO  ▲tracks
 本作で一番テンポの速く、とてもスリリングな曲(10)。こちらを“カッカ”とさせてくれるパーカッション群のグルーヴ感満点な演奏も申し分ないが、とにかくスピーディーなエレキ・ギター・ワークがたまらなくカッコいい。
 そんなガンガンにカッ飛ばすような演奏の中、アコースティック・ギターのフレイズがカリブっぽい響きを奏でたり、ジョルジが「レロレロレロレロ〜」とやったりしていて、明るくコミカルな雰囲気もある。


(11)ÁFRICA BRASIL (ZUMBI)  ▲tracks
 最後はタイトル曲(11)。イントロはブチブチ・ベースとズンドコ・ビートに乗せて(2)や(8)のような宇宙的な広がりのあるシンセ・サウンドが登場する(「コロキキッ」というフレイズがやたら耳に残る)も、あとはそのグルーヴをキープ。ジョルジは声の限りにダミ声でシャウトする。とにかく「最後まで熱くさせてくれるアルバムだなぁ」という印象を残し、フェイド・アウト。


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