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artist : CAROLE LAURE & LEWIS FUREY
title : 『 ENREGISTREMENT PUBLIC (AU THÉÂTRE DE LA PORTE SAINT-MARTIN)』
release : 1982年
label : SARAVAH (RCA RECORDS)
tracks ( cd ) : (1)CROQUE LA LUNE (INTRO) (2)DESIRE MACHINE (3)JOUE-MOI UN TANGO 【私にタンゴを】 (4)SCENES DU TRAIN (5)I'VE COUNTED WHAT I HAVE (6)FUNNY FUNNY (7)LOVE STEPPED OUT (8)STUPID ME (9)HUSTLER'S TANGO (10)LOUISE (11)FANTASTICA (12)CROQUE LA LUNE
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(6) / side B...(7)〜(12)
musicians : CAROLE LAURE,vocals,piano(9,12) ; LEWIS FUREY,piano,vocals ; JEFF FISHER,synthesizer programing,arrangements ; LUC BOIVIN,percussions,percussions arrangements,drums ; INGRID TARK,2nd piano,fender rhodes.
singers : MARINA ALBERT,ANN CALVERT,LAURENCE CARTIER,MARIE RUGGERI,JEAN-JACQUES CRAMIER,BERNARD ILOUS,ALAIN MARYA.
producer : LEWIS FUREY and IAN TERRY
show produced by VPI productions.
arranged, orchestrated by LEWIS FUREY with the collaboration of NEIL CHOTEM and JOHN LISSAUER.
monologues written by LEWIS FUREY.
related website : 『 lewis furey 』 (ルイス・フューレイのサイト。公式かどうかは不明。フランス語)


 本作は、ルイス・フューレイの1stアルバム 『 LEWIS FUREY 』 から2曲、3rdアルバム 『 THE SKY IS FALLING 』 から1曲(2ndアルバムからはなし)、キャロル・ロールの1stアルバム 『 ALIBIS 』 から4曲(うち2曲は同一曲で、形を変えて出てくる)、ルイスが手掛けたサウンドトラック盤 『 FANTASTICA 』、『 NIGHT MAGIC 』(双方共にルイスとキャロルが出演している)からそれぞれ2曲と1曲、そして当時の未発表曲と思われる曲が2曲という配分で構成されているので、ある意味当時の彼らのキャリアのベスト盤+αといった趣もあるが、本来は前述の 『 FANTASTICA 』 の基となったミュージカル映画のショウとして上演されたものである。


(1)CROQUE LA LUNE (INTRO)
(2)DESIRE MACHINE  ▲
tracks
 本作のラストとして演奏される(12)の一節をバックにしたルイスのモノローグに続いて、彼がヴォーカルを執る(2)。オリジナルは彼の 『 THE SKY IS FALLING 』 に収録されている。このライヴ・ヴァージョンは、マッタリとしたスタジオ盤よりもリズムにキレがある上、ピアノをメイン楽器に据えたことや、コーラスの透徹した冷たさのおかげでとても緊張感があり、聴くほどに慄然とさせられてしまう。イントロのノイジーな金属音や、不穏なエレクトリック・ピアノやシンセ・ベースもその効果に一役買っている。
 余談だが、2分ちょっと過ぎのコーラスのメロディー感覚には、どことなく奥村チヨの「終着駅」っぽい感覚がある(笑)。


(3)JOUE-MOI UN TANGO 【私にタンゴを】  ▲tracks
 今度はキャロルがヴォーカルを執るタンゴの(3)。彼女の 『 ALIBIS 』 に収録されたスタジオ盤の方はピアノ、バンジョー、バンドネオン(アコーディオン?)、ストリングスが入って、ルイスのスタジオ盤同様のホンワカとした雰囲気なのだが、このライヴ・ヴァージョンはスタジオ盤での優雅で軽やかな感じは残しつつも、メインのピアノのほかに、シンセ・ストリングスやマレット系の楽器、そしてエレピなどなどを加えて、スタジオ盤とはまた違った雰囲気を醸し出している。


(4)SCENES DU TRAIN  ▲tracks
 これもキャロルの 『 ALIBIS 』 からのナンバー(4)。ピアノの華麗さや、「ハッ、ハッ」とか「オーオーオーーー」といった異教徒的なコーラスの緊張感はスタジオ盤とは比べ物にならない。スタジオ盤には終盤にバンジョー・ソロがある(これもかなり好きである)が、このライヴ盤にはそれすらなく、ため息と慄然の連続。前半のベスト・トラック。


(5)I'VE COUNTED WHAT I HAVE  ▲tracks
 (4)の後のキャロル、ルイスそれぞれのモノローグの後始まる(5)は、再びルイスがヴォーカル。基本的には悲しげなピアノによるワルツだが、途中からアップ・テンポな5拍子になるなど、本作中においてはちょっとしたアクセントとなる曲。
 ルイスが作曲・プロデュース、レナード・コーエンが作詞をしたサウンドトラック 『 NIGHT MAGIC 』 からのセレクション。『 NIGHT MAGIC 』 の方では何となくフランク・ザッパやゴドリー&クリームを彷彿させるマリンバほか様々な楽器が使われている。


