Rod Stewart
/ Every Picture Tell A Story <1971>

おすすめ度★★★★★


Rodが発表したソロ3作目でありながら、彼の出世作となった記念すべきアルバム。全体に貫かれるアコースティックな味わいが素晴らしく、彼の作品の中でも屈指の名盤だ。

基本的なパーソナルは前作同様、数々のスタジオミュージシャンに加えてIan McLagan、Ron WoodといったFaces組の参加も目立つ。プロデュースはRod自身が担当。

前作で聴かれたトラッド的な味わいをRock的に消化した彼の成長が伺え、それが最も良い形となって現れている。

楽曲の方は相変わらずカヴァーソングのアレンジが素晴らしく、ここでもロカビリーナンバーの3やDylanの5や、Tim Hardinの9等をアルバム全体に漂う独特のトーンで料理している。

さらに見事なアコースティックアレンジで迫るタイトル曲の1や決定的な名曲8、大ヒットした7といったオリジナル曲も素晴らしい輝きを放ちながらもアルバムに溶け込む。

イギリス人ロッカーの独特の味わいをプンプンに臭わせながら展開される、味わい深いアコースティックロックの世界。UKロックが一番美しかった時期の、素晴らしき記念碑的アルバムである。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(ってほとんど全部だったりして... ^^;)

まずはアコースティックに迫るタイトル曲Every Picture Tell The Storyは、Maggie Bellという方のソウルフルなサポートを頂きながらご機嫌に展開されるUnplugged R&Rナンバー。

ブレイクの後にヴォーカルのみになる所でフライングするRodといい、いきなり唸り声をあげるWoodyといい、そんなモンお構い無しに完成テイクにする彼らの精神に乾杯だ。

続くSeems Like A Long Timeは、ややゴスペルっぽい美しいピアノやWoodyらしい音色のギターが印象的なナンバーで、終始メロディアスなベースラインも味わい深い。この辺の味わいが大好きですね。

That's All RightはElvisの名唱で知られるロカビリーナンバー。ここでは前2曲に合わせるかの如く、アコースティックスライドを中心にR&Rしまくり。転がりまくるピアノも最高だ。

そしてAmazing Graceといった超有名曲を小品として挟んでのDylanナンバーTomorrow Is Such A Long Time。フィンドルとペダルスティールギターをフューチャーしたカントリーアレンジで止めを刺す前半のこの展開力は最高の境地だ。

さらに大ヒット曲のMaggie May。軽いアコギを挟んでのアレンジはこの頃の彼らの得意技である。

アコギとベースのメロディアスな掛け合いに乗って展開されるアレンジは爽快そのもので、哀愁を誘う控え目なキーボードや後半に登場するマンドリンの活躍も目立つ。チープな間奏もWoodyらしくて最高だ。

Mandolin Windは、どこまでも美しいオリジナルナンバー。前曲に引き続いて登場するマンドリンを中心としたシンプルな演奏をバックに歌うRodのヴォーカルに尽きます。

ラストのReason To Believeは、Tim Hardinによるこれまた美しいナンバー。ソウルフルなオルガンに絡むアコギとピアノ、そしてウッドベースのコンビネーションも見事の一言。間奏のフィンドルも鳴いている。

最後はRodのヴォーカルがアカペラ気味に味わえる最高のアレンジ。まいったな、こりゃ。

 


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1 . Every Picture Tell  
                     The Story
2 . Seems Like         
                  A Long Time
3 . That's All Right
4 . Amazing Grace
5 . Tomorrow Is Such    
                     A Long Time
6 . Like Music  
              -Henry's Tune
7 . Maggie May
8 . Mandolin Wind
9 . (I Know) I'm Loosing You
10 . Reason To Believe

 

 

 

 

 

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本作をプロデュースまで
してるんだから凄い!

(2000.1.9 再更新)

 

 

 

 

 

 

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