Cream / Disraeli Gerars <1967>

おすすめ度★★★★☆


Cream、その爆発的ライヴとサイケな魅力を放つスタジオ盤により、混沌とした60's中期のRock界でカリスマ的人気を博したバンドである。

Jazzをバックグランドに持つJack BruceとGinger Bakerというリズム隊に、UK Blues界の貴公子Eric Claptonという天才ギタリストが合体したという奇跡が最大の魅力だ。

本作はそのCreamの2ndにあたり、プロデューサーは後にMountainを結成するFelix Pappalardi。エンジニアは後のClapton作品にも度々登場する大物Tom Dowdである。

本作の特徴は文句無しにClaptonが奏でる「Woman Tone」と呼ばれた、その柔らかいギターサウンドだろう。

デビュー当時から天才ブルースギタリストとして評価を確立しつつあったClaptonであったが、ここでの彼の演奏はよりポップに、そして表情豊かにに変貌している。

楽曲的にもよりポップでメロディアスな要素が前面に出ており、斬新なコーラスワークとサイケな魅力が眩しいCream最高傑作だ。

また、実質的リーダーと黙されていたJack Bruceの活躍も勿論目覚しく、その独特のリードヴォーカルと手数の多いベースラインはやはり光りまくる。

そしてこれに、やはり手数では負けないGinger Bakerのドラムを加えた狂暴なリズム隊もCreamの魅力のひとつ....っというより、どちらかと言うとこちらの方が主役である。

ライブにおいては、更に狂暴になっているこのリズム隊に果敢に挑戦するClaptonを交えた三つ巴の喧嘩演奏が繰り返されたらしい....

しかし、そんな爆発的なライヴだけでカリスマ的なまでの人気を博す訳もなく、当然の事ながらスタジオ盤にも彼らの魅力は詰まっているのである。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

CoolにスタートするStrange Brewは、名盤の冒頭相応しいナンバー。抑えの効いたClaptonのギターサウンドや不思議なコーラスワークに本作のカッチョ良さが集約されている。

そしてヒットナンバーのSunshine Of Your Loveは、イントロのユニゾンで迫る印象的なリフとGingerのドラムだけでイっちゃいそうになるカッチョ良さ。相変わらず濃いJack Bruceと若々しいClaptonの陰陽的に交差するヴォーカルも堪能できる。

引き続き二人のヴォーカルが楽しめるWorld Of Painもカッコ良い。地味ながら最高の演奏を聴かせるドラムとベースの間を縫う、Claptonのワウワウギターがまたイイっス。

Tales Of Brave Ulyssesは、Jackのヴォーカルに絡み付くClaptonのワウワウギターが最高にカッチョ良いナンバーだ。Gingerのドラムも絶好調で彼らのサイケな魅力がとても良い形で発揮された名曲だ。

続くSwlabrは、これまた理屈抜きで最高にカッチョ良いナンバーだ。Jackの声が途切れる度に入ってくる3人の取っ組み合いの喧嘩オカズは、何度聴いてもしびれるぜぇ〜

Claptonによる若々しいヴォーカルも楽しめるOutside Woman Bluesも最高のBlues Rockナンバー。ファンキーなリフを力任せに引っ張るGingerのドラムも彼らしくて微笑ましい。

この曲をJim Gordon & Carl Radleで演奏すると、ヘビーなファンキーナンバーになってるんじゃないかと思うと楽しい...どっちがイイって訳じゃなくて。

観客の歓声も入ってるTake it Backは、アルバム中唯一のストレートなブルースナンバー。Jackのハープも光ります。今のClaptonに歌わせてみたいですな。

Creamは1stしかりであるが、アルバムの最後に冗談の様なJazzっぽい曲を入れる趣味があったようだ。Mother's Lamentがそんな曲。

楽しそうに録音している彼らの姿が目に浮かぶようで楽しい。誰の趣味だったんだろう....リズム隊のどっちかだろうけど。


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1 . Strange Brew
2 . Sunshine Of Your Love
3 . World Of Pain
4 . Dance The Night Away
5 . Blue Condition
6 . Tales Of Brave Ulysses
7 . Swlabr
8 . We're Going Wrong
9 . Outside Woman Blues
10 . Take it Back
11 . Mother's Lament



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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この三人のカッコ良さは
永遠ですな


(2000.1.8 再更新)

 

 

 

 

〜Those Were The Days〜

Creamに関しては、最近「Those Were The Days」というBOXセットが登場。
彼らの代表曲どころか、ほとんどの曲を収録。
さらに未発表曲やデモテイク(ちょっと少な目)そして、今まで色々なアルバムに
バラバラで収録されていたライヴテイクを2枚のCDに収めてくれたのは意外に嬉しかった。

未発表バージョンでは、ClaptonのJim Hendrixばりのギターがスザマしい
Hey New Princessやアレンジが固まる前のため、作者のJack Bruceのオカズが
妙に目立っているSwlabr、さらにジャムっぽいThe Clearoutあたりが聴き所か。

正直、このBOXがあればCreamはOKって感じ。
このBOXのおかげでライヴテイクを一気に聴けるようになったのは大きかったし、
Anyone For Tennisの為にBestを買わずに済んだし....いいBOXです。

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〜その後のCream〜

そんな喧嘩ライヴばかりしてるとメンバーが疲れるのは当然と言えば当然。
グループに天才ばかりがいると、長続きはしないものである。
Beatlesは特別、奇跡。案の定、Creamも68年に突然解散宣言をします。

アメリカツアーを終えてロイヤルアルバートホールで解散コンサート。
Jack Bruceはソロアーティストとして新たな可能性を模索し、
ClaptonとGinger Bakerは何とSteve Winwoodと組んでBlind Faithを結成します。

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順路はこちら
Claptonの夢 Blind Faith

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