The Beatles /
The Beatles(White Album) <1968>

おすすめ度★★★★★


68年発表のBeatlesにしては唯一の二枚組みアルバムであり、自らが設立したApplesレーベルからの初のアルバムである。

彼らは二枚組みというヴォリュームを利用してインドで書き溜めた曲の数々を思いっきり収録。さらに、この頃になると顕著に表れ出したメンバー個々の「趣味の違い」をも世に明らかにしている。

そのヴォリュームの中に収められた楽曲達は非常にバラエティに富んでおり、まさに「何でもあり」状態。サイケの魔力が切れ掛かった当時の混沌とした音楽シーンを反映したモノとなっている。

メンバー別に見ても、Johnは当時から付き合い始めたYoko Onoの影響で前衛音楽にも手を出し掛けてはいるが、まだまだRockやBluesを独自に解釈した楽曲を提供。

ダイレクトでストレートなこの頃の楽曲の数々ををライヴで演奏したのがYer Bluesだけというのは勿体無さすぎです。(at Rock'n Roll Circus

これに対するPaulは自身の趣味全開で暴走しまくり。本当に一人のアーティストの作品集なのかと疑ってしまいそうな程の変幻自在振りに脱帽である。

Georgeも出世作Disk1-7を提供してご機嫌だ。ご存知の通り、この曲のギターソロにはEric Claptonが参加。独特のトーンで迫るClaptonのギターにやはり耳が釘付けになる。若きClaptonはこのセッションにいたく感激したらしい。

また、一度はセッションを離れてしまったというRingoも独特の重いドラムでヘビーなグルーヴを形成。この頃からRingoのドラムは明らかにカッチョ良くなる。時代が彼を捕らえたのか、彼のドラムはココから4年程冴えまくる。

このアルバムと前後して、彼らの最高傑作とも言われる「Hey Jude / Revolution」というシングルが発売されて、記録的ヒットを飛ばしている事を考えると、底無しの様な彼らの製作能力には驚く他無い。

しかし、この頃まで、個人の方向性は違ってもグループとしてまとまっていた彼らだったが、徐々にその永遠と思われた抜群のチームワークも崩壊に向かって行くのである.....

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

このアルバムに関しては一杯ありすぎで、(どのアルバムもそうですが..)収集がつかなくなりそうですが、まぁとりあえず.....

まずはDear Prudence。Johnの優しい声に乗せて語り掛けられるかのようなアレンジは見事。Paulのベースもよく唸ってるしGeorgeのギターも冴える。でもドラムはPaulなので、ちっと素人っぽいスカスカさ。

その後にいきなりイントロからカマすRingoのドラムがカッチョ良いGlass Onionは、ある意味とてもBeatlesっぽいナンバーだ。自らを皮肉るかのような歌詞から遊び心いっぱいの音作りまで、とても楽しそうにレコーディングしている姿が目に浮かぶ。

そしてWhile My Guitar Gentry Weeps。前述のClapton参加作だ。Claptonのギターソロは短くもビシッと決められている。またピアノのサポートとPaulのハーモニーも抜群で、ClaptonがPaulに絶大の賛辞を贈ったいうエピソードもうなづける。

続くHappiness is a Warm Gunも最高。Johnがメドレー式に三曲くらいを一緒にねじ込んでいる。妙なリズムもなんなく馴染み、展開ぶりも見事の一言!がっしり組んだ4人の演奏もたまならない、生で聴きたいBeatlesナンバーNo.1です。

I'm So Tired
もJohnによる、けだる〜いナンバー。普段の生活で妙に疲れた時に思わず歌ってしまうのは僕だけか?途中でメロディをはみ出してシャウトするJohnのヴォーカルには首ったけ。

Bob Dylanを意識したかの様なフォークタッチで始まり、途中からカントリーホンク調に雰囲気をガラリと変えるRocky RaccoonはまさにPaulの独壇場。セピア色に染まったかの様なピアノソロもオシャレで楽し気だ。

Why Don't We Do It in The Roadも何だか理屈抜きに好きな曲。そして、間髪入れずに始まる I Willはボサノバ調のバラード。声によるベースを始めとする手作りっぽい音作りも最高。同じ人が作ったとは思えないです。Paul、最高だよ。

Yer BluesRolling StonesRock'n Roll Circusでも演奏されたJohnの最高のブルースロックナンバー。。R&R Circus出演時のギタリストだったClaptonと比較すると顕著だが、ココでのGeorgoの上手いとも下手とも言えないソロもまた、イイ。リズム隊もカッチョエエぞ!

再び騒がしいEverybody's Got Something to 〜も何だかJohnらしいRock'n Rollナンバー。終始周りを引っ張るリードギターのリフを中心に、終盤に浮上してくるブンブンベースからJohnのヴォーカルまでもがサウンドの一部となって一気に駆け抜ける。圧巻の演奏だ。

これに対抗すべくHelter Skelterは、Paulが本気でブルースナンバーに取り組んだ結果だ。でも、やりだしたら止まらないのもまた、Paul。The Whoを意識して作ったというRock史上初のメタルロックナンバーだ。

Anthologyには、これの初期バージョンが収録。結構ブルースっぽいのに驚いた。ん?待てよ?って事は、後のBlues Rockが発展してメタルロックが生まれていく過程をBeatlesはこの一曲で...ってのは大袈裟かな。(うん、大袈裟です)

がらりと雰囲気が変わってLong , Long , Longは、Georgeによる美しいトラッドナンバーだ。何だか後の彼のソロ作にも通じるアレンジだが、実はこの曲が一番当時のRockシーンを反映してるかも.....エコーのかかったRingoのドラムも美しいが、エンディングのアレンジは余計。

Honey PieはPaulのセンスが爆発の名曲。実はこの曲が一番好きだったりする。まるで古い映画でも見てる様な気分になる、とてもノスタルジックなアレンジが最高。

 

 

 

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Disk 1
1 . Back in the U.S.S.R.
2 . Dear Prudence
3 . Glass Onion
4 . Ob-La-Di , Ob-La-Da
5 . Wild Honey Pie
6 . The Continuing Story of
Bungalow Bill
7 . While My Guitar Gentry Weeps
8 . Happiness is a Warm Gun
9 . Martha My Dear
10 . I'm So Tired
11 . Blackbird
12 . Piggies
13 . Rocky Raccoon
14 . Don't Pass Me By
15 . Why Don't We Do It
in The Road
16 . I Will
17 . Julia

Disk 2
1 . Birthday
2 . Yer Blues
3 . Mother Nature's Son
4 . Everybody's Got Something to
Hide Except Me and My Monkey
5 . Sexy Sadie
6 . Helter Skelter
7 . Long , Long , Long
8 . Revolution 1
9 . Honey Pie
10 . Savoy Truffle
11 . Cry Baby Cry
12 . Revolution 9
13 . Good Night



 

 

 

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何やら企んでる様子の二人
世界最高の遊び心です

 

(2000.2.21 再更新)

 

 

 



 


順路はこちら
Beatles「Abbey Road」へ

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〜関連アーティスト・アルバムへのリンク〜

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