The Who / BBC Sessions
(1965〜1970) <2000>

おすすめ度★★★★


最近盛んなBBC音源の正規リリースにWhoが登場した。

デビュー直後にうまくアルバム制作が進んでいなかった彼らだけに、ココで聴かれる演奏は貴重そのものだ。本作にはアルバムに収録できなかった優れたシングルナンバーをふんだんに収録。

そしてデビューが遅かっただけに直ぐにトータルアルバムの制作を強いられ、素直にレコードに刻む事が出来なかった彼らのルーツを感じさせるビートスタイルのR&Bも収録されている。

更に何と言ってもBBCセッションの最大の魅力であるスタジオライヴ録音という条件が、彼らの為にあるかのように最大限に発揮される。

ダイナミックなパワーコードを中心にリズムを引っ張るPete、そしてKeith MonnとJohn Entwistleのリズム隊がリード的な働きを聴かせながら馳走する演奏力は圧巻の一言。

このリズムとリードの役割の逆転が彼らの最大の魅力だ。後にパンクの元祖として崇められるPeteのパワフルなカッティングや3、5で聴かれる爆走リズム、6、9で聴かれるリードベースは本作のハイライトと言っても良いだろう。

収録曲の方はやはり未発表だったカヴァーソングが聴き所。アメリカでカヴァーヒットする1年前に取り上げていた3やソウルナンバーの4、そしてモータウンからの5、11等は彼らのルーツを肌で感じる事ができる。

そしてマニアックな2ndからの選曲、14等はライヴスタイルでの演奏が聴けるとは思いもしなかったナンバーだ。2ndからならHeatwaveやSo Sad About Usをやってくれれば...っとも思ったけど、ま、贅沢。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(って、長くなったらどうしよう...^^;)

まずはGood Lovin'だ。爆走するKeith Moonのドラムとジャラジャラ進むPeteのリズムギター、そしてRogerの濃いヴォーカルにファルセットコーラスと60年代のWhoの魅力が集約された好トラックだ。

演奏こそ凄いものの、全体に漂う素人臭さが60's UK!って感じで大好きだなぁ。最高じゃ。

James BrownのJust You And Me, Darlingも60年代の香りがプンプン匂うギターサウンドが好印象なトラック。ココらをビートスタイルでカヴァーするセンスは流石です。

彼らの代表曲であるMy Generationも当然のお気に入り。スタジオライヴでも余裕でこなすJohnのベースソロにやはりホの字。しかし、国営放送が流して良いのでしょうか?こんな曲。

スタジオライヴで更に迫力を増した感もあるSubstituteも素晴らしい出来。エラク存在感を放つJohnのメロディアスなベースとムチャムチャ手数の多いKeithのドラムがやはりカッチョ良過ぎだ。

なお後半にはアコースティックバージョンも収録。こちらは更にJohnが目立っており、演奏自体もダイナミックで少し70年代っぽい。

Every BrothersのカヴァーであるMan With Moneyも彼らの魅力が詰まったトラックだ。変幻自在のKeith Moonのドラムを始め、JohnのリードベースとPeteのギターサウンドも輝きを放つ。

更にモータウンナンバーのDancing In The Streetは、独特のコーラスや重くてファンキーなアレンジが彼らの持ち味を最大限に引き出している好トラックだ。

実はこのアルバムで一番驚いたのがRun Run Runだ。2edのオープニングであるこのナンバーがこんなにカッコイイとは今まで気付きもしなかった。

実際こちらのバージョンにはPeteらしいノイジィなソロも加わっているものの、ノリ、臨場感共にこちらの圧勝。やっとこの曲が2edアルバムのオープニングに使われている理由が分かった....

逆に惚れ直したのはPictures Of Lilyだ。Peteのポップなセンスとリズム隊のハードな感性が見事に融合した名曲だ。間奏にホルンが入ってないのもビートバンドのライヴ感覚を増していて◎だ。

ミニロックオペラ的なA Quick One (While He's Away)は迫力こそRock'n Roll Circusなどで聴かれるテイクに劣るものの、見事なコーラスを中心にした丁寧な仕上がり。当時の彼らのライヴバンドとしての充実感を感じる事ができる。

Tommy収録のI'm Freeは、単独でも通用する魅力を充分に放っている。さすがにこの時期になるとアコギをオーバーダブしたりしてるが、独特の臨場感は健在だ。

この後も数曲の70年代の曲を収録しているが、どうせなら60年代のWhoの魅力で塗りつぶして欲しかったなぁ〜っと思うのは僕だけかな?惜しい。


WhoB1.gif (11650 バイト)

1 . My Generations
(Radio 1 Jingle)
2 . Anyway, Anyhow,
            Anywher
3 . Good Lovin'
4 . Just You And Me,
               Darling
5 . Leaving Here
6 . My Generation
7 . The Good's Gone
8 . La La La Lies
9 . Substitute
10 . Man With Money
11 . Dancing In The Street
12 . Disguises
13 . I'm A Boy
14 . Run Run Run
15 . Boris The Spider
16 . Happy Jack
17 . See My Way
18 . Pictures Of Lily
19 . A Quick One   
        (While He's Away)
20 . Substitute
21 . The Seeker
22 . I'm Free
23 . Shakin' All Over /
             Spoonful
24 . Relay
25 . Long Live Rock
26 . Boris The Spider
(Radio 1 Jingle)

 

 

 

 

 

 

 

 

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彼らの演奏面の魅力は
同時期のStonesなど
比では無いほど...Good!

(2000.2.21 更新)

 

 

 

 

 

 

 

 

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〜関連アーティスト / アルバムへのリンク〜

The Rolling Stones / Rock'n Roll Circus
彼らも出演したStonesのTVスペシャル

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