(6)FUNNY FUNNY  ▲tracks
 この曲もルイスがヴォーカルを執る、ユーモラスでそれこそ「ファニー」な(6)。2台のピアノを基本に、オルガンやシンセがピロピロとしたオブリガードを挟み込んで目まぐるしい展開を見せる中、サビではドラムスも加わってツイストに。本作中では異色ながらも、巧みな編曲によってそれほど違和感はなく、むしろ緊迫したムードを一度リセットしてくれる役割を果たしている。
 キャロルとルイスによるサウンドトラック盤 『 FANTASTICA 』 に収録。この作品は、ルイスの1stアルバムと同じく、ジョン・リソワーがプロデュースや編曲に関っているほか、ドラムスやバンジョーのプレイヤーもそれぞれ同じ人物が担当している。そちらのヴァージョンではもっと速度が遅くホノボノとしていて、サビもツイストではない。


(7)LOVE STEPPED OUT  ▲tracks
 キャロルによる長めのモノローグの後始まるワルツの(7)。ピアノの伴奏でまずはキャロルが歌い出し、徐々に女声コーラスが加わってくるのだが、そのコーラスが左右に分かれていて、お互いの休止の合間を縫い合いながら楽曲をドンドン盛り上げていく。そして2つのコーラスが一丸となったラストは圧巻の一言! このコーラス隊の迫力も見事だが、この対旋律を操ったルイスの手腕も見事。
 この曲はこれまでのキャロル、ルイスの作品には見当たらないので、本作で初登場の曲と思われる。


(8)STUPID ME  ▲tracks
 間違いなく前の(7)と共に本作のヤマ場と言える(8)。この点では衆目が一致すると思う。この曲も基本的にはキャロルがメイン・ヴォーカルなのだが、そのキャロルの歌のバックに挿入されるオブリガードが後にコーラス・パートへと発展し、男声パートをルイスが、女声パートをキャロルがそれぞれ率い、対旋律の応酬へと雪崩れ込む。同じ伴奏で2つのメロディーを展開させたといって話題となったビートルズの「I'VE GOT A FEELING」どころの騒ぎではない。


(9)HUSTLER'S TANGO  ▲tracks
 ルイスの代表曲(9)(オリジナルは彼の1stアルバム 『 LEWIS FUREY 』 に収録)。当然、ルイスがヴォーカルを執る。しかし、こちらのライヴ・ヴァージョンではピアノやマレット系の楽器、エレピ以外に結構派手なシンセサイザーが使われていて、人によっては好みが分かれるところだろう。僕も初めは違和感があったが、今では慣れてしまった。後半に行くに従って本ライヴならではの切れ味の鋭さが増してくるので、スタジオ盤の方が好きではありながらも、「これはこれで“あり”かな?」と思えてくる。因みに、この曲でピアノを弾いているのはキャロル。


(10)LOUISE  ▲tracks
 この曲もルイスの 『 LEWIS FUREY 』 からのセレクションで、ルイスがヴォーカルを執る(10)。2年で辞めたとはいえ、ジュリアード音楽院でヴァイオリンを学んだ(その前にケベック州立音楽演劇学校というところでも本格的に学んでいる)ルイスなので、ここで聞こえるヴァイオリンは彼の演奏かと思ったのだが、歌の最中もピチカット奏法のヴァイオリンが聞こえるところから推測するに、このヴァイオリンはルイスではなさそうだ。しかし、もしかすると弾きながら歌っているのだろうか? ラストのルイスによる狂おしいシャウトの悲痛さが耳に残る。


(11)FANTASTICA  ▲tracks
 切れよく跳ねるピアノの伴奏に合わせて歌われる、生の喜びに満ちたワルツ(11)。ショウの終局を飾るに相応しい曲。この曲もシンセの派手さが耳につく場面があるものの、楽曲そのものの魅力や盛大なコーラスがそれを補ってあまりある。この曲のオリジナルはキャロル&ルイスの 『 FANTASTICA 』 に収録されているのだが、そもそもこのライヴ自体が 『 FANTASTICA 』 の基となったミュージカル映画のショウなので、この辺りでこの(11)が登場するのは至極当然なのだ。
 因みに、当サイトの選曲コーナーの中の 『 …UNTIL WE'RE FARAWAY 』 では 『 FANTASTICA 』 版の「FANTASTICA」を取り上げているのでそちらもヨロシク。


(12)CROQUE LA LUNE  ▲tracks
 ラストに、このショウのイントロとして演奏されていた(1)の本編(12)の登場。ピアノをバック(一部シンセ有り)に静かな調子で歌われるバラード。キャロルが歌った後、男声用に転調してルイスが歌い、再び戻ってキャロルで〆る。盛大な曲の後は、しっとりとしたこんな曲が胸に染み入る。オリジナルもシンセがなく、ヴァイオリンが入る以外はほとんど同じ感じ(『 ALIBIS 』 に収録)。


 因みに、文中幾度もスタジオ盤と比較する場面が出てくるが、そのスタジオ盤もアレンジや趣向が違うというだけで名作であることには変わりはないので、誤解のないように。

 そういえば、中古屋時代に店内で本作をかけていたら、フォーク・クルセダーズ〜サディスティック・ミカ・バンド〜加藤和彦ファンのオーナーが「ン! 確か加藤和彦もこんな感じのアルバム作ってたゾ」と言っていたのだが、おそらく彼の“ヨーロッパ3部作”のことを言っていたのだろう。後にその一つ 『 うたかたのオペラ 【L'OPERA FRAGILE】』 を聴いて、「ああ、これのことだったのネ…」と納得したのだった。本作ほど圧倒的ではなく、むしろ「スタジオ盤でのルイス×YMO×加藤和彦」といった趣き。本作やルイス・フューレイを気に入った方はそちらも是非どうぞ。


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