Ronnie
Wood / |
おすすめ度★★★★ |
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Faces解散前のWoodyがリッチモンドの自宅でのバカ騒ぎの最中に録音した初のソロアルバムで、制作費の半分が酒代だったという愛すべき作品。 当時Woodyの自宅に入り浸り始めていたといKeith RichardsやMick Jaggerとのジャムセッションから発生したという本作の色合いは、どちらかと言えばStones寄りのサウンドになっている。 この2年後には正式メンバーとしてStonesに迎えられる事を考えても、本作が持つWoody自身への意味合いもかなり大きいものだったハズだ。 参加メンバーは前述の二人組に加えてMick Taylorまで参加。お馴染みのRod StewartやIan McLaganといったFaces組も随所で息の合ったプレイを披露。 更にGeorge Harrison人脈からのWillie Weeks、Andy Newmarkといった渋腕リズム隊の参加も注目だ。 内容的には後期Facesの最も美しかったホワイトソウル的ティストが、Stones組の参加によって更にラフにミックスされた様な永遠のB級サウンドといったところ。全編に響き渡る等身大なサウンドがとても好印象だ。 ちなみに本作制作時には様々なナンバーが産まれ、今ではStonesの代表曲となったIt's Only Rock'n Rollもこの時期のセッションから産まれたものとして有名。 同時に作った1を本作に、It's Only〜をStonesへと振り分けたという。
〜特にお気に入りな曲達〜 アルバムはMick JaggerとWoodyのデュエットによるミディアムテンポのR&R、I Can Feel The Fireで幕を開ける。 Woody独特のラフでファンキーなギターサウンドとメロディアスなベースライン、そして密かに響くトロピカルな雰囲気に乗っての軽快なツインヴォーカルがとにかく心地良いナンバーだ。間奏におけるソロもWoodyらしくて大好きだな。 George Harrisonとの共作ナンバーFar East Manは、じっくりと聴かせるソウルナンバー。スローテンポからブリッジ部分への展開やメロディがとてもGeorgeっぽくてお気に入り。 ノークレジットながらGeorge自身もギターとコーラスで参加しているという噂もある。こちらも個人的なアルバムのハイライト。 Rod Stewartもコーラスで加わるMystifies Meも素晴らしきホワイトソウルナンバー。何といってもRodのコーラスが絶妙の味わいで入ってくる。サポートヴォーカリストとしても素晴らしいのね。 引き続きRodが加わり、今度はデュエットで決めるTake A Look At The GuyはIanによるエレピも転がりまくるFacesスタイルのご機嫌R&Rナンバーだ。 Keith作のソウルナンバーAct Togetherも名曲。女性バックコーラスも加え、とことんソウルフルに迫る。イントロのエレピのKeithによるものらしいし、いやぁ、Keithのヴォーカルバージョンも聴いてみたい! とっても安易な歌詞でファンキーに展開するShirleyでは、当時台頭して来たニューソウル的なニュアンスも聴ける。Andy NewmarkとMick Taylorによるファンキーなリズム隊にも注目だ。 Cancel Everythingは、当時のFacesとStonesの最も美しい部分を集約したかのような素晴らしきホワイトソウルナンバー。WoodyとKeithのヴォーカルに女性ボーカルが絡む瞬間は鳥肌モノです。 このインチキ臭い味わいはアメリカ人では奏でられない溜まらない魅力。これだからUKロックは大好きだ。 何と他人のソロアルバムでリードヴォーカルを取ってしまったKeithによるSure The One You Needは、Keithのソロナンバーといった感じのStones風R&Rナンバー。Ianのピアノも転がるカッチョ良いナンバーです。 本作の唯一のカヴァーソングであるIf You Gotta Make A Feel Of Somebodyは60年代にヒットしたR&Bナンバーだ。あのデカい鼻にかかったWoodyの不器用なヴォーカルに、ソウルフルなRodのコーラスが絡む好トラックですな。
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1 . I Can Feel The Fire
この時期のWoodyは |
(2000.6.10 更新)
〜関連アルバムの簡単な紹介〜
The Rolling Stones / It's Only Rock'n Roll
本作と同年に発売されたStonesのタイトル曲がWoodyとの
セッションから産まれた事は有名な話。
MickやKeithはWoodyとのレコーディングに参加後、本作の制作に取り掛かる。
この頃になるとStonesもソウル的エキス吸収モードになっており
Ain't Too Proud To Begの素晴らしいカヴァーバージョンや
サザンソウル的なIf You Really Want〜、そしてニューソウルな
Fingerprint File等の新しい一面を見せはじめている。
また本作を最後に黄金期のLiveパフォーマンスを支えた最大の功労者
Mick Taylorがバンドから去り、Stonesは新たなギタリストの
捜索を余儀なくされている。
ちなみに個人的なハイライトはド演歌調ナンバーのTime Waits For No Oneです。
George Harrison / Dark Horse
Woodyとの共作ナンバーFar East ManのGeorgeバージョンが
収録されている彼の3rdアルバム。
ストレートなWoodyバージョンも好きだけど、彼独特の作り込み方が
光りまくる本作のバージョンも大好きだ。
これを聴いちゃうとGeorgeのヴォーカルの美味さが際立ってしまう。
ちなみにこちらのGeorgeバージョンにもWoodyはしっかり参加。
上記作で全面的に参加しており、後のWoodyの活動にも頻繁に顔を出すことになる
Andy NewmarkとWillie Weeksというリズム隊は本作にも参加。
更にこの年のGeorgeの全米ツアーにも参加している。
Woodyの彼らとの繋がりは本作から産まれたのかも知れない。
順路はこちら
Ronnie Wood / Now Look へ!
〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
The Rolling Stones / Goats Head Soup
Stonesが73年に発表した新たな一歩
George Harrison / Liveng In The
Material World
Geogeの2ndアルバム。個人的には大好き
Rod Stewart / Every Picture Tells A
Story
Woodyも参加したRodの最高傑作