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artist : IAN DURY & THE BLOCKHEADS
title : 『 DO IT YOURSELF 』
release : 1979年5月
label : STIFF RECORDS
tracks ( cd ) : (1)INBETWEENIES (2)QUIET (3)DON'T ASK ME (4)SINK MY BOATS (5)WAITING FOR YOUR TAXI (6)THIS IS WHAT WE FIND (7)UNEASY SUNNY DAY HOTSY TOTSY (8)MISCHIEF (9)DANCE OF THE SCREAMERS (10)LULLABY FOR FRANCIES
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(5) / side B...(6)〜(10)
members : IAN DURY,vocal ; CHAZ JANKEL,guitars,keyboards,musical direction ; JOHN TURNBULL,guitars ; MICKEY GALLAGHER,keyboards ; DAVEY PAYNE,saxes ; NORMAN WATT-ROY,bass ; CHARLEY CHARLES,drums.
musical director : CHAZ JANKEL
related website : 『 Ian Dury and the Blockheads 』(公式サイト)、『 BLOCKHEAD 』(ブロックヘッヅの公式サイト)、『 Chaz Jankel and The Blockheads 』(チャズ・ジャンケルの公式サイト)




(1)INBETWEENIES  ▲tracks
 レゲエ的感覚も見られるクールなファンクの(1)。ファンクの本場アメリカのそれとは違い、温度は低く湿度は高いブリティッシュ・ファンク。その洗練されたトラックにトボケた味のデューリーのヴォーカルが乗っかって、何とも言えない粋な曲に仕上がっている。
 僕が初めて彼らを耳にしたのはこの曲で、それ以来、アヒルの雛が卵から孵った時、最初に見た者を母親と思ってずっとついて回る習性があるのと同様に、“僕にとってのデューリーはこの曲”というイメージが固定してしまっている。他の曲、他のアルバムもよく聴くのではあるが、久々に「ど〜れ。イアン・デューリーでも聴こっか」という時には、本作のこの曲(ま、1曲目なので当然といえば当然だが…)を聴いてしまう。


(2)QUIET  ▲tracks
 ミドル・テンポのファンク(2)。何となく、デューリーが先頭になった三角形の編隊を組んで(肩で風を切り、両手はポケットに突っ込んでいる)、彼らが通りを闊歩している姿が目に浮かぶような曲。
 この曲にも部分的にレゲエっぽさが顔を覗かせる。そして、ギターのリフには R & R っぽいニュアンスも混じっている。それが1つのグルーヴとして巧く溶け合っている。また、間奏でのデイヴィー・ペインのワウ・ペダルをかませたフリーキーなサックス・ソロがカッコいい。


(3)DON'T ASK ME  ▲tracks
 ペインのサックスと共にコードがせり上がってくるイントロにゾクゾクしてしまう(3)。前2曲よりは速めのテンポだが、その2曲と同様に少々レゲエっぽい感覚を含んでいる。そして、サビの雰囲気はちょっとフュージョン的。リズムに巧くはまったツイン・ギター・ソロがとってもファンキー。


(4)SINK MY BOATS  ▲tracks
 目覚し時計の「ジリリリリ」という音で始まり、何か良い事が起きそうな、そんなウキウキとした期待感に思わず胸膨らませられる(4)。コードは変化しているのにベースは同じ音に居座りつづける手法が、その空気感を出すのに功を奏している。そのベースとドラムが力強く一歩一歩踏みしめるような8ビートをキメるその奥で、ギターのカッティングが16ビートでチャカチャカと鳴る。タイトルをシャウトするデューリーも最高だ。一つだけ難を言えば、人によっては派手な音使いのシンセ・ソロがいただけないと思うかもしれないが、僕はもう慣れてしまった。


(5)WAITING FOR YOUR TAXI  ▲tracks
 車のS.E.に続いての(5)。曲名の如くタクシーを待っているというわけか。時折派手なホーン・セクションが入るスロウでヘヴィーなファンクに乗せて、同じ歌詞を繰り返すだけなのだが、どうやらS.E.によって物語が進行しているようで、曲が中断するたびに車の音や話し声がする。


(6)THIS IS WHAT WE FIND  ▲tracks
 今度こそはモロにレゲエな(6)。しかし彼らが一筋縄でいくはずもなく、そのレゲエ・サウンドに「ブンチャ、ブンチャ」という2拍子のうらぶれたサーカス的な雰囲気を盛り込んでいる。それが顕著なのが間奏。チューバ代わりのバリトン・サックスとホンキー・トンク・ピアノをバックにテナー・サックスが奏でるトラジ・コミックなメロディーが、シンミリとした涙と微笑みを誘わずにはおかない。一瞬、トム・ウェイツの影が頭をよぎる。


(7)UNEASY SUNNY DAY HOTSY TOTSY  ▲tracks
 前曲のエンディングとかぶるように間髪入れずにスタートする、トボケた味の R & R の(7)。ドラムは淡々とテンポをキープしつつも、スクウェアなリズムとシャッフルを交互に展開していく。デューリーの言葉の切れ目に「ズダン!」と打たれるスネアもいい。


(8)MISCHIEF  ▲tracks
 キャッチーなフレイズで始まる、ワクワクするような、それでいてどこかトボケた雰囲気の R & R の(8)。少年達に「ブラブラしてないで、なんかイタズラしちまおうぜ」と呼びかけているのだけど、その内容があまりに酷い。この曲を含め、彼の歌詞は日本語ではとても歌えないようなものばかり。最後は「スビバセン、オデがヤリバシタ(I'M SORRY I DONE IT)」とボソボソと謝り始め、次第にシャウトに変わっていく。


(9)DANCE OF THE SCREAMERS  ▲tracks
 デューリーの狂気を帯びた絶叫とペインのフリーキーなサックスの咆哮が炸裂しまくり、それとは対照的に、ノーマン・ワット-ロイのディスコ・フレイズ満載のベースとチャズ・ジャンケルの知的なピアノ・プレイ(特に間奏がイイ)がクールにバックを支える、ディスコ・ファンクの(9)。もう最高にカッコいい!
 歌詞を概訳すれば、「全てのマイノリティーよ、オイラお前らの味方だぜ。だからこのダンスを踊るんだ!ダンス!」という感じか。7歳の時に小児麻痺を患い、それからというもの左の手足が不自由になってしまったデューリーならではの視点がそう言わせるのだろう。だからこの絶叫は、ただのヤケクソでもなく、お芝居の狂気でもなく、ましてやホントに向こう側にイっちゃったからでもない、涙と笑いが滲んだ慈愛に満ちた絶叫なのだ。


(10)LULLABY FOR FRANCIES  ▲tracks
 絶叫の後にはとても爽やかなイントロで迎えてくれるレゲエの(10)。いつもは柄の悪そうなデューリーも、ここでは「子守唄」だけあって、その歌声はとても優しげ。サウンドもとてもドリーミー。心地良いレゲエのリズムに揺られて、聞き分けのないパンクスも段々と眠たくなるのだろう。絶叫の後にはとても爽やかなイントロで迎えてくれるレゲエのI。いつもは柄の悪そうなデューリーも、ここでは「子守唄」だけあって、その歌声はとても優しげ。サウンドもとてもドリーミー。心地良いレゲエのリズムに揺られて、聞き分けのないパンクスも段々と眠たくなるのだろう。日本初のライヴ・ダブ・バンド〜ミュート・ビートがセカンド・アルバム 『 LOVER'S ROCK 』 でカヴァーしている。


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